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転職を決めるまでの8つのステップ

ここ最近、いろいろな方と話す機会が増えてきて「どうしてIKEUCHI ORGANICに転職されたんですか?」「思いきったキャリアチェンジですけど、抵抗なかったんですか?」と聞かれることが多くなりました。その度に説明するのがすごく難しくて、いつも、うまく答えられたと思う事がほとんどありません。

僕自身は転職を4度経験して、正直最初の頃は自分の思い描いていた理想と現実の違いにかなり悩みました。20代前半の失敗だったから、なんとか取り戻せたような気がしますが、一度しかない人生で仕事で失敗はたくさんするべきだけど、会社選びの失敗で学ぶことはあまりないと思っています。

チャンスの広がる転職はどんどんした方が良いと思ってるけど、安易に転職するのは、キャリアアップではなく、キャリアのスライドにしかならないので、転職するか悩んでいる方に向けて、僕がIKEUCHI ORGANICを知ってから、どのように意思決定をしたか、できる限り詳細に書きたいと思います。

1.どんな会社で働きたいか?〜いい会社の再定義〜

転職の直接的なきっかけとなったのは、イケウチな人たちにも、掲載された元鎌倉投信のファンドマネージャーで現eumoの新井和宏さんに出会ったことが事が始まりです。それまでの僕は、「いい会社とは?」と聞かれたら、会社としても成長していて優秀な人材が集まっていて、個人としても成長の場がある会社と答えていたけど、当たり前だけど「いい会社」の定義は一つではありません。

鎌倉投信の考えるいい会社はシンプルに表現すると、「本業を通じて社会に貢献する会社」。この考えを聞いたときに、あぁなんて自分は、自分の人生のことしか考えてなかったんだろう。。そして自分が知らないだけで、日本にはいい会社がたくさんあることに気づきます。

2.仕事の原点を探す〜モノづくりの会社への憧れ〜

最近自分の周りで多いのが、IT系でバリバリ働いていた方がモノづくりの会社へ転職する事例です。その人たちと話すと、みんな共通しているのが「実態のあるモノ」への憧れです。僕も前職では書籍というモノを売っていたけど、お客様の顔が見えなかったし、毎年何万冊と発売になる本で、作り手の顔がわかるのはごくわずか。

作り手の顔と使い手の顔が見えて、誰に対しても自信を持って勧めることができるプロダクトを作る会社で働きたい。そんな漠然とした思いは実はずっと前から思っていました。

モノづくりの会社への憧れは、10年以上前に出会った西村佳哲さんの「自分の仕事をつくる」という本を読んでから。パタゴニアやヨーガンレール、ルヴァンのモノづくりの考えに触れたのが大きくて、この本に出会ってなかったら、多分鎌倉投信でIKEUCHI ORGANICのことを聞いても、転職するというアクションはとらなかったと思います。

先日著者の西村さんと読書会をしたこともあり、再読しましたが、今読んでも新たな発見があり、僕の中で影響を受けたのはもちろんだけど、自分の姿勢、生き方を正すための本でもあります。

3.ブランドを見る〜地方の会社とブランディング〜

いくらいい会社で、いいモノを作っていても、企業のイメージやプロダクトがカッコよくないと共感はできません。この点が実は大事かなと思っていて地方にはいい会社、いいモノを作っている会社はたくさんありますがデザインまで洗練されているブランドはごくわずか。ブランディングは社内ではどうすることもできません。その点、IKEUCHI ORGANICはナガオカケンメイさんがブランドのリニューアルに関わっているというだけで安心はできました。

それとともに経営者のセンスの良さを知る事ができます。だって、センスがよくなければナガオカさんにブランディングを依頼しようなんて思えないですから。この3つが合ってはじめて僕はIKEUCHI ORGANICを受けてみたいと思うようになりました。

4.経営層との相性を見る〜ワンマンではなさそう〜

IKEUCHI ORGANICは30人ほどの小さな会社でオーナー企業なので、オーナーとの相性がすべてと考えました。池内の講演が都内であったその日に時間をもらって30分ほど雑談をして、高圧的でないかとか、モノづくりの想いは本物か、人の意見を聞き入れるタイプかなど確認していきました。

池内の記事はこれまでに読んでいたので、記事で話している事と実際会ってみてGAPがないかを見ていました。まあお互い人見知りだから、意気投合というわけではなかったんですけどね(笑)でも、この経営者なら直接意見を言えるし、距離感がとても近く感じたので応募することを決意しました。


5.商品を見る〜自分が自信を持って勧められるか〜

応募を決めてから、面接までの間に時間があったので東京ストアに実際に見に行ってきました。プロダクトは自分が自信を持って人に勧められるか?商品はセンスが良いか?品質はどうか、売り場はイケてるか?スタッフは良い人そうか?などを見て、これなら大丈夫そう。と確信を得ることができました。

ちなみにこのときに購入したのはコットンヌーボー2015で、もう3年半以上使ってますが、今でもこのタオルを使うときははじめてストアに入ったときの緊張感を思い出します。

6.上司との相性を見る〜誠実な人だった〜

応募の意思を伝えて、実際に面接に進むことになります。最初の面接官は現社長の阿部でした(当時は取締役)。オーナーとの相性が問題なくても直属の上司との相性が悪ければ、長く働くことができません。ここも本当に重要で大企業であれば、部署移動の可能性が残されていますが30人の会社ですから、仮に相性が悪ければ、他の部署に行くという選択肢がありませんので、2回に渡って話をしました。

僕がこの人は信頼できると思ったのは、転職を無理に勧めなかったことです。阿部が話したのは「経済的には健全でなくなるかもしれないけど、精神的には健全でいられます」。ここの言葉を聞いて、デメリットもメリットもきちんと伝えてくれて、かつ生産者、お客様、取引先に対して偽りなく働くことができるのでは?と思えるようになりました。

7.同僚との相性を見る〜同じ目線で働けそう〜

次に一緒に働くことになる同僚と面接をしました。これまたとても大事なポイントで(つまり全部が大事)、いくら経営層との目線が同じでも、一番コミュニケーションをとることになる同僚との相性が悪ければ、仕事を円滑に進めることができなくなります。この時は、web担当で応募していたのでIKEUCHI ORGANICのサイトを見て課題と提案をプレゼンするというものでした。

こちらからの提案に対して、変に否定的でないか、きちんと意見を汲み取ってくれそうかなど柔軟性を見ていました。そして、その面接をしてくれた人物こそが、イケウチな人たち編集部でもある神尾です。

地方の会社ということもあり、web制作部門をすべて外注していたり、誰もITリテラシーのある社員がいないというリスクも考えていましたが、この点でも安心することができました。実際に入社後は一番神尾とコミュニケーションをとっていますが、今でもwebの仕事をする上で、自分の一番の理解者でもあります。

8.家族への同意を得る〜同じ目線で会社を見る〜

キャリアチェンジをするに当たって一番のハードルがあるとすると、家族の理解でした。幸い妻はキャリアカウンセラーの資格を持っていたので、転職に対しても客観的な立場からアドバイスをもらえました。

最初は難色を示していたものの、1週間ほどみっちりとデメリットとメリット、将来自分がどうありたいか?社会にどんな貢献ができるか、生活はどうなるかを丁寧に説明して、最終的には合意を得ることができました。

最初の鎌倉投信のセミナーで一緒にIKEUCHI ORGANICを聞けたこと、それから面接前のお店への視察でも一緒に見たことも大きかったかもしれません。彼女から見てもポテンシャルのある会社と映ったようです。この決断ができたのも妻のおかげです。妻には感謝しかありません(これを書いてる3月3日は結婚記念日でもあるのでなおさらです笑)

ということで、IKEUCHI ORGANICを2015年の2月頃に知って、実際に内定をもらったのが6月ですから、約半年の間に渡り転職先を吟味したことになります。それもあり、入社前と入社後のGAPは比較的少なかったですし、自分が会社の中でお役に立てるだろうという半ば確信があって入社をしたので、フィット感はこれまでの転職の中でも一番高かったです。

長くなりましたが、僕はフットワークは軽い方なので、すぐに直感で判断してしまう方ですが、転職に関してはなぜその会社なのか?会社のカルチャーに合っているのか?転職先で役に立てるのか?を徹底的に突き詰めました。鎌倉投信で知ったことが転職の直接のきっかけではありますが、知ったからといって安易に飛びつくのでなく、一つ一つステップを踏んで、行動するようにしました。

別にこれを読んでくれた誰かに転職を勧めているわけではありませんが、転職を検討してから決意して行動するまでを詳細に書くことで、何かの参考になれば幸いです。

※3/6(月)にIKEUCHI ORGANICのブランドリニューアル5周年を記念して、ナガオカケンメイさんとのイベントを開催します。残りわずかになりましたが、デザイン直後ではなく、5年経ってブランドがどう変化したかを聞く機会はかなり貴重だと思いますのでご興味ある方はぜひご参加くださいね。



#平日の備忘録 #転職 #キャリア



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