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明日のパン

テレビやメディアによると京都はパンの消費量が多いのだそう

パン屋さんもたくさんあり、チェーン店とかフランチャイズとか、ショッピングモールとか、百貨店の地下とか、ホテルのとか、喫茶店のとか、お菓子屋さんやケーキ屋さんのとか、カフェのとか、お漬物やさんのとか、週末しか売らないのとか、移動販売とか、自動販売機とか形式は様々で、さらにサンドイッチ・ベーグル・食パン・米粉パン・クロワッサン・メロンパン・カレーパンなど専門店に加えて、フランス・ドイツ・オーストリア・北欧各国など国籍もバラバラ、数え切れないくらい沢山のパン屋さんがある

さらに近所の大人気のパン屋さんは最近新しくなった四条河原町の高島屋S・C地下にも店舗を出し、お店が定休日の昨日も高島屋には列ができていた

所用がありその高島屋に行き、帰りに地下へいくと春休み中なのか観光客っぽい人や外国人の方だけでなく、沢山の家族連れや若い人がいて、皆お買い物をしていたが少し年配の女性二人が『明日のパン買うて帰らな』とパン屋さんに向かっていった

高島屋を出て四条通の交差点で、お酒やお菓子の入ったスーパーの袋を持った女の子たちがいたので今から楽しいパーティーかしら?と思っていたら『もうちょっと飲み物いるかな、あと明日のパンも無いしどっかで買って行かなあかん』と喋っていた

家に帰る前にお買い物、とスーパーに寄ったとき野菜売り場のそばに店内ベーカリーがありその前で小さい子どもが『これ食べたい』とクリームパンを指差すとお母さんが『明日のパンはあるって言ったよね!』と諭していた

短時間で3回『明日のパン』というセリフを聞いたが、珍しいことではない

これは地域や地方を問わない光景なのかしらん

私が小さい頃も母と出かけると『明日のパン』を買っていたし、友人と出かけると途中お母さんから電話がかかってきて『明日のパン買ってきて』というやり取りをしていたし、私も頼まれてパンを買って帰ったりした

普段から私はお米を食べていたけれど、お出かけの翌日のパンは特別で楽しみだった

少なくとも30年はおなじセリフを生まれ育った家の中でも聞き、おとなになって実家を離れて暮らす今も、少なくとも私の周りでは小さい子から年配の方まで結構な人が口にするおなじみのこのセリフ

私自身もパン好きで専用トースターまで持っている友人の家に遊びに行くときは手土産のお菓子や果物のほかに、そのパン好きさんを喜ばせたくてとっておきの『明日のパン』を持って行く

けったいなような、平和なような、懐かしいような、当たり前のような、不思議なセリフにちょっと笑ってしまう

明日のパンを買っていた人たちは昨日買ったパンを今日の朝食のパンとして食べたのかな




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