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メガドライブの曲でホログラム映像を作った話

メガドライブが誕生してちょうど30周年。先日、私の Rotten Zipang の曲をリミックスしてくれた Remute が、メガドライブのカートリッジでアルバムを発表しました。そして、その中に含まれる Red Eyes という曲を私がリミックスして、シングルカットされてリリースされました。

今回はその曲を元に、不定期で開催している MITTE というイベントでお馴染みの MEISAI と、HOLOGRAM SHOWCASE(ホログラム装置)の提供と映像制作で協力してくれた SUGOI Inc. の方々と一緒にミュージックビデオを作りました。

ホログラム映像の制作方法について

まず何がスゴイってこの装置。SUGOI Inc. 製作の HOLOGRAM SHOWCASE という装置なのですが、下の写真を見てください。横から見るとダイヤモンドの指輪と雪の降る映像が融合して見えます。実際に肉眼で見ると、映し出される映像と、そこにある物質の次元が異なるが故に、映像が浮き出て見える興味深い空間になります。

今回はこの装置を使ってホログラムとして映し出すために、まずは MEISAI のダンス映像を先に撮影しました。その後、その編集された映像を装置に映し出しながら、手やお椀を融合させて撮影して、さらにその映像を編集するという手法で制作されています。

今回の画コンテの一部

ホログラム映像用に撮影した内容をみんなでチェックしている様子

ホログラム映像と手やお椀を融合させて撮影している様子
(動画より抜粋のため荒い)

編集に手間をかけたり、こんな装置使ったりして、一体制作にいくら使ったんだ?とお思いの方もいるかと思います。しかし、今回の MV 制作は有志による各自の持ち寄りなので、実際にいくらかかったのかわかりません。負担の比率で言えば、音楽側は低いと思います。参考までに最近の MV 制作予算を書くと、サカナクションや Perfume などの MV を手がける名の知れた監督の場合で、200〜300 万円くらいだそうです。制作を抑えるためにかなり効率の良い作り方をしているようです。詳しくは、以下の note に書かれていますので興味ある方は読んでみてください。

Red Eyes のリミックスについて

Red Eyes という曲は Remute がメガドライブカートリッジでリリースしたアルバム Technoptimistic に含まれています。この曲、もといアルバムは DefleMask Tracker というソフトで作られているそうです。これはトラッカーと言われる種類のシーケンスソフトで、利用できる音源はチャンネル毎に画面上で縦に区切られ、各チャンネルに縦に並んだ英数字が演奏情報になっているのが特徴です。再生すると、並んだ英数字の演奏情報が上へ流れて時系列に再生します。ちょっと言葉ではわかりにくいと思いますので、トラッカーについて、以下の動画を見てください。

DefleMask Tracker で作れらた崎元 仁氏トリビュートの曲
(良くできている)

私にはリミックスをするときのポリシーがあります。それは、その曲で使われている音以外は使わないというマイルールです。これまでのリミックスも全てこのポリシーでやっています。理由はこの線引きから逸脱してしまうと、どこまでも自由にできてしまうし、オリジナルが跡形もなくなってしまう可能性があるためです。とはいえ、どうしても欲しい音がある場合は、波形レベルまでサンプルを分解してから再構築するという反則技を使うことも稀にあります…笑

今回は Remute から Red Eyes の各パート音源を個別に書き出したものをもらって、それをこちらで好き勝手に分解してリミックスをしています。原曲のこれぞFM音源という音を生かしつつ、この種の曲がすきな人の好みの延長線上にあるような曲を DAW で作ることを目指しました。当然、音源はサンプルの切り貼りやサンプラーしか使っていません。
ちなみに、リミックス名に入ってる YM2612 というのはアメリカでいうジェネシス、日本でいうメガドライブに内臓されている1988年にヤマハが開発したFM音源チップのことです。

Red eyes のオリジナル曲とそのMV

以下が実際にリリースされた Red Eyes のリミックスです。今回制作した MV では以前記事で書いたように、曲を映像用に短くエディットしています。また、MEISAI のダンスの構成にも合わせています。是非オリジナルと聴き比べて、その違いを確認してみてください。

それから、もしこの MV をみて MEISAI が気に入った方で出演や振り付けのお仕事を依頼したくなった方はコチラから。また、SUGOI Inc. へ映像制作を依頼したくなった方はコチラからご連絡をお待ちしています笑

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※この内容はこの記事(私のブログ)からの転載です。

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