名士かくし芸大会 グラフ特集
― 笑いと感動をありがとう ―
時代の流れにより2019年の36回大会を最後に閉幕となった歳末チャリティー「名士かくし芸大会」(陸奥新報社主催)。師走に笑って一年を締めくくろう―と1984年に始まり、名士らのユニークな衣装やメークなど、普段見ることができない一夜限りの姿は笑いと感動を届けてきました。黒石ナナ子さんの名司会ぶりも盛り上げに一役買い、本社にはファンから閉幕を惜しむとともに感謝の手紙が寄せられるなど、会場を沸かせた奮闘ぶりはファンの胸に刻まれ続けています。
閉幕が決まった年の最後に、36年間蓄積されたあまたの名場面の中から、印象に残る懐かしのシーンを紹介します。
※役職等は出演当時のものです。順不同。
※スペースの都合で紙面に掲載できなかった写真も紹介しています。
若手と団結一致
―青森銀行―
青森銀行は大会制覇に向け、むつ市出身の石川啓太郎常務執行役員弘前地区営業本部長が慣れない津軽弁の寸劇に挑もうとして断念したり、得意の歌を試すも若手行員から「下手くそ」と止められたりする様子をコミカルに演じた。最後は総勢32人の大所帯で荻野目洋子「ダンシング・ヒーロー」を踊り、会場から拍手喝采を浴びた。ステージを終えた石川常務は「平成最後の大会に、若手行員と一致団結することができて良かった」とすがすがしい表情で語った。
満艦飾で登場
―みちのく銀行―
みちのく銀行は行内の出演者選考会という設定で、リーチマイケルや八村塁らスポーツ選手に扮(ふん)した行員たちが登場して会場を笑いに包んだ。ヒット曲の替え歌「恋するかくし芸大賞」で大賞獲得に懸ける思いを表現した後、前年からさらにバージョンアップしたという、花あり電飾ありの満艦飾のいでたちで現れた福士勝彦常務執行役員弘前地区本部長は「皆さん頑張っていて、練習の成果が出たと思う」と達成感をにじませた。
幻想的な演舞
―東奥信用金庫―
東奥信用金庫は、過去の大会で好評だった人気芸の千手観音を、街頭パフォーマンスと合体させた「とうしん フラッシュモブ」を披露。別々に登場した“通行人”がやがて一つになり、ヒット曲「レット・イット・ゴー」に乗せて幻想的な演舞を披露した。村上靖浩本店長は「新たな演出部分は若い人に任せたが、千手観音は『アナ雪』と相性がいい」と出来栄えに満足していた。
笑い声で完走
―東奥信用金庫―
東奥信用金庫は主催する「とうしん芸能発表会」の舞台をセルフパロディーに仕立て上演。黒石ナナ子さんに扮(ふん)した司会者が進行し、白戸均本店長が梅沢富美男さん、志村けんさん、山本リンダさんのそっくりさん均一人3役で熱演。コミカルな演技で〝夢芝居〟やスコップ三味線などを披露し会場を沸かせた。
汗だくでゴー
―青い森信用金庫―
郷ひろみの名曲を熱唱した相馬均執行役員弘前・津軽地区本部長。次々と着替えながら4曲立て続けのパフォーマンスに「連続はさすがにきつい」と汗びっしょり。「アルコールというガソリンを入れて、何とかやり切ることができた。自由にやらせてもらい、思う存分楽しめた」と満足した表情を見せつつ、「練習し過ぎて郷さんのことが嫌いになったかもしれない」と苦笑い。
笛のソロ演奏
―東北電力―
東北電力弘前営業所清野和寛所長が扮(ふん)する桃太郎が3年連続登場。金庫の中に入っていたフルートなどを演奏したものの、やはり弘前はねぷた囃子―という展開に。出演者によるねぷた囃子に合わせてミニねぷたも登場し「ヤーヤドー」の掛け声が響き渡った。ラストに、ねぷた囃子の笛のソロ演奏を披露した清野所長。「約1カ月前から昼休み時間を利用して練習した。みんなで楽しくやれてよかった」と満足げ。
堂々と歌合戦
―櫻田宏市長―
歌で時代を振り返る「懐かしの昭和~ひとり紅白歌合戦」を披露。衣装を早替えしながら4曲を堂々と歌い上げた。フリルシャツにきらめく上着で登場した櫻田宏弘前市長は野口五郎の「青いリンゴ」を爽やかに歌うと、ステージ上のついたて裏でミニスカート姿の天地真里、スパンコールドレスの和田アキ子に変身。最後はねぷたとともに現れて北島三郎の「まつり」で喝采を浴びた。驚きの衣装早替えは「とにかく頑張った」とし、「歌はもう少し稽古すれば良かったかな」と苦笑した。
手慣れた演技
―川村悟県議―
話術巧みなイタコ役で会場を沸かせた川村悟県議。カラスが飛び交う舞台セットや小道具、衣装も本格的で、常連らしい手慣れたステージを見せた。練習時間が取れず、ぶっつけ本番だったというが「笑いはいいよね。今年は震災でつらい1年だったから、笑って正月を、いい年を迎えたいという思いを込めた」と笑顔で語った。
人形と一緒に
―工藤兼光県議―
工藤兼光県議は「君が好きだよ」と「東京の流れ星」をストーリー仕立てに情感たっぷりに歌った。「最初は妻と出ようと思ったが断られてしまった」と、代わりに手作り人形を引き連れて舞台へ。この予想外な登場に会場は笑いの渦に包まれた。中盤から声の調子も上がり、「最高の気分」と晴れやかな表情を見せた。
審査は辛口
―弘前商工会議所―
目玉事業で弘前市の〝風物詩〟として定着してきた「ファッション甲子園」番外編としてファッションショーを演出。役員ら7組がユニークな衣装で登場、電信柱姿の永澤弘夫会頭による審査委員長としての辛口コメントが会場の笑いを誘った。永澤会頭は「楽しかった。充足感でいっぱい」と満足げ。
あでやかな舞
―岩木文化協会―
巧みな話術で会場を笑いの渦に巻き込んだ前回までとは一転、あでやかな舞で観衆を魅了した長谷川清一会長。師匠西川扇華栄さんが振り付けをし、お弟子さん仲間6人も協力。3カ月にわたる猛練習を振り返り、「女性の踊りは初めてで反省と後悔の連続だったが、先生と仲間に支えられた」と笑顔を見せた。
「火流し」再現
―ツガルサイコー―
ツガルサイコーは黒石市大川原地区の伝統行事「火流し」を再現。舟を引いて川下りする若者を熱演した。行事が終わっても興奮冷めやらぬ若者たちは次々脱ぎだし、最後は福士収蔵代表取締役社長がちんどん屋になって会場を一周。津軽伝承工芸館の村上正吾支配人は「いい感じ。達成感があった」と満足そうだった。
頑張りに満足
―プロジェクトおおわに事業協同組合―
プロジェクトおおわに事業協同組合が指定管理している大鰐町地域交流センター「鰐come」の従業員らと寸劇を披露。ある一日の業務をユーモラスに表現した。客と従業員が元気にやりとりすれば、八木橋孝男理事長も歌謡ショーで「望郷じょんがら」を情感豊かに歌い上げ、観客を沸かせた。八木橋理事長は「みんな頑張っていて楽しく演じられた」と満足げな顔を見せた。
人気列車PR
―津軽鉄道―
津軽鉄道は澤田長二郎代表取締役社長が駅長姿で登場。アフロ頭のアテンダント6人とともに「あたりまえ体操」で、風鈴、鈴虫、ストーブ列車など同鉄道で人気の季節列車を紹介。「ちょっと練習不足で緊張した」としつつも、コミカルな動きで笑いを誘い、演目終了後は「乗りに来て」などと呼び掛けた。
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