紫陽花3

紫陽花の行く先

枯れている花にも、命がある。
存在感という欠片が残っている。

美しい花も茎も、いつしか皆、枯れ逝く。
最後に辿り着くのは、みな平等に底であるのなら。

その耽美は、輝いている者に注がれる視線ではなく
朽ちていく者への愛で、満ち溢れている。

さみしさや苦しみさえも身に纏って
いつしか行く道に、真っ直ぐ立ち向かうかのように。
そのフォルムに敬意を抱いて。

私は文章でそんなことを書ければと、ふと想う。
最後まで貫く視線に自分も乗るのだという、想像力を持ちたい。

記憶の中では、漂白された花よ。
それには老いも若きもなく、自分も行く道なのだと。


- - - 8× キリトリ - - - 紫陽花の残り香3

いつか自分の本を作ってみたい。という夢があります。 形にしてどこかに置いてみたくなりました。 檸檬じゃなく、齧りかけの角砂糖みたいに。