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12月1日 金山叙情

台湾の東北海岸でみるマイナーコード進行の何ともうら寂しい景色にはいつも、ひどく心を惹かれる。

福建省泉州からの移民で街が栄えて300余年。長らくこの地域と海を見守ってきた媽祖廟。お旅所では「三将軍」「三太子」「千里眼と順風耳」がお支度してゾロリと並ぶ。緑が千里眼。赤が順風耳。


鴨肉を求める観光客でごったがえす目抜き通りをはずれ、脇道に入ると惚れ惚れする朽ち加減の民家。老街の魅力は裏道にあり。

春の学生による国会占拠から始まり、通り魔事件のなかった台湾で初めて起こった地下鉄での無差別殺人事件、復興航空の墜落事故、高雄のガス管大規模爆発、地方統一選挙での与党国民党の大敗。

このちいさな島で、ほんとにいろんなことが起こった一年だった。来年はどんな年になるかしら。

遠くを見ている千里眼にはなにがみえるかしら。

きょうも波が高い。

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