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『ある虫のおはなし。』動画制作会議室。

ども、ならざきです。

何となく勢いで提案した『ある虫のおはなし。』の動画制作ですが、思ったよりもというか予想以上のメンバーが集まってしまったので、いちおうメンバー間の動画制作に関するやり取りができるよう、突貫工事ですが会議室を設けることにしました。

基本的にはこのテキストで動画制作の進捗状況をお知らせし、コメント欄を利用してメンバーの皆さんとのやり取りができればいいな、と思ってみたりしています。

さきほどこちらにも書きましたが、現時点でのメンバーと流れはこんな感じになってます。

・原案、動画制作:ならざきむつろ
・絵:いのうえあさのさん
・朗読:torikaさん
・BGM:さとねことさん、りとるらいとさん、NOTEさん
・SE:チャーリーさん
・テーマソング:がきえさん
多分流れとしては(音製作のみなさんの要望次第ですが)、私がtorikaさんの朗読をもとに動画をまず作り、それを見てもらってBGMやSEを製作していただき、合体して完成させてYoutubeとニコ動にアップ、って流れを考えてます。
といっても制作ソフトがたぶんWindowsLIVEムービーメーカーなので、どこまでできるかはわからないんですが……とりあえずお盆までをめどに第一弾の動画くらいは作りたいな、と思ってます(;^ω^)

さとねことさんとチャーリーさんについては、現時点ではどのようにご協力いただくかを煮詰めていないので、もしかしたら『お二人それぞれにBGMをお願いする(なんせ10分超えるので)』とか、『共作でBGMを作っていただく』とかという形になるかも知れませんが、どちらにしてもお二人に音の制作でご協力いただけることはOKいただいております。
あと、いのうえあさのさんが、動画で必要であれば絵を追加で描いていただけるとも言っていただけました(*´▽`*)

さて、あとは私の動画作成技術だよな……がんばります(ノД`)・゜・。

では!

8がつ1にち 修正。

先日追記したテキストに、朗読されたtorikaさんの音声のタイムテーブルと、ラストに追加するスタッフロールのたたき台を掲載しておきます。
イメージとしては、各エピソードの冒頭(『○ひきめは、~で生まれました』)を無音にして、その次からBGMがフェードインしてくる感じで。

タイトルコール … 0:00~0:13

『ある虫のおはなし。』
さく ならざきむつろ
え いのうえあさの

オープニング … 0:14~2:41

小さな虫がいました。
その虫に名前はありません。

え?名前がない虫なんているはずがない、って?
そんなことはありません。

名前を付けるには、いちどでもだれかがその虫を見つけなくてはいけません。
つまり、今までだれにも見つかったことのない虫には、名前なんてあるはずがないのです。

え?そんな虫がどこにいるんだ、って?
それがね、あちこちにいるんですよ。
もしかしたら皆さんのすぐ近くにもいるかも知れません。

げんかんにかざってあるお花の上。
用水路や小川に生えてる草のうら。
もしかしたら、お隣りで飼ってるわんちゃんのおはなの先にだっているかも知れません。

え?
それならすぐ見つかるんじゃないか、って?

いえ、それがね。
見つからない――
いや、見つけられないんですよ。

だってその虫は、生まれたらすぐ、死んでしまうのです。
そして、虫は死んでしまうと、まるで雨上がりに空にかかるにじのように、すうっと消え去ってしまうのです。

つまり、その虫たちが生きていられるのは、
ほんのいっしゅんのこと。
あなたがまばたきをしてる間に生まれて、
そして死んでしまうのです。

だから、その虫は名前がないのです。

だれにも気付かれないまま生まれて死んでいく虫。
これはその『名もなき虫』たちのお話です。

Episode1 … 2:47~4:19

いっぴきめの虫は、とある大きな池のそばで生まれました。

赤ちゃんの小指よりも小さいその虫は、三つの細長いまるをくっつけたような体からみょん、とのびた細く長い四本のあしで立ち上がると、あるのかないのか解らないくらい小さな眼で辺りを見回して、その背中に折り畳まれていたとうめいな羽根をふわり、と拡げます。

体の三倍はありそうな大きさのその羽根は、太陽の光を浴びてキラキラと七色に光ってて、まるで本物のにじのよう。
きっとその様子を人が見たら、その美しさにみとれてしまうことでしょうね。

しかし、次のしゅんかん。
その虫は羽根を拡げたまま地面にたおれてしまったかと思うと、細かなつぶになってすうっと消えてしまいました。

そう、死んでしまったのです。
ただ、起き上がり羽根を拡げただけで。

そしてその虫のいた場所には、あのキラキラとした羽根のカケラすら残されていませんでした。

これが、いっぴきめのお話しです。

Episode2 … 4:20~5:34

にひきめの虫は、とあるマンションのベランダの手すりのところで生まれました。虫はそのまま羽根を拡げながら前のめりになると、手すりから下に落ちていきます。
この子はきっと、そのまま空を飛ぼうと思ったのでしょうね。

しかし、この子の願いはかないませんでした。
手すりから落ち始めてすぐに、風に流される灰のように散り散りになって消えてしなったのです。

そう、死んでしまったのです。
ほんのいっしゅんだけ、そのキラキラとした羽根で空を飛んだだけで。

そしてその虫のいた場所には、やはり何も残されていませんでした。
小さな眼が何を見たのかも、今ではもう解りません。

これが、にひきめのお話しです。

Episode3 … 5:35~7:03

さんびきめは、えんがわに座ったままうたた寝をしているおばあちゃんのかたの上に生まれました。

この子はいっしょうけんめい、おばあちゃんに語りかけようとしますが、残念なことにこの名もない虫には口がありません。
あっという間に死んでしまうので、エサを食べる口がなかったのです。

それでもこの子は、何かをおばあちゃんに言おうとして、そしてそのままつかれてかたから落ちてしまいました。

そう、死んでしまったのです。
おばあちゃんに何かを言おうとして、でもその何かを伝えることができないままに。

そしてその虫が落ちた場所には、何も残されていませんでした。
落ちてすぐにまた消えてしまったからです。

そしてそこには、うたたねをしているおばあちゃんだけが残されました。
幸せそうにほほえむ、おばあちゃんだけが。

これが、さんびきめのお話しです。

Episode4 … 7:05~8:09

よんひきめは、とあるおうちの台所のたなにある、お茶の入ったつつの中で生まれました。

この子はまっくらななか、それでも立ち上がってまわりを見回しましたが、まるで絶望したかのようにガックリとうなだれて、そのままバッタリとたおれて、そして消えてしまいました。

そう、死んでしまったのです。
もう何回目かわからない暗闇のなかでの誕生に、絶望しながら。

そしてその虫のいた場所には、何も残されていませんでした。
そこに残っていたのはただの暗闇と、お茶の葉っぱのにおいだけ。

これが、よんひきめのお話しです。

Episode5 … 8:11~9:25

ごひきめの子は、夜、ねむってるあなたのおでこの上に生まれました。

この子はでも、他の子たちとはちがってました。
立ち上がったり羽根を拡げたりしなかったのです。

この子は生まれたまま、横になったままで、あなたの閉じた目をのぞきこんで、まるでにっこりとほほえむように頭を傾げて、そしてそのまま消えてしまいました。

そう、死んでしまったのです。
あなたのねがおを見て、なぜかほほえみながら。

そしてその虫のいた場所には、やっぱり何も残されていませんでした。
ただ、安らかな表情でねむってる、あなた以外には。

これが、さいごの子のお話しです。

Epilogue … 9:27~10:24

その虫が、どうして生まれてくるのかは判りません。
どうしてすぐに死んでしまうのかも、
どうして死んだら消えてしまうのかも。

しかし、はっきりと言えることがひとつだけあります。

その虫は確かに、この世界にいるのです。
それも、私たちのすぐそばに――

私たちが目を閉じている、ほんの一瞬の世界に。

これが私の、ある小さな虫のお話です。
あなたは、信じますか?

おしまい。

エンドロール:1分程度。

さく ならざきむつろ
え  いのうえあさの

ろうどくしたひと とりか

おんがく
 おーぷにんぐ     さとねこと
 いっぴきめのおはなし さとねこと
 にひきめのおはなし  のて
 さんびきめのおはなし りとるらいと
 よんひきめのおはなし めざましどけい
 ごひきめのおはなし  さとねこと
 えぴろーぐ      さとねこと

てーまそんぐ
 「ADHD」
  さくし     めざましどけい
  さっきょく   めざましどけい
  へんきょく   がきえ
  ぴあのえんそう がきえ

  うた      がきえ


※ 上記のスタッフロールの合間に、いろんな人が想像した虫さんのイラスト(ラフスケッチ的な感じのもの)が表示されるとなお良い。

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