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「だれも病人でありうる、たまたま何かの恵みによっていまは病気でないのだ」という謙虚さ by精神科医・中井久夫

不勉強ゆえ、この追悼記事を読んで初めて、精神科医・中井久夫さんのことを知った。発達障害や下の叔母の言動などを調べるうちに、気になっているからか、この新聞記事を切り抜いていた。

今年の8月に亡くなったからだろう。今、NHK・Eテレの『100分で名著』でとりあげられている。

やはり精神医療は、人の生き方や社会生活に深く関わる分野であり、患者に対する中井久夫さんの人間臭いアプローチにとても心惹かれた。
精神疾患の捉え方や、精神医療を通して歴史や社会を見る視点が、時代の一歩先を行っている。

「だれも病人でありうる、たまたま何かの恵みによっていまは病気でないのだ」という謙虚さが、病人と共に生きる社会の人間の常識であると思う。

共著『看護のための精神医学』の一節

精神疾患だけでなく。社会的弱者と言われている人を見て、「自分はそうではない」と思っても、それは「たまたま」であって、何かをきっかけにだれもが弱者となり得る。みんな同じ。人の間に優劣はない。

みんな違って、みんな同じ。



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