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レントゲンに映らない病気

今年に入って生まれて初めて漢方専門薬局という所に行ってみたわけだけど、漢方薬を処方してもらうために、薬剤師さんとたくさん話をした。
漢方薬は、病気自体を抑えるというより、その人の体や精神状態、生活習慣など全体を診て病気が根本的に治癒するように処方するからだ。

病院の薬局で薬剤師として勤めていたこともある彼女は、血液検査でも異常がない、レントゲンにも映らない、でも体調がすぐれないという患者を大勢見てきたという。人間の体って、本当に不思議だ。

私の体調不良も多分レントゲンには映らないだろう。
私は夫との関係で、肝を冷やしている状態だそうだ。「肝を冷やす」とは、
昔の人は上手に言ったものだ。

私のような精神的な不調でよく見られる症状は「喉が詰まる」ことだそうで、まさにしょっちゅう喉は詰まっていた。
悩んでいる人の「食べ物も喉を通らない」という表現はここから来たのかなあ。

漢方薬は、症状に合わせて配合した薬の効き方を観察し、取捨選択して長年の間に積み上げてきた経験的アプローチ。科学的ではないからと、誤解されがちだ。
それに対して西洋薬は、動物実験や人体の治験で効き目や安全性が確認され、承認された後に世の中に出るという科学的アプローチ。
どちらが正しいというのではなく、症状や緊急性などに応じて服用していく。どちらを服用するか、医者のアドバイスはもちろん大切だが、自分で自分の身体を知っておくことは大前提だと思っている。

薬剤師さんのアドバイスで妙に納得したのが、
「言葉で伝える仕事をされているのに、ご主人には言葉が通じないということが一番大きなストレスになっているかもしれませんね。」ということ。
ぼんやりとはわかっていたけど、こんなふうに端的に指摘されると、
それそれ!と納得してしまった。

病院の検査で異常が見られないと、たいてい自律神経の乱れとか更年期障害とか言われる。
以前、左胸にひきつるような痛みが出て動悸がしてきたので、救急外来へ行ったら、「痛みが出ている時に来てもらわないとわからない。」と研修医みたいな人に言われた。そりゃ、無理でしょ。
救急外来に着いたときには少し治まっていたからね。
自分で運転して来れるようなら大丈夫でしょ、ということか。

検査で異常が出る病気はもちろん大変な病気。
でも、「病は気から」ではないけど、検査でわからない病気の方が
今の私にとっては深刻なのだ。

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