渡辺みっちぇる

パンドラの箱をあけたら子供のおもちゃが入っていました。編集・執筆しながら政界の末端部分で生きています。綺麗な表現/男の生き様と葛藤/政局・選挙/昭和1ケタのどんづまった雰囲気/

ビクスビ夫人に宛てた書簡(1864.11.21)

拝啓 陸軍省の書類綴りのなかにありましたマサチュセッツ州軍務局長の報告書をみまして、婦人が名誉の戦士をされた五人の令息の母上であることを知りました。かくも大いなる損失の悲しみに打ち沈んでおられる貴女をお慰めしようとしても、私の言葉はどんなに力弱く甲斐ないものとなることでしょう。しかし私は、五人の方が命を捧げて護られた、わが共和国の、捧げる感謝の言葉を、あなたの慰めとなりうるかと存じ、申し送らぬわけ

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駅まで車で妻を送る。
運転しながら「今日はすごいガスって(霧がかって)んなぁ」とつぶやき、妻は「マスクしてるからメガネが曇ってんだよ」とつっこむのが最近の朝の風景

ことだまの話

むかし、生まれた子供に獣の名前を入れることがあった。生命力の強い獣の名前を借りることでその力を得ようという言霊(ことだま)信仰の一種だったようだ。鹿之助、龍馬、虎太郎・・・・・・

そういえば、拓馬という友人はどことなくウマに似ていたような・・・・・・

同じような話で、考えていることを言葉にすることで、実在に現れてそれが実現するという言霊のパワーがある。

以前、私は毎週末に東京から栃木県栃木市

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チャンスを、見逃すな

電話越しにマネージャーが絞り出すようにいった「悪いが、今日は休む」という宣言は、3日前からチームメンバーを次々に襲っているインフルエンザがついに大将を討ち取ったことを意味していた。私は普段6人でやる仕事を2人でこなすのはヤベえだろうなと予感したが、反面、上司のいない職場は気がラクだとも思った。机を挟んで斜め前に座る先輩は平然とパソコンを見つめて作業をしていた。朝日を浴びて先輩のセミロングのストレー

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イエスマンのT介さんの退社

営業部長のT介さんはマジでイエスマンだ。ミーティングでもなんでも社長のいうことに絶対逆らわない。末端社員の俺たちが「どう考えてもムリだろ……」と思うような営業ノルマが降ってきても、トカゲのような冷たい顔つきを変えずに淡々とメンバーに指示を出して、それでも足りない分は自らがこなす。

T介さんは月末最終週になるとメンバーの未達分をカバーすべく、始業前から突然新規営業のテレアポをし始める。受話器を持っ

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納車したばかりのアウディに鳩の落とし物がついていた

俺の直観はよく当たる。なんとなく嫌な予感がしていたが、複合施設の屋上にとめた車に戻ると、ビカビカに輝いている赤いボディにそれがあった。水っぽくも粘ばっこい白い液体は、ゆるやかに傾斜したボディラインの上を優しくなでるように流れていた。

擦って傷つく革のカバン、初めて落とすスマホ、モノには必ず通らなければならない道がある。そういう思いは十分に知っていた。だが、早すぎる時のおとずれに俺は怒りをおぼえた

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