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一カ月間今までに買ったサイケアルバムを振り返る② 13th Floor Elevators/The Psychedelic Sound Of 13th Floor Elevators

サイケのジャンルの中では知名度も高い今作だが、初めて存在を知ったのは
ニコニコに上がっていた「ゆら帝の坂本さんが影響を受けたであろう曲集」なる動画を昔見つけたことからである。いわゆる好きなバンドのルーツを辿る行為(本人が公言していないのでもしかするとルーツではない可能性もあるが...)であり、当時このアルバムとシルバーアップルズの2in1のアルバムを買った。

まずこの極彩色かつ大きな目が描かれたジャケからとても強烈。正にサイケって感じですごく好きなジャケットだ。
そして'66年発売の作品であり、バーズの霧の5次元、ビートルズのリボルバーなどに次いでかなり早い時期の作品でもありサイケがどのようなジャンルかを決定付けた作品だと思う。
(※最初にサイケデリックという単語をアルバム名に用いたのはThe Deepの「Psychedelic Mood」という同年のアルバムだが、私はアルバムを持っていない為今回は紹介せず…。)

このバンドの特徴はやはり「エレクトリックジャグ」という楽器をメインで使っていることだろう。
この聴き慣れない名前の楽器がどういうものかというと今作の様々な曲で聴こえる「トゥクトゥクトゥク…」という音の正体である。
調べてもイマイチ情報が少なく謎の多い楽器だが、これを全面的に駆使しているのが他のバンドと違う所である。
そしてボーカルのロッキーエリクソンの強烈なシャウトもすごい。
曲中でかまされるタガが外れたかのような叫びもまたバンドの狂気的な一面を形作る要素の一つといえる。

各曲ごとの感想

01.You're Gonna Miss Me
アルバムの一曲目にして今作を象徴する曲。
出だしからロッキーのハイテンションなシャウトが飛び出す。
ゆら帝の「ハチとミツ」はこの曲が元ネタだったりするのだろうか。

02.Roller Coaster
アシッドなギターリフから始まる曲で、テンポが急に速くなったりと一曲目同様今作の顔らしい雰囲気を持った怪しげな曲。

03.Splash 1 (Now I'm Home)
混沌とした序盤二曲から一転して、だいぶ穏やかな雰囲気の曲。
サイケのいかれたアルバムというイメージが強い今作だが、以外にもこういうゆったりした曲も多い。確かに全部が全部テンションが高い曲だと疲れてしまうし、この配分が丁度いいとも言える…。

04.Reverberation
またもギターから始まる。ボーカルのメインのメロディに対して1オクターブ上のコーラスも一緒に入っており、それがまた怖さを感じるがそれもまた良い。

05.Don't Fall Down
こちらもゆったりとした曲。三曲目の「Splash 1」とメロディがやや似ており、個人的にはやや印象が薄くなりがち。
レコードでいうA面はこの曲で終わる。

06.Fire Engine
ミディアムテンポが続く中で、けたたましいサイレン音から始まるアップテンポな曲。
間奏などで聴けるロッキーのビブラートがかった高音のシャウトがすごくかっこいい。この曲も結構好き。

07.Thru The Rhythm
この曲もまた印象が薄い…。通しで聴く分にはいいが単体での感想となると難しい曲も多い…。

08.You Don't Know
ミディアムテンポな曲だが、幾分か他の曲よりもメロディがキャッチーな感じなのでアルバムのミディアムテンポ系の曲の中だと好きな曲。

09.Kingdom of Heaven
今作で最もスローな曲。
曲中で鳴っている「ウォォォン…」という音もジャグの音なんだろうか。なんとも不思議な響きがあって面白い。

10.Monkey Island
この曲もまたシャウトが物凄い曲で、アルバムの中でもわりと好きな曲。意外にもメロディはキャッチーなので、一度聴くと頭から離れない不思議な魅力がある。
そしてギターもこの高音部を弾くフレーズが、何とも不穏な感じがして気に入っている。

11.Tried To Hide
今作のラストとなる曲。
得意のリフを中心に展開し、他の曲でもよく使われているブルース的3コード進行で進行していく。ラストの曲にしてはかなりシンプルな曲で、案外あっさりと終わってしまう。

まとめ

改めて聴いて、やっぱりギターのフレーズとボーカルのロッキーの歌唱の迫真さに注目がいく。
ギターリフは似ている曲も多々あるがそのリフは結構特徴的でブルースっぽさもありながら耳に残るフレーズが多く、特に「Monkey Island」「Roller Coaster」あたりは特にアシッドな感じがかっこよくて良い。ギターは結構リバーブをかけていて、ジャグ同様バンドの音をかなり特徴づけている要素だと思った。

また、CDは輸入盤を買ってしまった為にバンドの情報をあまり知っていなかった。なので、付け焼き刃程度にWikipediaなどでバンドについて調べたりしてみると、どうやらLSDを使用しながらライブやレコーディングを行うことでサイケデリック体験を取り入れていたというとんでもない活動をしていたそうですごく驚いた。命知らず過ぎる。
そりゃボーカルもあれだけテンションが高い訳だ…。
しかし66年という早めの時期からこういった新たな文化を取り入れてサイケの先駆者となった事実は本当にすごい。

そしてこのサイケデリックな経験を積極的に取り入れていったからこそこの強烈なアルバムを残せた訳であり、後続には影響を受けたバンドも多い。それだけ力のある作品であることは間違いない。

個人的にはやはり「You're Gonna Miss Me」などの吹っ切れたかのようなアップテンポの曲が好きだが、もし対訳を見ることができたなら他の曲も含めてかなり印象が違って見えるのかもしれない。毒々しくて妖しげでこれもまた好きなアルバム。

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