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聴いてこなかったサイケ定番どころを聴いた

このタイトルでこのアルバムのジャケを貼ったなら大体の人がこのアルバムを聴いてこなかったのかと思うだろう。

その感想は全くもって正しく、サイケ好きを自称しながらサイケの入り口定番どころのクリームを全然聴いてこなかったのである。
今年になってから私はサブスクに入り、折角色んな音楽を聴けるのだからと今週はCDを所有していなかったサイケの定番作を色々聴きあさってみた。

Cream/Disraeli Gears

まずは記事のサムネにもしたヘヴィーサイケの名作「カラフルクリーム」。
クリーム自体、どこの中古屋に行っても置いてあっていつでも買うことができるからという事もあって中々買うまでに至らなかったのである。
サイケというジャンルを紹介するとき、ほぼ必ず扉絵にはこれかサージェントペパーか13thフロアエレベーターズの1stあたりがいるくらい象徴的なアルバムであるはずなのに今まで手を出さなかったのが本当に恥ずかしい。

1曲目の「Strange Brew」からいきなりブルース進行の渋いナンバーで始まりいきなり好感触ではあったが、知名度の高い代表曲「Sunshine Of Your Love」から始まり、案外リフが耳に残るキャッチーな曲が多い。
ファズやワウによる様々な音色を見せるギターが正にアルバムのジャケのようにカラフルさを感じる。三人の主張の強い演奏が入り乱れるさまはとても緊張感があって迫力があった。


Cream/Wheels Of Fire

そんな訳でクリームはこちらも聴いた。
先ほどのDisraeli Gearsの次のアルバムで、スタジオ盤とライブ盤の二枚組という特殊な形態で発売されたアルバムである。

自分にとってジャケによるアルバムの印象への影響はとても大きく、今作を聴いた時の印象は正にジャケのようにモノクロで乾いたような印象を感じた。前作と違いアコースティックギターでの演奏の曲があったりして、カラフルなイメージはやや薄れた感じはある。

あとはライブ盤にはひたすら圧倒された。Disc2が4曲しかないということからも察することができるようにどれも長尺のライブセッションのような内容なのだが、これが本当に聴いていて冗長さを感じさせず次の展開に期待してしまうような迫力あるテイクばかり収録されている。CrossroadsもSpoonfulもオリジナルからここまで変貌するかととても驚いた。


Grateful Dead/Anthem Of The Sun

USサイケの名盤であるグレイトフルデッドのこのアルバムも聴いてこなかった。先のクリームと言い、長尺セッション系のバンドばかり手を出してこなかったようだ。

曲数が少ないながらどれも演奏時間が非常に長く、聴くには案外集中力を使った。しかもトラックでは別の曲となっていても音は繋がっている曲があったりする為、定期的に今どの辺を聴いているのか迷子になるときもあった。1曲の中で目まぐるしく展開が変わっていく様は混沌としていて正にサイケといった感じだった。


Grateful Dead/Live Dead

同じくグレイトフルデッドからの名作ライブ盤。
生のライブでも即興の長尺演奏を魅せるこのバンドのライブ盤はやはり凄まじいパワーを感じた。1曲目から20分越えの大曲から始まる訳だが、即興の中にも起承転結があるかのような盛り上がる展開を作り上げている。
長尺のカオスの中で色んな凄い瞬間やかっこいいフレーズが飛び出してくるので様々な発見があって、とても聴きごたえがあった。


Soft Machine/The Soft Machine

1968年に発売されたソフトマシーンのデビュー作。
ピンクフロイドもそうだったがプログレのバンドは最初はサイケのバンドで始まる傾向があるが、このバンドもデビュー作はサイケであったようだ。

本作の他のアルバムと違う点はギターではなくキーボードがメインになっているところであり、ジャズとロックの要素が合わさった不思議な感触のアルバムであった。例によってメンバーの演奏力も高く、それぞれの演奏の絡み方もかかっこいい。
サイケで前衛性も高いながらどこかとっつきやすい部分もあって凄く面白いアルバムだった。


Kaleidoscope (UK)/Tangerine Dream

サイケポップの名盤でもあるイギリスのカレイドスコープのアルバム。
グレイトフルデッドなどと比較するとわかるが、同じサイケでもUSとUKではこんなにもサウンドで違いが生まれるんだなと再確認させられた。

今作は、綺麗なメロディやコーラスにこれまた色鮮やかなギターなど綺麗な音色と時折入るサウンドコラージュで、正に万華鏡のような色彩豊かなサウンドが展開される。
同じUKサイケのクリームでもあちらが原色的なギラギラした色彩のようであり、こちらは光が角度によって様々な色に見えるような、そういったまた違うカラフルさを感じた。バーズやビギンなどが好きな人は絶対好きなアルバムだと思う。

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