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「すぐ役に立つものは、すぐに役に立たなくなる」の真意

読まなくなった本はもっぱらmercariに出す私が、大学1年のとき以来、アメリカ留学のときも持っていた本がある。その本の序章に書かれている内容は、大学時代の私の悩みを払拭し、今は社会学をやっていこう!と背中を押してくれた大切な存在である。

「すぐに役に立つことは、すぐ役に立たなくなる」との言葉もあります。常に学び続けていかなければなりません。と同時に、「すぐには役に立たないこと」を学んでおけば、「ずっと役に立つ」のではないかとも思うのです。
      ー池上彰(2013)『学び続ける力』 講談社現代新書(p6-7)


イヤフォンの充電が切れてiPhoneの充電も怪しかった今日の仕事帰り、井の頭線の車内でぼーっと考え事をしていた私は、ふとこの言葉を思い出した。大学のときは「すぐ役に立つことは、すぐに役に立たなくなる」という言葉に、自分のやってることを肯定してもらった感覚を抱いただけだったが、今ならその真意がわかるような気がしてきた。


仕事に当てはめて考えた時の、私なりの解釈はこうだ。

毎日のように発行されて背景と化したクーポンや、毎日のようにくるが長い間開いていないアプリのpushもそれにこれに当たるのかもしれない。

つまり、"ものごとの表層だけを捉えて、同じような施策を繰り返し行うのはよくないやり方だよ、すぐに陳腐化するよ"ということなのだと思う。


そうならずに、「ずっと役に立つ」ことを身につけていくためにはどうしたらいいのだろう。これに対しても、私なりに考えてみた。

ここで核となるのは、真ん中の「どうしてそれが成功したのかを深ぼる」こと。"ユーザーの●●というニーズに刺さったから"とか,"●●という困りごとを解消できたから"みたいなことだ。

それは池上さんがいう「ずっと役に立つ」ことに繋がっていく。

なぜなら、KFSがわかれば、自分が関わるサービスや生きる時代が変わったとしても、"脳内に蓄積されたKFS×そのサービスととりまく環境の理解(アップデート)"で打ち手は広がりを持つからである。


こうして書いているうちに、もう1つ大切だと思われることが出てきた。それは「成功事例に触れる回数を増やすこと」である。

社内外問わず、業界領域も問わず、今売れてるものや支持されているものを見つけては、「なんでこれはうまくいってるんだろう?」という謎解きをして、自分の脳内KFSを増量していく。

その結果として「すぐには役に立たないが、ずっと役に立つ」ことをたくさん身につけていけるのだと思う。


こんなことを偉そうに書く私の脳内KFS量は、まだそんなに多くない。だからこそ、日々の生活の中で意識的に「成功事例を深掘ること」を取り入れて、いつでも引き出せるように蓄積していきたい。


すぐ役に立つことは、すぐに役に立たなくなる。
あとからジワジワ役に立つものもある。
      ー池上彰(2013)『学び続ける力』 講談社現代新書 (p168)

という池上さんの言葉を信じて。


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