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"ものづくり"の時間は、心を整える時間なのかもしれない。


今年の頭に、彼氏と一緒にレザークラフトを始めた。私にとってのそれは、形のあるものを作り出す楽しさや喜びを思い出させてくれる存在だ。そして、ネット空間から離れてひとつのことに集中させてくれる時間を生み出してくれる、今の時代には珍しい存在でもある。


私は小さい頃から、工作や手芸が好きだった。お母さんが保育園の先生だったことと、田舎暮らしで子供達だけで遊びに行くような場所がなかったことが相まって、小さい頃から家で牛乳パックを切って何かを作ったり、ビーズや手編みにはまったりしていた。中学生になってからもその気持ちは続き、選択必須の授業では家庭を選び、ハワイアンキルトをずーーっと縫っていた記憶がある。親と喧嘩をしたときも、部屋に逃げ込んでチクチク縫ってたっけ。

大学に入ってからは、「料理」というある種の"ものづくり"を覚え、毎日お弁当を作ることが日課になっていった。どんなにバイトで疲れていても、次の日のお弁当は作る。そうすることで、気持ちがスッキリするような感覚があった。逆に、長い間自炊をしていないと、どこか心が落ち着かなかった。


今思えば社会人になってからこの2年、リアルに形あるものの"ものづくり"をすることが減っていたような気がする。料理は日曜にまとめて作り置きをするようになり、平日キッチンに立つことは少なくなっていた。Web系のサービスをやっている会社では、サイト内での見せ方の工夫やサービスを良くしていくことなど、「目には見えるけれど触れられないもの」に携わることが多かった。

そんな中で始めたレザークラフト。自分で考えて図面を作り、材料を揃え、革を裁断し、針と糸で縫う。ボタンをつける、ヘリを磨く。1つ1つの作業に意味があり、工程を経るごとに「あるもの」が完成に近づいていく。その感覚がとっても楽しくて、一気にはまってしまったし、魅せられてしまった。


不思議なことに、レザークラフトと向き合っている時は、時間の流れを忘れる。頭の中にたくさんあるモヤモヤも、その時は頭を支配しなくなる。目の前のものごとにだけ集中して取り組む時間を与えてくれる。最近では、頭の整理がつかないときや、一旦落ち着きたいときに、レザークラフトをしたい気持ちに駆られる。


こうして考えてみると、ハワイアンキルトも料理もレザークラフトも「素材から、手を加えることで形のあるものを作る」という点は共通していて、それらは全て私の気持ちを落ち着かせ、心を整えてくれる存在である。

だから私は"ものづくり"をする時間を大切に、なんでもお金を出せば手に入る時代だけれども、「自分の手で作り出すこと」にこだわっていきたい。

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