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20230430 リバウンドメンタリティ 【福山シティFC】

中国サッカーリーグ第3節
vs Yonago Genki SC
@広島県立びんご運動公園 陸上競技場


【はじめに】


1週間前、エディオンスタジアム広島で福山シティFCは天皇杯県予選決勝を戦った。

結果はPK戦の末、SRC広島に敗れた。

今シーズンはJFL昇格が唯一の目標とはいえ、4連覇を逃し、公式戦でJクラブと戦う機会を失ったのはチームにとってダメージの大きい敗戦。

そこからどれだけ立ち直ることができたのか、精神的な強さが試される試合となったCSL第3節。

リーグ戦では初の尾道開催。好天にも恵まれ、駐車場が早々に埋まるほど多くのファン・サポーターが集まった。

スタメンはSRCとの試合で退場処分となった曽我に代わり、アンカーには藤井が入った。また右サイドに三村が復帰した。

対するYonago Genki SCはここまでベルガロッソいわみ、三菱自動車水島FCという強豪相手に1分1敗とまだ勝ちがないが、スコアは0-1、0-0と接戦を演じている。

侮れない相手だ。



【マッチレビュー】

試合全体を通して福山がペースを握った。

4-2-3-1で守るアウェーチームに対して両CBとアンカーでボールを回しながらサイドに展開。そこから右サイドでは三村が中央へボール供給し、左サイドでは二宮の攻撃参加や高橋大のドリブルで崩しにかかった。

先制したのは前半34分。

澤田からのボールを高橋佳が胸で落としたボールに、走り込んだ田口が右サイドからクロス。相手DFのクリアミスを高橋大がシュート、GKに阻まれたが最後は高橋佳が押し込んだ。

ストライカーの一撃で幕を開けたこの試合、輝きを放ったのは左右のサイドバック。

前半40分、澤田がゴール前で田口とワンツー。最後はキーパーも動けないミドルシュートをゴール右隅に突き刺した。

福山シティFCが2点リードで前半を折り返す。

後半6分には、高橋大のパスを二宮が左足で丁寧にトラップ。右足のミドルでこちらも美しいゴールとなった。

福山シティFCはこれまで、帷や植田など得点力のあるサイドバックを輩出してきた。澤田と二宮もその系譜に連なるか。

後半30分、この試合の主役が勝利を決定づけた。

濱口のパスを受けた高橋佳が、DFの動きを見てペナルティエリア内に持ち込み、豪快にフィニッシュ。

2ゴールをあげたエースにはサポーターから彼のチャントが歌われた。

その後も本石や濱口にも決定的チャンスがあり、追加点はなかったものの、4-0と内容の伴った快勝となった。

アンカーの藤井は起用に応えてMIPの活躍。角田がデビューを果たすなど、選手層も厚みを増した。

ディフェンスでも、相手のカウンターやセットプレーにヒヤリとする場面もあったが、体を張って守りゴール前までは持ち込ませなかった。


【採点・寸評】

41 / 菊地 大輝 10.0
リーグ戦は3試合連続クリーンシート。相手のセットプレーやロングスローにもDF陣と連携して冷静に対処した。

30 / 澤田 健太 10.0 (86分OUT)
内側に入って中盤のボール回しを助け、豪快なミドルシュートも披露。相手とのフィジカルコンタクトにも負けない守備も健在。

6 / 髙田 健吾 10.0
ボールを長く持つ展開の中で、集中を切らさずカウンターに備えた。ディフェンスラインも新しいヘアスタイルも見事に整えた。

4 / 松岡 憧 10.0
圧巻の空中戦の強さでこの日も相手のロングボールを弾き返しまくった。攻撃ではボールを持ち出しつつ最終ラインからパスを送り続けた。

2 / 二宮 和輝 10.0
縦に仕掛けクロスを上げチャンスを作り出すだけでなく、見事なビューティフルショットで1G。攻撃的SBの本領発揮。

8 / 藤井 敦仁 10.0 MIP
中盤でさりげなくボールを回収して、長短の正確なパスを繰り出した。普段とは違うアンカーの役割を完璧にこなした。

20 / 田口 駿 10.0 (83分OUT)
アンカーの位置まで下がってボールを受けたかと思えば、ゴール前で決定機を創出。細かなテクニックで相手を翻弄した。

14 / 磯江 太勢 10.0 (76分OUT)
ボールを受けるときの体の使い方が抜群にうまく、常にいい状態でボールを持った。正確なパスでチームに落ち着きをもたらした。

36 / 三村 真 10.0 (46分OUT)
立ち上がりに惜しいシュートを何本か放ち、ゴールのにおいを漂わせた。深い位置から前線にロングパスを送り、決定機を作った。

16 / 高橋 佳 10.0 MOM
見事な2ゴールで文句なしのMOM。試合終盤でもプレスを怠らずDFを追いかけ回し、ディフェンス面でも貢献。

11 / 高橋 大樹 10.0 (76分OUT)
ゴールこそなかったものの2ゴールに絡む、さすがの存在感。左サイドの攻撃を牽引した。二宮との連携も高まってきた。

交代出場
39 / 濱口 草太 10.0 (46分IN)
何度もゴール前に侵入し、得点まであと一歩のところまで迫った。CKのキッカーとしても良質なボールを供給した。

18 / 有田 朱里 10.0 (76分IN)
出場して早々に積極的なプレスやスプリントでゴールに対する強い意欲を見せた。先週の試合から見事に立ち直った。

40 / 本石 捺 10.0 (76分IN)
左サイドの切り札という立場を確立しつつある。濱口に出したアーリークロスは素晴らしかった。惜しいヘディングシュートも。

17 / 角田 薫平 10.0 (83分IN)
公式戦初出場。短い出場時間ながらもパスやインターセプトで能力の一端を示した。中盤の選手層に厚みを加える存在になりそうだ。

3 / 徳永 椋太 10.0 (86分IN)
右サイドバックとして途中出場。安定したディフェンスと攻撃参加でしっかりとゲームを締めくくった。

監督
上野 展裕 10.0
悔しい敗戦から改めて戦う姿勢を強調し、チームを見事に立て直した。曽我の不在も藤井をアンカーに起用し乗り切った。



【おわりに】

Yonago Genki SCでは、昨シーズンまで福山シティFCに在籍していた石津大地がフル出場を果たした。

試合後には、福山のファン・サポーターのもとへあいさつに訪れ、盛大な拍手を受けていた。

誰よりも熱い気持ちを持つ石津だからこそ、この敗戦には人一倍悔しさを感じているだろう。

まだ対戦の機会は残されている。次は米子で。



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