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20230604 最強の盾と最強の矛 【福山シティFC】

中国サッカーリーグ第5節
vs 環太平洋大FC
@ツネイシフィールド



【はじめに】


新型コロナウイルスの影響で、先週行われる予定だった第4節が順延となった。

試合数の関係で、福山シティFCはベルガロッソいわみ、FCバレイン下関、SRC広島に続く4位となった。

対戦相手の環太平洋大FCは、ここまで1分3敗で7位。前節、ベルガロッソ相手に敗れたものの3-4という壮絶な撃ち合いを演じている。

福山のスタメンはこちら。

右サイドには塚田が天皇杯予選決勝のSRC戦以来のスタメン復帰。

その他のメンバーはほぼ不動の顔ぶれ。


【マッチレビュー】


試合開始から福山は積極的に前に出た。

相手のボールを奪いに次から次へと大学生チームへ襲い掛かった。

試合が動いたのは前半5分。
相手陣内でボールを奪い、最後は高橋佳。

福山のエースはこれで7試合連続ゴールとまさに絶好調。
季節は梅雨に移っても「#高橋春のファン祭り」は継続中だ。

その後もチャンスは作ったものの、追加点は奪えないまま前半は終了。

後半も福山ペースのゲーム展開は続く。

立ち上がり2分、塚田のプレスからボールを受けた高橋佳が磯江へラストパス。キャプテンがこれを冷静に沈めて2点目をゲット。

この2得点はどちらも相手陣内でプレスをしかけてボールを奪い、少ない手数でシュートまで持ち込んだ。

おそらく上野監督が強調して仕込んできたところであり、昨シーズンとの大きな違いのひとつだろう。

この試合では、環太平洋大FCが後ろから丁寧につないでくるチームだったのでこの戦術が面白いようにハマり、ほぼハーフコートゲームのように相手を押し込むことに成功した。

このままでは終われない環太平洋大FCも、後半31分に少ないチャンスをものにしてゴールを奪う。

勢いに乗るアウェーチームが同点弾を狙って攻め込むが、福山シティFCも流れを渡さない。

失点の5分後に本石の左クロスを高橋佳が豪快にヘッドでダメ押しの3点目。
本石の技術と高橋佳のポジショニングが光った美しいゴールにサポーターも沸き立った。

1失点は反省材料ではあるが、勝ち点を落とすことができない試合で見事に勝利をものにした。

先述したように、この試合では鋭いプレスからショートカウンターという狙い通りの展開で得点を奪うことができたが、それを可能にしているのはDF陣の安定感だろう。

4バック+アンカーの曽我はいずれも対人能力に優れ、数的同数でも慌てることなく相手を抑えきってしまう。

彼らの守備能力があるからこそ前線も思い切ってプレスを仕掛けられる。たとえかわされたとしても、あいまいなボールをディフェンスラインへ蹴られても、「やられることはない」という心理的余裕から積極的に前へ出られる。

高橋佳や磯江を中心とした『最強の矛』を最強たらしめているのは福山の『最強の盾』なのである。


【採点・寸評】


41 / 菊地 大輝 10.0
1失点はしたものの終始落ち着いたプレーを見せた。バックパスも正確に処理。後半、パントキックで澤田に出したボールは美しかった。

30 / 澤田 健太 10.0
塚田・本石・三村と組む相手が変わっても、スムーズに連携をとって右サイドを制圧。守備面でも相手の突破を許さず強さを発揮。

6 / 髙田 健吾 10.0
前がかりになりがちなチームにおいて最後尾で堅牢な守備を披露。強豪との対戦が続く次節以降、勝利のためには彼の活躍が欠かせない。

4 / 松岡 憧 10.0
両SHに正確なロングパスを供給。相手FWが引いて受ける際には、高いポジショニングをとって積極的にボールを奪いに出た。

2 / 二宮 和輝 10.0
鋭い出足で果敢に相手ボールを奪いに行った。ときには逆サイドまで駆け回り、試合終盤までチームの守備強度を高めた。

7 / 曽我 大地 10.0
ボールを失った瞬間の切り替えが速く、即時奪回の急先鋒となった。SBやCBが上がった際には、カバーリングにも気を配った。

8 / 藤井 敦仁 10.0 (72分OUT)
中盤でボールを捌き、バランスを取りつつ、ゴール前まで侵入するという多様なミッションを完遂。ピッチ上の王子は誰よりも献身的だった。

14 / 磯江 太勢 10.0 (72分OUT) MIP
1G1AでMIPに輝く。守備面でも高橋佳と2トップの形で相手DFにプレッシャーをかけた。体をぶつけられても当たり負けしない強さも。

19 / 塚田 裕介 10.0 (56分OUT)
右サイドで久々の先発。カットインから左足を振りぬき鋭いシュートやクロスでチャンスを作り出した。2点目は彼のプレスから生まれた。

16 / 高橋 佳 10.0 (89分OUT) MOM
もはや得点するのが当たり前のことに感じてしまうほどの決定力。ゴールシーン以外にも惜しいシュートが何本もあった。

11 / 高橋 大樹 10.0 (72分OUT)
相手DFラインの裏に何度も走りボールを引き出した。アバウトなパスでも速さと強さを生かしてマイボールにしてしまう。

途中出場
40 / 本石 捺 10.0 (56分IN)
右サイドで途中出場し、三村が入ってからは左サイドへ。多彩なドリブルを駆使してリズムを変えた。ダメ押しとなる3点目をアシスト。

18 / 有田 朱里 10.0 (72分IN)
ライン間でボールを受けつつ、スピード感あふれるプレスでチームに勢いをもたらした。後半から出場する重要な切り札という立場を確立している。

20 / 田口 駿 10.0 (72分IN)
全社代表決定戦の好調さをキープして軽快なプレーを見せた。また、セットプレーのキッカーとしても可能性あるボールを入れた。

36 / 三村 真 10.0 (72分IN)
リードした場面で時間を上手く使ってチームの勝利に貢献。右サイドでボールをキープして中央へ正確なパスを通した。

29 / 大久保 龍一 10.0 (89分IN)
短い時間ではあったものの前線のターゲットとしてボールを収める役割を果たした。得点のチャンスはなかったが存在感は抜群。

監督
上野 展裕
プレスを徹底させて鮮やか奪った2点は狙い通りだっただろう。インテンシティの高いチームを作り上げている。上位との戦いの準備はできた。


【おわりに】


リーグ戦も第5節まで終了し、リーグ全体の勢力図が見えてきた。

ベルガロッソ、バレイン、三菱水島、SRCと福山が上位に位置し、どのチームも下位に取りこぼさないので、ひとつでも負けると一気に優勝は苦しくなる。

そして、ここからは上位との直接対決が続く。

決して楽な戦いにはならないだろうが、薔薇の戦士たちはサポーターと共に強敵に立ち向かう。


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