中国サッカーリーグ第6節
vs 三菱自動車水島FC
@環太平洋大学瀬戸グラウンド

【はじめに】

梅雨の晴れ間の環太平洋大瀬戸グラウンド。

CSL第6節は上位対決となった。

1試合消化が少ない福山シティFCは現在3位。
対する三菱自動車水島FCは3勝2分で4位。

昨シーズンのCSLにおける両者の対決は、福山の1勝1分。

ホームの竹ヶ端では先制したものの、後半にPKで追いつかれ1-1のドロー。アウェーでは2-1と辛くも勝利を収めている。

スタメンはこちら。

先週と同じメンバーでこの大事な一戦に臨む。

【マッチレビュー】

序盤からお互いに気持ちのこもったプレーを見せ、インテンシティの高い試合となった。

三菱水島は後ろからていねいにパスをつないで、何度か福山のプレスをかいくぐってきた。

ディフェンスでは前からプレスに行くこともあるが、基本的にはミドルブロックを敷いて突破を許さない構えだ。

前半10分頃から徐々に福山が押し込む時間が増えてきた。

前半22分、磯江がディフェンスラインの裏へスルーパスを通すと走り込んだ高橋大が左足でクロス。最後は塚田が頭で合わせたが、力ないシュートはGKに阻まれた。

対する水島もその2分後、リーグ3位タイの4ゴールを挙げている綱島がシュートを放つが、こちらもGK菊地が左足でセーブ。

その後も両チームともにゴールに迫るものの決め手を欠き、スコアレスで前半終了。

試合が動いたのは後半3分。

ゴール前で得た直接FK。ここで塚田が左足を一閃。ゴール右へ決まり先制点を奪った。

スピード、コースともに完璧な一撃は、昨年の地域CLのFC徳島戦を彷彿とさせるものだった。

2日前に誕生日を迎えたばかりのレフティは、これで三菱水島戦3試合連続ゴールと相性の良さを見せた。

勢いに乗ったアウェーチームは続く21分、二宮の左サイドからのクロスを濱口が頭で合わせて追加点。

濱口はこの3分前に投入されたばかり。さっそく結果を残した。

ここから福山はさらに有田や田口をピッチに送り出し、攻撃のテンポを上げた。

そして迎えたアディショナルタイム。ゴール前でパスを受けた濱口が左足を振り抜くと、ボールは美しい弧を描きゴール左隅へ吸い込まれた。

さらにその1分後、松岡からのロングパスを濱口が完璧なファーストタッチ。再び左足で本日3点目となるダメ押し弾を決め、4-0と勝利を決定づけた。

これまでの試合でもドリブルやクロスで抜群の存在感を示していた濱口だが、この日は圧倒的な決定力で試合の主役となった。

試合はこのまま4-0で終了。昨シーズン苦戦した相手に成長を見せつける快勝となった。

それにしても、多士済々である。

福山の右サイドハーフはこの日先制点の塚田、ハットトリックの濱口、そして経験豊富な三村。もちろんベテランの隅田もいるし、試合の中では本石も同ポジションを務めることもある。

今の福山でいちばんスタメン争いが激しいポジションなのは間違いない。今後も上野監督がどのような選手起用を見せてくれるのか楽しみだ。

【採点・寸評】

41 / 菊地 大輝 10.0
今までの守備機会が少ない試合とは違い、見せ場の多いゲームとなった。再三の好セーブでしっかりと無失点におさえた。

30 / 澤田 健太 10.0 MIP
周囲と連携をとり、オーバーラップからクロスを上げたかと思えば、対人の強さをいかして鋭いプレスでボール奪取。

6 / 髙田 健吾 10.0
シンプルなパス出しとボールを運ぶドリブルの使い分けが見事。守備面でも決定機は作らせずクリーンシートでの勝利に貢献した。

4 / 松岡 憧 10.0
最終ラインから長短のパスで強固な相手を崩しにかかった。充実の試合を濱口へのアシストで締めくくった。

2 / 二宮 和輝 10.0
この日も前への推進力とクロスで左サイドを活性化。圧倒的な個の能力で相手ボールを取りきる守備もすばらしかった。

7 / 曽我 大地 10.0
強固な守備やゲームメイクのみならず、カウンターで自らボールを運ぶ場面も。空中戦でも強さを発揮。変えの効かない存在に。

8 / 藤井 敦仁 10.0   (77分OUT)
攻撃面ではパスをさばきながらゴール前へと侵入。また、全体のバランスを考えたポジショニングで危ないスペースを埋めた。

14 / 磯江 太勢 10.0   (77分OUT)
DFラインの裏へスルーパスを通すなど、この日も攻撃の中心に。守備時にはパスコースを限定するプレスでチームを引っ張った。

19 / 塚田 裕介 10.0   (63分OUT)
前半から右サイドで攻撃を牽引。値千金の先制点となった"塚田ゾーン"からのFKは、蹴る前からゴールの予感を漂わせた。

16 / 高橋 佳 10.0   (88分OUT)
相手DFのマークに連続ゴールはストップしたものの、ポストプレーで貢献。相手CBと体を張ってやり合う。

11 / 高橋 大樹 10.0
左サイドから何度もチャンスを作った。誰よりもゴールを欲しているはずのストライカーが献身的に自陣へ戻りディフェンスも。

交代出場

39 / 濱口 草太 10.0   (63分IN) MOM
第1節以来のゴールを頭で決めると終盤立て続けに左足で2ゴールを決め、圧巻のハットトリック。文句なしのMOM。

20 / 田口 駿 10.0   (77分IN)
抜群のポジショニングで相手ボールをインターセプト。持ち前のテクニックを随所に見せ、華麗なルーレットで観客を沸かす場面も。

18 / 有田 朱里 10.0   (77分IN)
途中出場から積極的にシュートを放ち、攻撃を加速させた。磯江らとは違った武器を備えたMFは着実に出場試合数を重ねている。

34 / 冬至 直人 10.0   (88分IN)
前評判の高かったストライカーが、短い時間ではあったものの福山でのデビューを果たす。新たな前線のオプションとなれるか。

監督
上野 展裕 10.0
事前のスカウティングとは違ってつないでくる相手の戦い方にうまく対応して、上位対決4連戦の初戦を見事な勝利で飾った。

【おわりに】

強敵との対戦に勝利したが、選手たちの目はもう次を見据えている。

来週はSRC広島とのアウェー戦。
SRCには昨季のリーグ戦、今年の天皇杯と2連敗を喫している。

同じ相手に3連敗するわけにはいかない。