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20240317 ダービー【福山シティFC】

2024年全広島サッカー選手権大会 兼 天皇杯JFA第104回全日本サッカー選手権大会県代表決定戦 社会人代表決定戦
vs 広島ユナイテッドFC尾道
@ツネイシフィールドAコート



【はじめに】

ときおり冷たい小雨が降るツネイシフィールド。

1週間前の公式戦初戦を6-0で快勝した福山シティFCは、天皇杯社会人代表をかけた戦いに挑む。

この日の対戦相手は同じ備後地区をホームタウンとし、Jリーグ参入という同じ目標を掲げる広島ユナイテッドFC尾道。

福山シティFCのサポーターたちも気になる存在だったようで、この試合の注目度は高い。

野浜が福山デビューを飾ったほか、急遽メンバー変更があり田路が2試合連続スタメンとなった。


【マッチレビュー】

福山シティは先週と同じ3-4-2-1。徳永が右サイドに入り、守備時に最終ラインに下がって4バックを形成。

対する広島ユナイテッドは試合開始時は4-4-2に見えたが、押し込まれる展開に5バック状態に。ただし前線に2トップを残し、カウンターを狙う姿勢は崩さなかった。

試合はホームチームがボールを支配する展開。

開始早々、高橋佳のボールカットから塚田がGKと1 vs 1になるも決められず。

さらに塚田のFKや野浜のミドル、若宮のシュートなどで広島ユナイテッドに襲いかかるが、いずれも枠を外したりGKのセーブにより得点ならず。

先制点が決まるのも時間の問題かと思われていたが、最初にゴールネットを揺らしたのはアウェーチームだった。

16分にセットプレーの流れから、広島ユナイテッド背番号23のミドルシュートがゴールに吸い込まれ、福山がまさかの失点。

浮き足立ってもおかしくない状況でも、昨年の中国リーグチャンピオンは冷静だった。

わずか1分後、野浜の左からのクロスを塚田が右足で折り返し、最後は高橋佳が同点弾を決めた。

福山のエースストライカーが再び流れをこちらに引き寄せた。

これがゴールラッシュの口火となった。

18分、徳永が右サイドからグラウンダーのクロスを入れると、野浜が右足で決めてあっという間に逆転。

その2分後には、澤田が相手ボールを奪取するとそのまま持ち上がり、高橋佳へ縦パス。背番号9が中央を抜け出してゴール。

さらに26分、塚田のCKからヘディングでまたも高橋佳が得点を記録し、前半のうちにハットトリック達成。

これで終わらない福山は、藤井のドリブルからパスを受けた若宮がシュートを放ち、こぼれたところを野浜が押し込み5点目。

先制を許したものの、力の差を見せつけた前半となった。

後半も野浜と塚田のポジション入れ替えながら、さらに攻勢をかける。

45分、ゴール前左で縦パスを受けた野浜がDFをかわしてパスを送ると、徳永が冷静に決めて2試合連続ゴール。

さらに、途中投入された2人が魅せる。

67分、左サイドからのクロスを横尾が落として、大久保が右足でダメ押しの7点目。

その後も横尾や角田にも得点のチャンスはあったものの決めきれず、試合は7-1で終了。

注目を集めた試合だったが、中国リーグ王者が貫禄を見せた。

CBやボランチからのロングパスや、サイドからの崩しで良い攻撃の形が何度も作れていて、7得点も妥当な結果だと言える。

一方の広島ユナイテッドFCは、何度か可能性を感じさせるプレーを見せた。選手個人のレベルも高く、どんどんカテゴリーを上げていきそうな勢いを感じる。

今後、この両チームの試合が「備後ダービー」と呼べる戦いになるか。記念すべきファーストコンタクトだった。


【採点・寸評】

GK 21 / 宮﨑 浩太朗 10.0
濡れたピッチの影響もあり、失点してしまったが、その後は落ち着いてプレー。ボール回しも安定しており、チームのリズムを作った。

MF 4 / 田路 耀介 10.0
ウォーミングアップ中のアクシデントにより、急遽スタメンとなった。中央の黒宮と連携を取りつつ鉄壁のDFラインを形成した。

DF 16 / 黒宮 渉 10.0
ロングフィードの正確さもちろんのこと、1人で相手の攻撃を止めてしまう強さは圧巻。空中戦も負け知らずでレベルの違いを感じさせた。

MF 30 / 澤田 健太 10.0
前方の若宮を高い位置に押し上げ、攻撃の厚みを加える下支えをした。守備時に当たり負けしないフィジカルの強さも見せた。

DF 3 / 徳永 椋太 10.0 (60分OUT)
右サイドへとポジションを移しても好調を維持。好クロスでアシスト、さらには2試合連続ゴールも記録。今シーズンは徳永の攻撃力に注目だ。

MF 17 / 角田 薫平 10.0
タイミングよくワンタッチで入れる縦パスが効果的でセンスを感じさせる。藤井とのコンビも相性が良く、2人でチャンスを量産した。

MF 7 / 藤井 敦仁 10.0     MIP
この日も長短のパスで司令塔の役割を全う。相手のプレッシャーが弱まったと見るや華麗なドリブルで中央突破も披露。

MF 28 / 若宮 健人 10.0 (75分OUT)
先週からはポジションを一列下げて出場。左サイドの大外のレーンで幅をとり、ボールを受ければドリブルで相手DFに襲いかかった。

MF 8 / 塚田 裕介 10.0 (49分OUT)
ゴールこそなかったものの攻撃の中心として2アシスト。抜群のポジショニングで後方からのくさびのパスを引き出した。

MF 26 / 野浜 友哉 10.0 (49分OUT)
衝撃の2ゴールデビュー。ゴールシーン以外にもクロスバー直撃のミドルや意表を突いたループシュートなど鮮烈な印象を残した。

FW 9 / 高橋 佳 10.0 (60分OUT)     MOM
失点直後の得点で嫌な雰囲気を振り払った。相手の屈強なCBにも上手さと体のキレで対抗。安定したポストプレーでもチームに貢献。

途中出場
MF 22 / 横尾 蒼人 10.0 (49分IN)
正確な右足を武器にセットプレーのキッカーを務めた。試合終了間際にファールを受け、負傷が心配される場面も。

FW 29 / 大久保 龍一 10.0 (49分IN)
2試合続けて出場機会を得て、今シーズン初ゴール。 1トップだけではなく、左シャドーでもスケールの大きさを感じさせるプレー。

MF 11 / 高橋 大樹 10.0 (60分IN)
右ウイングバックで攻撃だけでなく守備にも躍動した。周囲に声をかけるチームリーダーとしての一面も見せ、勝利に貢献。

FW 23 / 吉井 佑将 10.0 (60分IN)
勝手知ったるツネイシフィールドに背番号23が帰ってきた。リーチの長さを生かしたドリブルで持ち上がる姿もあの頃のまま。

DF 2 / 二宮 和輝 10.0 (75分IN)
先週の右サイドから今日は左へとポジションを移した。短い時間でもシュートを放ち、攻撃面での積極性を見せた。

監督
森 亮太 10.0
新戦力をチームに馴染ませながら、盤石の勝利。大量得点にも驕らず、選手交代でさらに攻撃のギアを上げた。


【おわりに】

ここまで公式戦2試合で快勝しているものの、いずれも格下の相手。

いよいよ来週からは中国リーグが始まる。

昨シーズンは全勝優勝を果たしたものの、苦しい戦いも多かった。

新たな福山シティFCが同カテゴリーのライバルたちを相手にどんなサッカーを見せてくれるのか、楽しみでならない。


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