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20231001 総合力強化 【福山シティFC】

中国サッカーリーグ第4節
vs NTN岡山
@ NTN岡山 畠田総合グラウンド



【はじめに】

新型コロナウイルスの影響で延期された、中国サッカーリーグ第4節。

福山シティFCのリーグ最終戦は、NTN岡山のホームである畠田総合グラウンドで行われた。

すでに優勝を決めている福山は、スタメンを大きく入れ替えてチームの底上げを図った。

NTN岡山はここまで3勝11敗3分、勝ち点12で9位。得失点差を考えれば降格を免られそうにないが、リーグの最終戦を勝ち点を獲得して終わりたいはずだ。



【マッチレビュー】

試合が始まって気づいたのは、福山のシステムがいつもと違うことだった。

冬至の1トップかと思われたが、本石もFWの位置に入っている。

改めて確認してみると、最終ラインは右から澤島、平松、宮内、片山。MFは田口と角田をボランチに、三村と磯江をサイドハーフに配置した。そしてFWは冬至と本石の2トップ。

福山の4-4-2に対して、NTNは5-4-1でまずは失点を避け、背番号10石本と両サイドハーフを中心にカウンターを狙った。

試合は前半開始早々から、本石が何度もチャンスを迎えたが、シュートは惜しくも枠を捉えられず。なかなかゴールをこじ開けられない選手たちに焦りが生まれてもおかしくない展開。

それでも37分、田口のCKを本石が左足で押し込んでアウェーチームが先制。

さらに1分後には磯江のクロスが相手のオウンゴールを誘い、2-0で前半は終了。

ハーフタイムで伊東、曽我、大久保を投入した福山は、後半も攻勢を強め追加点を狙う。

後半27分、右からのクロスを三村が折り返し田口へ。これを田口はスルーし、その後ろから走り込んできた曽我が右足でゴールへ突き刺した。

仕上げはこの日のMOM。

後方からのロングパスを冬至が頭で落とすと、それを拾った三村が持ち込んで左足を振り抜き4点目。

出番の少なかった選手たちがそれぞれに躍動し、4-0の快勝でリーグ戦を締めくくった。

冬至と本石が初スタメン。宮内、片山、伊東の3人は福山での初出場を果たしたこの試合。特に印象に残った選手について触れておきたい。

まずはセンターバック平松。

逆サイドへのロングパスやFWへの縦パスで攻撃のスイッチを入れた。CBとしては小柄な選手だが、当たり負けすることもなく体幹の強さがうかがえる。サイドバックも務めることができ、選手層に厚みを加える存在だ。

2人目は片山。

二宮と徳永というここまで左サイドバックを務めてきた選手たちにケガが相次いでおり、注目された人選だった。磯江とも良好な関係性で、正確なクロスで得点機を演出した。懸念されたポジションに一定の目処が立ったと言える。

そして三村。

右サイドハーフだが、ポジションを下げたり中に入ることによって澤島らがそのスペースを活用した。高精度の左足は健在で効果的なパスを通しまくった。ゴールも決めてMOMも納得のパフォーマンス。

さらに、後半アディショナルタイムに放ったループシュートは、ポストに直撃してしまったが、ベテランのアイデアと技術が詰まったプレーだった。

もちろん他の選手たちも素晴らしいプレーを見せ、誰が出てもチームとしてレベルが下がることはない集団を作り上げた上野監督の手腕は称賛に値する。



【採点・寸評】

41 / 菊地 大輝 10.0
安定感抜群の守護神がこの日もクリーンシートを達成。的確なコーチングと正確なセービングで経験の少ないディフェンス陣を支えた。

15 / 澤島 輝 10.0
右サイドを縦に鋭く突破し、決定機を作り出した。NTN出原とのデュエルを制しディフェンスでも大きく貢献した。

5 / 平松 遼太郎 10.0 (46分OUT)     MIP
センターバックとして圧巻の45分間。強気にロングパスを蹴って、攻撃を加速させた。173cmの身長でも高さで負けない強さも。

13 / 宮内 真輝 10.0
ディフェンスラインのリーダーとしてフル出場。左足から長短のパスを繰り出し、NTNの守備を攻略した。10番石本を抑える役目も。

22 / 片山 修 10.0
磯江とコンビを組んで左サイドを制圧。大外のレーンを駆け上がり正確なクロスを上げた。空中戦でも相手に負けることはなかった。

36 / 三村 真 10.0     MOM
福山に加入後のベストパフォーマンス。自らのポジショニングで周りの立ち位置を変えた。カウンタープレスでボールを奪取も。

20 / 田口 駿 10.0
CKから貴重な先制点をアシストしたほか、ゴール前での落ち着きで相手を翻弄した。中盤の司令塔として別格の存在感。

17 / 角田 薫平 10.0 (46分OUT)
最終ラインに入ってパス回しを助けたり、前線に飛び出したりと幅広くボールに関与。抜群のタイミングで縦パスを入れた。

14 / 磯江 太勢 10.0
前線へ正確なパスを供給。サイドハーフながら中央に入ってサイドのスペースを空ける動き。広い視野で効果的なサイドチェンジも。

40 / 本石 捺 10.0 (46分OUT)
2トップの一角でプレー。ボールを持つと何かをやってくれそうな予感を漂わせた。セットプレーから貴重な先制ゴール。

34 / 冬至 直人 10.0
最前線でがむしゃらにボールを追い続けた。前後半でコンビを組む相手が変わっても自らの役割を全う。三村のゴールをアシストした。

交代出場

24 / 伊東 進之輔 10.0 (46分IN)
188cmの長身を生かしたヘディングは強力な武器になりそうだ。相手プレスを軽くいなす足元の技術も垣間見せた。

7 / 曽我 大地 10.0 (46分IN)
背番号7の登場とともにチームに激しさとスピード感がもたらされた。見事な連携から3点目を決め勝利を決定づけた。

29 / 大久保 龍一 10.0 (46分IN)
後方からのパスを懐の深いポストプレーでチャンスにつなげた。ゴールへの意識も高く、大舞台を前にドラゴンが進化の兆しを見せた。

監督
上野 展裕 10.0
優勝が決定していたこともあり、大胆なターンオーバー。普段プレー機会の少ない選手たちに十分な出場時間を与えた。



【おわりに】

福山シティFCの次なるターゲットは全国社会人サッカー選手権。

地域CLへの出場権は獲得しているものの、今の力を試すには絶好の機会だ。昨年は一回戦で敗退している大会で成長を示せるか。

CSLでの試合を、このNTN戦で最後にするための戦いが始まる。


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