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20230903 ラスト1分の歓喜 【福山シティFC】

中国サッカーリーグ第15節
vs 三菱自動車水島FC
@エヴォルヴィンフットボールフィールド


【はじめに】

中断明けの前節、環太平洋大学FCを3-0で下した福山シティFCは、ホームに三菱自動車水島FCを迎えた。

福山シティFCはここまで14勝0敗。2位に勝ち点8差をつけて首位を快走している。

対する三菱自動車水島FCは堅守が持ち味の強豪で、失点10はリーグ2番目の少なさ。現在、9勝2分3敗で4位につけている。

6月に行われたアウェー戦では、塚田の直接FKと濱口のハットトリックで福山が4-0の快勝。

他会場の結果次第では優勝の可能性もあるが、目の前の試合に集中して勝ち点3を目指す。



【マッチレビュー】

試合は引き気味の三菱水島を福山が攻める展開。白薔薇の戦士たちが立て続けにチャンスを作る。

前半7分、ゴール前で磯江が相手DFに引っ張られFKを獲得。濱口が軽く転がして藤井がシュートを放つが、壁に当たってゴールならず。

11分には、澤田のロングパスに抜け出した大久保がループで狙うも、ボールはゴール上へと外れた。

さらに前半30分、高橋大と磯江のコンビネーションで左サイドを攻略。磯江のスルーパスが高橋大に通るがシュートは飛び出してきたGK花房に防がれる。

この後、ホームチームはリズムに乗った花房の好守に苦しめられることになる。

前半終了間際の44分、高橋大のクロスを濱口が左足ボレーで合わせるもGKのファインセーブに阻まれる。

濱口はその後もカットインからシュートを狙うなど、キレのある動きで攻撃を牽引した。

両チーム無得点のまま、前半は終了。

後半開始早々にこの日最大のピンチが訪れる。

自陣左サイドでボールを奪われるとボールは中央の18番綱島へ。水島のエースが放ったシュートはクロスバーに弾かれ、辛うじて失点は免れた。

後半11分、高橋大からパスを受けた磯江がクロスを上げると、濱口が頭で合わせた。花房が左手一本で防ぎ、またもやゴールをこじ開けることができない。

このままゴールは奪えないかと思われたが、ドラマは最後に待っていた。

後半アディショナルタイム、三村のCKに合わせたのは松岡。何度もチームを救ってきた得意のヘディングで貴重な一点をついに手にした。

その直後にホイッスルが鳴り、1-0で福山の勝利となった。

水島は前評判通りの堅い守備と鋭いカウンターで福山を苦しめた。チーム得点王の綱島はもちろん、15番岡本のスピードも首位チームを慌てさせるのに十分の迫力があった。

福山シティFCは確かに全勝しているが、この試合を見れば中国サッカーリーグのレベルの高さが見てとれる。


【採点・寸評】

41 / 菊地 大輝 10.0
前節の復帰から2戦連続クリーンシート。足元の繋ぎも判断よく、短く味方につけるパスと長く距離を出すパスを正しく使い分けた。

30 / 澤田 健太 10.0
中のレーンに入り曽我の隣でゲームメイク。中盤で数的優位を生み出した。強烈なミドルショットを見せる場面も。

6 / 髙田 健吾 10.0 MIP
入ってくる縦パスを前に出てボールをカットするなど相手FWに自由を与えなかった。鋭いカウンターにも危なげなく対処。

4 / 松岡 憧 10.0 MOM
両サイドへ長いパスを送り赤い壁を崩しにかかった。空中戦の強さを生かしてアディショナルタイムに殊勲の決勝弾。

3 / 徳永 椋太 10.0
スピードを生かした攻め上がりが特長のSBだが、この日は攻撃参加を抑え、左右両足から放たれる正確なパスで貢献。

7 / 曽我 大地 10.0
この日もフル出場で攻守の中心として中盤に君臨した。ミスを恐れずに強気に前線へパスを送り続けた。

8 / 藤井 敦仁 10.0 (80分OUT)
常に周囲の状況に気を配り、チーム全体のバランスをとった。高精度の右足によるセットプレーでも見せ場を作った。

14 / 磯江 太勢 10.0 (66分OUT)
抜群のポジショニングでボールを受け、前線へとパスを送り続けた。高橋大へのスルーパスは円熟の域。

39 / 濱口 草太 10.0 (88分OUT)
前半の決定機は惜しくもGKに阻まれたが、この日も右サイドから攻撃を牽引。中心選手としての存在感も出てきた。

29 / 大久保 龍一 10.0 (66分OUT)
前節アシストを記録した勢いそのままに、最前線で起点となりポストプレーで攻撃のリズムを生み出した。

11 / 高橋 大樹 10.0 (80分OUT)
フィジカルの強さと速さで左サイドからチャンスを作った。キレのあるドリブルも相手DFを脅かした。

途中出場
36 / 三村 真 10.0 (66分IN)
磯江に代わりインサイドハーフとして出場。途中からは右サイドに入った。セットプレーのキッカーとして決勝点をアシスト。

34 / 冬至 直人 10.0 (66分IN)
難しい場面での出場だったが、そのスピードは相手にとって脅威となった。積極的なプレーでゴールに迫った。

17 / 角田 薫平 10.0 (80分IN)
正確な技術で攻守を繋ぐリンクマンとして中盤で躍動した。暑さに苦しむチームを運動量の面でも助けた。

15 / 澤島 輝 10.0 (80分IN)
左サイドに投入され縦に突破しクロスでチャンスを作り出した。初ゴールを記録したピッチで短い時間ながら奮闘した。

20 / 田口 駿 10.0 (88分IN)
どうしても得点が欲しい上野監督が最後に運命を託したのがこの背番号20。水島の堅いディフェンスをこじ開けようと苦心。

監督
上野 展裕 10.0
最後まで勝利を目指してカードを切った。チーム得点王を欠きながら勝ち点3をゲット。勝負強いチームを作り上げている。



【おわりに】

なかなかゴールを奪えない苦しい展開でも、サポーターは勝利を信じて声援を送り続けた。

その声援がラストプレーでの劇的ゴールを生んだと言ったら過言だろうか。

次節、SRC広島に引き分け以上でCSL優勝が決まる。

今季の公式戦で唯一の敗戦を喫した相手を下して、みんなで歓喜の瞬間を迎えたい。


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