中国サッカーリーグ 第1節
vs ヴァジュラ岡山
@ツネイシフィールド

【はじめに】

この日、福山は朝から小雨が降りしきるあいにくの空模様。試合開始の18時までには止む予報だったが、結局前半途中まで降り続いた。

上野監督は、福山大学NEXT.FC戦からスタメンをほぼ入れ替えずにこの試合に臨んだ。

システムも先週と同じ4-1-4-1。中盤は藤井のポジショニングによっては、4-2-3-1のようにも見える。

唯一の変更点は右サイドハーフ。先週、大活躍した塚田ではなく、Jリーグでも経験豊富な三村が福山での初スタメンとなった。

対戦相手のヴァジュラ岡山は、昨年中国地域県リーグ決勝大会Aブロック優勝し、パナソニック岡山サッカー部時代以来6年ぶりの中国サッカーリーグ復帰となった。

【マッチレビュー】

濡れたピッチの影響か、立ち上がりこそパスが合わない場面も見られたが、磯江の先制点のあとは先週に引き続きゴールラッシュとなった。

先述の三村は低い位置でゲームメイクを担った。その実力を証明する機会は早々に訪れる。

前半17分、三村が右前方へダイアゴナルに走る大久保に正確なパスを通す。大久保が右足で折り返すと、磯江がシュート。一度はGKに阻まれたものの再び押し込んでゴールラッシュの口火を切った。

塚田や濱口が同ポジションを務めるときには相手にとって最大の脅威はドリブルだろうが、三村は2人とは明確に違う特長を持つ。彼の左足は貴重なオプションとなるはずだ。

チーム全体として、得点を重ねてもさらに貪欲にゴールを目指す姿勢が大量10得点を生み出した。チーム内での競争も激しくなりそうだ。

一方のヴァジュラ岡山にとっては厳しい試合となってしまったが、点差がどんなに開こうとも、選手たちからは最後までポジティブな声が飛んでいた。次節以降の戦いも楽しみだ。

【採点・寸評】

41 / 菊地 大輝 10.0
出番の少ない試合でも集中を切らさず、濡れたピッチ状況でも落ち着いてノーミスで試合をクローズ。

2 / 二宮 和輝 10.0  MIP
この試合も攻撃参加が目立った。速いクロスでチャンスメイク。サイドバックとは思えないほどのシュート本数も。

4 / 松岡 憧 10.0
空中戦はもちろんのこと、裏に抜ける相手のスピードにも負けない速さを見せた。髙田とのコンビは円熟の域。

6 / 髙田 健吾 10.0
この試合も最終ラインから松岡とともに声でチームを統率。危なげない試合運びで2戦連続無失点勝利に貢献。

30 / 澤田 健太 10.0
強烈なシュートでシーズン初ゴール。タッチを割ったボールを拾ってくれた少年に「ありがとう」と声をかけるナイスガイ。

7 / 曽我 大地 10.0
長短のパスで中盤に君臨。サイドバックが攻撃参加するチームにおいてリスク管理も万全。カウンターから初ゴールも。

8 / 藤井 敦仁 10.0  MOM
高橋大のクロスをボレーで突き刺したゴラッソは観客を沸かした。中盤でバランスをとりながらゴール前まで侵入も。上野体制で躍動している。

14 / 磯江 太勢 10.0　(65分OUT)
2試合連続ゴール。左足で繰り出す多彩なパスに加え、得点力を備えた相手にとって脅威となるMFへと進化している。

11 / 高橋 大樹 10.0
2ゴール2アシストの大活躍。得意の細かいステップから切れ込んでシュートを放つプレーは今年も健在。

29 / 大久保 龍一 10.0　(78分OUT)
ゴールはなかったものの、攻守にスピードを生かしてチームに貢献。ポストプレー、プレスバックなどで存在感を増している。

36 / 三村 真 10.0　(65分OUT)
初先発にも気負わず、右サイドで技術を発揮。澤田や大久保と好連携を見せ、チャンスをつくり続けた。

交代出場
18 / 有田 朱里 10.0　(65分IN)
フリーランを繰り返し、チャンスを創出。濱口のループパスから抜け出し落ち着いてゴール。ゲームを締めくくった。

39 / 濱口 草太 10.0　(65分IN)
短い時間でもゴール&アシストを記録。プレー面だけでなく、ゴール後サポーターのもとへ駆け出し、会場の一体感を生み出した。

16 / 高橋 佳 10.0　(78分IN)
左足のトラップから右足で決めたあまりにも鮮烈な初ゴール。「東北のオルンガ」が「福山のベルカンプ」となるか。

監督
上野 展裕 10.0
先週からの変更を最小限にとどめ、連携を高めた。実力差のある相手に対しても最後まで手綱を緩めず大勝をもたらした。

【おわりに】

CSLの開幕節5試合のうち、福山の試合は唯一のナイトゲームだった。

FCバレイン下関などがすでに勝利を収めている中で、ライバルたちに「今年も福山強し」を印象づける試合となった。

来週は廿日市FC戦。今シーズン初のアウェー戦に挑む。