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人生を誤読していこう『藁を手に旅に出よう』荒木博行さん #朝渋読書

たくさんの肩書を持つ荒木さん。Voicyでも毎日発信されていて、お声になじみがあれど、お姿とともに堪能できる日が来るとは。
本を読んでから参加した著者イベント、とても楽しかったです。

ビジネス×小説×寓話

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本の前半は配属前の「新人研修」、後半は2年後の「3年目研修」で、人事部長の石川さんが数回のセッションを行うというものです。

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イソップ物語や日本昔ばなしなどの寓話をモチーフに、ビジネスのフレームワークにリンクして、主人公の悩みに解決策が見えてくる、というような話が展開していきます。

「戦略的」とは

普通に考えたら徒競走で亀が勝てるわけがないのに、どうして亀は無謀な戦いをうさぎに挑んだのか。うさぎが眠ってしまったのは、たまたまそうなっただけ。自分に合ったフィールドで戦うのが「戦略的」な考え方のはず。

ところで、「戦略的」って、別の日本語でいうとなんていう?

対義語は「短絡的」
戦略的な意思決定とは、長期的な視点に立ち、多くの論点を含めて総合的に決めること。

考える論点の多さ+考える時間軸の長さ

亀は、感情的に即決して「勝負だ!」と挑んでしまった。少ない論点で短い時間軸で意思決定してしまったがゆえに「短絡的」だったのである。

そういえば、「戦略的」っていう言葉、新人の頃は全然わからなかった。
「戦いを略すと書いて戦略」、「命を使うと書いて使命」っていう説明をどこかで聞いて、納得した気がする。

野党思考

与党(上位者)と野党(組織員)には、情報解釈力の格差価値観の格差がある。この格差を埋めていくのがマネジメントの本質であり、同じ情報を見たら同じ解釈ができるようにする。野党思考では主体的な改善策が出てこない。自分がその立場なら具体的に何を提案するのか、という与党思考を手に入れろ。

イラスト

本のイラストがかわいらしいのも魅力。オオカミが「ちわっす」って挨拶していたり亀の絶望とか。なんとイラストも荒木さんが描いているとのことで、肩書には「イラストレーター」もあると。

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(さぁ、ここで本を買いたくなった人はこちらでぽちっとどうぞ!)

でも、石川部長のイラストは、あえて載せられていません。
ネイビーのジャケットをはおり、ピンクのシャツを腕まくりしている女性。ドラマ化したらどんな女優さんが配役されるかしら。妄想しても楽しい。

トークセッション

石川部長は架空の人物ですが、まるで実在するかのようにお話する荒木さん。ご自身が投影されたキャラなんですね。

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荒木さんは同期が130人いる大企業からベンチャー企業に転職し、今では複数の肩書を持っている。
多様なキャリアを振り返って「結果的にラッキー」だったとおっしゃる。

私は、ちょうど昨日「後悔するほど暇じゃない」という名言を聞いたところだった。(高校の同級生:マネーフォワードの神田 潤一さんが地元の新聞「デーリー東北」に寄稿された随筆)

荒木さんが言うように「結果的にラッキー」だったと言うためには、「今を生きる」ことに全力を尽くすことなんだろうな。

戦略的な思考法は訓練できる
裸の王様の章。石川部長だって空気に飲み込まれて論理的な判断ができなくなることがある。そこから抜け出すには「過去の意思決定も含めて俯瞰して、再度評価してみる」こと。これで、複数の論点長期的な思考が手に入る。

本の中で、3年目研修の冒頭で「辞めようかと思う」と発言した主人公に、石川部長が語りかける。

『頭』で考えていくうちに、ある未来の答えにたどり着く。そうすると、不思議と『心』がその未来を実現したいって言い始めるんです。」

結局のところ、僕は考える総量が足りないのだ。こんな状態で何かを決めようとしても、よい決断なんてできっこない。

誤読

寓話には意図された教訓がある。たとえそれが強いメッセージだとしても、自分なりの解釈ができるんです。それは自分が主導権を握る、ということでもある。それを「誤読」と呼びます。
「誤読」というメッセージには、余白や多様な解釈があって、それがだれかの背中を押します。
自分の人生も「誤読」すれば良い。結果的にラッキーって思えばいい。

石川部長も言っていた。
こいぬ座は2つの星で構成されている。それが、「自分にとって」何に見えるかが大事なんだ。

今日やろう。今すぐやろう。

石川部長が本の中でも言っていた。「スケジュールを変えよう」

「じゃあ、今すぐスケジュールを開いて」
「で、そのスケジュールの中に、自分一人で考える時間を毎週1回1時間でいいからブロックして。できれば早朝がいい。」

では、10月からも、よい朝活を☆彡

主体的に生きていくために、朝に良質な時間を確保しよう。

(完)

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