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おぼんろ幕間の物語『かげつみのツミ』

おぼんろ幕間の物語『かげつみのツミ』
@王子BASEMENT MONSTER
2019/5/22-6/2

脚本・演出
末原拓馬

語り部
末原拓馬/わかばやしめぐみ/さひがしジュンペイ/高橋倫平/福圓美里(クロジ)/井俣太良(少年社中)

5/27夜公演を見た!急遽言い値公演に変わった回。超満員ぎゅうぎゅう詰め。

しろくまのキュルタムたちに案内されて地下に進むと星屑みたいにミラーボールがいくつもきらめく夢みたいな空間が。一目惚れするしかなかった。 好きです。

*5/31追記*
5/30夜公演も観劇したので!追記しました。ネタバレ&オタクのおたけびでしかない。

クマのぬいぐるみのシャグベール、木偶人形のキボリ、人形焼のハシコロゲ、てるてる坊主のテルテル、豚の貯金箱のチョキ、人形師のツミ、そして人形の幽霊のジェシー......さまざまに人形たちの想いがうずまくドルグーミンの地下室の物語。

今回は番外編公演ということで、会場内で同時多発的におこる物語を4つのチームに分かれて追いかけていくという変則的な形。わたしが見たかいじゅうチームはテルテルとツミの話が観れるコースだった。ラストはみんな共通だけど過程が違うから想いが違って、それぞれ違うセリフが刺さったりとかしているんだろうなとおもうと全部制覇したくなっちゃう。こういう周遊型?演劇は初めて見たけどワクワク胸踊って素敵だった!

物語と劇団の吸引力も、役者さんたちのエネルギーも、会場の不思議な一体感も、客席の熱狂も、劇団の演劇を見にきたというよりはロックバンドのライブを見に行ったような感覚だった。Vo.末原拓馬、Gt.高橋倫平、Ba.わかばやしめぐみ、Dr.さひがしジュンペイみたいな。

ちょっと自分でも何言ってるのかよくわからない。

観劇に行く時って、客席と舞台のあいだには壁があって私たち観客はひたすら傍観に徹するんだけど。ちがう、おぼんろにはこれを崩される。壁を突き崩してこちらまで物語に吸い込まれる。なんでかって、まず近い。最前列に座ったら本当にゼロ距離。頭の上を足が通るくらいゼロ距離。開演前に役者さんがお客さんのご案内もして絡んじゃうくらいゼロ距離。役者さんは会場を動き回って四方八方からセリフが飛んでくる。そして物語の中で私たちも人形の一人として扱われる。私たちは観客ではなく参加者と呼ばれ物語の一部になる。そして、一番示唆的なのは主宰の末原さんの想像してください、という冒頭の語りかけ。私たちの想像力で物語は完成するんですと、そう言われてしまったらただの傍観者でいられない。

こういうこじんまりした会場で公演している劇団ってたいてい身内感がはびこっていて、たまたま足を運んだだけの私のような観客は疎外感を覚えてしまうことが多い。でもおぼんろはそんなことない。私もこの旅団の一部なんだって思える。不思議な一体感。ハーメルンの笛吹きに誘われるみたいに吸い込まれる。すごい。

「物語は世界を変える」とはこの劇団の信条だけど、嘘でもなんでもない。なんだかこの人達ならできるような気がしてしまう。すごいもん見た。

美術も衣装もメイクも音楽も照明も役者さんも素晴らしすぎて文句がない。てか役者さんやばくない?エネルギッシュがすぎる。バケモノしかいない。

末原拓馬さんすごい。見れてよかった。「想像してください」と末原さんが話し始めた瞬間から、目が離せなくて、一つ一つの動きや声の抑揚・色・内容に神経を研ぎ澄ませてしまうような吸引力があって。末原さんバケモノだな...脚本書いて演出して役者もして、おぼんろっていう団体の幹も担ってて。とんでもないエネルギーでたくさんの人巻き込んで行って何者????????なんだろこの気持ち...なにもかも好きなんだよな......あぁ...すごいな.........言葉にならない

福圓ちゃんを舞台で見れたのもうれしかったな。『夜桜四重奏-ハナノウタ-』めちゃくちゃ見てたしラジオも聞くくらい好きで、劇団やってるのも知ってたけど、見にいくことになるとは思ってなかった。開演前にふっと顔上げたら目の前にいて一声聞いただけでなんか泣きそうになった...声もお姿もかわいい......テルテルちゃん好き。ドルグーミン晴らしてくれた。

たいらさんも薄ミュ以外見たことなかったので、チョキがめちゃくちゃキャラ濃くてびっくり。かわいい。かいじゅうルートだとあまりチョキの話みれなくて。もっと見たかったな〜〜!

作品も好きなんだけど、それ以上にこの劇団を愛したくなる、素晴らしい公演だった。また行きます。キャガプシーのDVDも手に入れたので見ます。周りに布教もする。次は、本公演あるのかな?いきます!!!!

また会える日を楽しみにしてます。

*ここから追記*

と、思ってたんですが....想像以上に早い再会をはたしました。そう、当日券。おぼんろさんはめちゃくちゃ当日券出してくれるんですね。軽はずみに行っても、どんなぎゅうぎゅう詰めになったとしてもいれてくれるという信頼があったのでバイト終わりに...行ってしまった......自分の懐事情に懺悔......でも行かないで後悔したくなかったから............欲望に抗えない。

というわけで5/30夜公演に参加!今回はかざぐるまチームで。

いやもう大満足だよね。5/27夜公演でキャガプシーのDVDを買ってさっそく2周見ちゃって、それくらい面白い作品で。DVD見たことでより、ドルグーミンの地下室の成り立ちもグッとくるものがあったし、ネズミが出てきた瞬間にヒュッってなった。でも、知ってれば知ってるほど愛おしい部分も増えれば、やりきれない部分も増えて。

かいじゅうチームで明かされたツミの秘密、人形であるネズミへの思慕、人間と人形はともに歳を重ねることはできない残酷さ、それによって生み出されてしまったツミの身代わりの人形の悲しみ。これを思い出しながらネズミとチョキのシーンを見てると、ネズミとツミは想いが通じ合ってるはずなのに、ウナサレのことがあってネズミは後ろめたさで足踏みしてて、二人は歪な関係のまま何十年も共にいて。そこからチョキに後押しされてやっと一歩踏み出したとしても、もうすでに手遅れかもしれない。だって、ツミは...その目の前にいるツミは.........................あかんです。あかん。たぶん初見でつみきチームかかざぐるまチームになってたらもっと幸せな気持ちになれたはずなのに。やるせない。幸せになって。こんなに苦しんでるネズミが幸せになっちゃいけない理由なんてないのに。多方面に苦しい。みんな、抱いてる感情は愛で、いい方に進もうとしているはずなのに。そもそもキャガプシーがみんなよくあろうとしてるだけなのにどんどん歪んじゃってあのラストなもんだから..........どうにかならんかな!!!

バリバリに泣いた。水色のスカーフはあかんで...

くっそー、二回いってもまだハシコロゲの話ほとんど見れてない!!くそ!!くそ!!!!!かげ摘みたい!!!つみきかパズルチームに行かんと!!!台本買って読んだけどめっちゃめっちゃいいシーンあるやんけ!!!いつの間にかいい雰囲気になってたチョキとハシコロゲの話が!見たいし!テルテルとキボリの話も!見たい!!!紙芝居!見たい!!!!5/27の回はシャグベールが鍵盤ハーモニカ忘れてきちゃったから番外編なハシコロゲの歌だったし!完全版も見たい!!!でもハプニングも天才的に楽しかったんだよな〜もう二度と見れないのかあれ.........キャガプシー見て、かざぐるまチームの話見ただけで3倍くらい全てのシーンが豊かに見えちゃったもんだから、これは行けってことじゃんか、やだーーー泥沼だよこれ。笑顔でサムズアップしながら沈める自信あるけどね!

何回でも記憶をなぞって抱きしめたくなる話。DVD出たらチェックしないとね!最高に楽しい時間だった。

今度こそ、またね!

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