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変化する活躍の条件

採用で必要なのはペルソナ設計!

という人は結構多いです。周りの採用コンサルやっている人もそうですし、求人広告の営業さん、人材紹介のキャリアコンサルタントでも言う人もいます。

別に間違っているとは思いませんが、
「求める人材像=ペルソナ」
とすると失敗するよ、という話です。


■計算できる外国人選手の条件

さて、最近Number Webで面白い記事を見ました。

今年も春のキャンプが始まり、各球団の新戦力となる新外国人の活躍には、実はある程度の傾向があると言う話。詳細は割愛しますが、この記者のデータからは日本で活躍する外国人打者は、過去10年と1980-90年代に差が出てきているということです。

かつてはメジャーで通用しない左打者が日本にやってきて、左投手が打てないなど穴の多い打者でも、十分に活躍することができた。しかし、今や日本の投手のレベルも上がってきて、通用しなくなった。

それがここ数年だと、活躍した外国人打者(バレンティン、ロペス、ビシエド、レアード etc)が変化してきていて、その条件は、右打者、まだ30歳になる前の若い選手。中には、触れ込みは中距離打者だったのに、日本で開花して本塁打量産してるケースが該当します。

以前は、クロマティ(巨人)、バース(阪神)、ホーナー(ヤクルト)などが典型的な例として、元メジャーリーガーが活躍していたのが、今や中南米やら韓国やらメキシカンリーグ出身でも活躍が増加。

日本のプロ野球のレベルが大きく上がってきたことも影響し、活躍できる外国人選手の特徴がこの10年強で大きく変わってきているのです。


■採用に当てはめてみるとどうなる?

日本のプロ野球に限らず、ビジネスにおいても、人材採用難と呼ばれる時代には、実は、転職後に活躍できる人材も変わってきています。

リーマンショックとかあった超厳しい時代は、

・○○経験を○年以上
・○○、△△等の実務経験

などといった、もはや未経験なんて絶対無理、かつ前職で相応の経験をしていなければ採用をされないという厳しい時代がありました(経験不足していれば大幅に年収ダウン。採用側からすると選ぶことができた時代)。

しかし、今や世の中はVUCAの時代。
ありとあらゆる環境が変化し、予測不可能な時代となった今では、そんなこと忘れつつある中で、少しだけ形を変えて、下記のような条件で採用活動を行なっている会社が依然として多くあります。

1. 大手、もしくはメガベンチャーなどの有名企業出身
2. 前職で著しい成果や実績をあげている
3. 即戦力

一つひとつ見てましょう。

1. 大手、もしくはメガベンチャーなどの有名企業出身
(そもそもこの"メガベンチャー"という表現には個人的に非常に違和感があるのですが一旦置いておいて笑)しっかりした一流の会社で働いてきた人であれば、経験やスキルも相応のものが身についているでしょう。入社前には相当な倍率から合格しているわけで。そして、自分がいる会社に比べて明らかに会社の「」が違う場合には、自社の人材レベルを引き上げる意味でもそういう人を求めるのは必然かもしれません。

2. 前職で著しい成果や実績をあげている
当然ながら前職で戦力外当然の扱いを受けている方よりは、社内で表彰されたり、早期出世したりしている人がいれば、転職後も活躍できる可能性があります。

3. 即戦力
同業他社は当然として、求めているポジションの経験を既に積んでいる人は、間違いなく即戦力。そう考えると、多少金額を積むことになったとしてもそういった方をペルソナととらえ、狙ってみるのが確実でしょう。

・・・さて、どうでしょうか?

中途採用だと、こんな感じでまとまっていませんか?


実際には、これに論理的思考力とか、自主性とか、学歴はMARCH以上とか色々あるとは思いますが、人手不足の昨今において、自社の都合だけを考慮したペルソナなんてあまり意味はありません

また、VUCAの時代、活躍する条件は必ずしも上記ではありません。もし仮に、上記の要件に合う人が中途入社で活躍できる人の条件だとすると、自分たちの育成力のなさを無駄にアピールしていることにもなりますね。


■活躍する条件が変わる

さて、話を戻します。

いつまでも元メジャーリーガーを求めても仕方ないのです。

自社で活躍できる社員の要件を固め、現実問題として、採用費用や人件費も大きく上がってきていることを考慮しつつ、求めている要件を見定めて行かなければなりません。

プロ野球においては、ドミニカにアカデミー作ったり、独自の中南米ルートを開拓し、優良外国人を採ってくるチームもあります。最近だと、韓国やメキシカンリーグからも活躍する選手が出てきています。

今の自社の状況を市場も含めて理解し、
・も大手出身はプライドも高く、作業系の仕事はしないから、大手より中堅出身がいい
・仕組み化された中では成果を出しにくかったけど、0から自分で作らせたら驚くべき成果が上がった
など、自社独自の活躍できる土壌があると思うのです。

現実に、トレードや戦力外から大活躍した選手だって多数いる(個人的にはそういう選手が好き)ので、ドラ1にこだわらず、自社にのみ適用できるペルソナを作るのなら、賛成します。


■最後に

私は中学校から本格的にバレーボールを始め、選抜に選ばれるくらい頑張ったのですが、小学生までは野球少年でした(4番打ってましたが、すり足打法で、追い込まれたグリップを短く、センター中心のバッティングと、なぜか玄人気質でした)。だから、今でも野球は好きですし、キャンプから徐々に気持ちを高め、シーズンに備えています笑。

シーズンが始まってみないとわからないのが外国人。

今年はどの選手が活躍するのか、今から楽しみです。

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