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#485 ブライダルサロンの受付の人だった

2023.12.2.
社会人になってから、広告→ブライダル→教育という道を辿ってきているのだが、全然関係がないように見えて、実は共通項や親和性のある業界だと密かに思っている。


ブライダル業界、結婚式場に勤めていたという話をすると、9割の確率で「ウェディングプランナーやってたの?」と聞かれる。

が、私の場合、そうではない。

部署としてはコンシェルジュというところにいた。
『コンシェルジュとは、本来は「案内人」という意味の単語だが、徐々に解釈が広がり、ホテルの宿泊客のあらゆる要望に対応する「総合世話係」といった職務を担う人の職種名になっている』だそうだ。
結婚式場で言えば、式場入り口にいたり、クロークやラウンジにいたり、チャペルにいたりと、結婚式の様々な場面でお客様を案内する役割がある。

が、私の場合、それでもない。


実は、結婚式場の打ち合わせをするサロンの受付をしていたのだ。受付嬢というとこんなイメージかもしれない。

ネットにあった画像

パッと見こんな雰囲気なのだが…
実際の仕事の様子は全然違うぞ!

今日は、そんな会社内でも異質な仕事「打ち合わせサロンの受付」の人が身につけている特殊能力について、挙げてみようと思う。



★ガチのパズラー

式場で行われれる打ち合わせとは…
◆式場見学に来る方(新規)
◆式の打ち合わせに来る方
の2タイプがある。

コンシェルジュの役割は、①来館者の名前確認 ②席に案内 ③ドリンクオーダーを聞いてパントリーに伝える(パントリー担当のコンシェルジュがドリンクを作って運ぶ) ④担当者に連絡 ⑤打ち合わせが終わった席の片付け などだ。

私のいた式場は土日の場合、9時・13時・17時の新規。10-13時・13-16時・16-19時の打ち合わせという枠になっていた。
新規は、実際に行われている挙式の合間を縫ってチャペルや会場の見学に行き、サロンに戻ってきてプランの説明をしたり見積りを作ったりする。
打ち合わせは、プランナーとの打ち合わせはもちろん、花屋さんや音響さんとの打ち合わせもある。

土日は…圧倒的にサロンの席が足りなかった!

打ち合わせは10-13、13-16、16-19という詰まった枠なので、全枠打ち合わせが入っているプランナーさんとか一体いつご飯食べてるの?という感じなのだが、詰まった予定のプランナーさんの打ち合わせが長引くと、悲劇が起こる。まだ打ち合わせしているのに、次の人が来ちゃうパターンである。できればそのプランナーさんから離れた席で少し待っていてもらいたいのだが、打ち合わせが終わってくれないと待つ席もないのよ状態ということは多々あった。美容院とかもこういうことありそうな気がする。

ということで、もう朝の段階から、来館予約台帳とにらめっこが始まる。

パズル好きの血が騒ぐというものだ。どうすればなるべく待たせることなくスムーズに席が回せるのか。

特に、新規と普通の打ち合わせが被る13時は、「さあ…13時来館が始まるぜ!」ばりのアドレナリンの出方だったように思う。

やばい!お客さんが30分も早く来ちゃった!
台帳にない方が来ただと?受付前で待たせている間にプランナーに確認だ!
来館が同時多発すぎてパントリーが大変なことに。受付から1人ヘルプに行ってもらおう!
逆に来館多過ぎて案内行ける人がいない!パントリーから1人ヘルプ来てくれ!
受け取っておいてと言われていたグッズが大量すぎる!

土日は毎回そんなことばかりだった。一気に人が来過ぎて、受付周りで待ってもらって、誰が誰だか分からなくなるなんてこともあったくらいだ。


★調整力・交渉力

そんなギリギリのサロンを運営していると、何かイレギュラーが発生したときに調整力が必要になることがある。

プランナーの打ち合わせが全然終わりそうにない。この後打ち合わせの人、待っている間に衣装サロンに案内できないか、衣装さんに確認。

お花屋さんで打ち合わせ出られる人がいない?じゃあこのお客さんの花の打ち合わせと音響の打ち合わせの順番、逆にできないか音響さんに連絡してみよう!

「このお客さんとの打ち合わせ、ちょっと話がややこしくなりそうだから、目立たない席にできないかな?」
なるほど!この時間、この席だったらねじ込めるかも。

自分の判断がナイスプレーになることもあれば、大きなお世話になることもあった。でも、困った時にいろんな人と解決策を相談する力って大事だ。


★何事も疑ってかかる力

サロン受付の仕事で一番恐ろしいミスは、「お待たせ事件」である。

お客さんが来ていて、席に案内したにも関わらず、連絡するのを忘れて、長く待たせてしまう。
花打ち合わせの後にプランナー打ち合わせが入っているのに、お花屋さんが「打ち合わせ終わりました」の声かけをしてくれず、プランナーに繋げなくて気付けば待たせていた。

サロンの不手際でクレームもらうなんて、絶対あってはならない〜!(ただでさえ揉めやすい業界なのに)

実際、何度かお待たせ事件はあった。完全にコンシェルジュのミスである場合もあったが、プランナーや各部門の担当者の連絡ミスの場合もあった。

もうそれは恐ろし過ぎて、来館が落ち着いたタイミングやちょっとした隙間時間に、受付を離れてサロン内を見回り、お客さんだけで待っている雰囲気のテーブルがないか確認するようにした。「お待たせ事件は起きるものだ」と疑ってかかって。

で、不審なテーブルがあれば担当者に状況を確認した。
「今、私が見積り作るのを待ってもらっているだけなので大丈夫ですよ。」と言われるときもあれば、「伝えるの忘れてた!次は〇〇の打ち合わせがあるんだった!」みたいなこともあり、確認してよかったと胸を撫で下ろすこともあった。


★パントリーは軽い飲食店

受付とパントリーは二人三脚だ。パントリーも、同じコンシェルジュの部署の人が入っている。だいたいは、社員ではなくアルバイトの人。

ドリンクの作成と提供、片付け、時には引き菓子の試食を出す。新規のお客さんにフェアで特別メニューを出すことも。

ドリンクは季節ごとに新規メニューを考えたり、ドリンクメニュー表が古くなってきたら新しいものを作成する。もちろん、日々のドリンク在庫を確認して発注もかけておく。

洗い物が溜まり過ぎて、婚礼側の案内をしていた人が洗い物ヘルプに来てくれることも。

もう、これは軽い飲食店と捉えてよいだろう。


★時にはプランナー

多忙なプランナーの代わりに、プランナー的業務を請け負うこともあった。

翌日挙式の人が、当日受付周りに飾るグッズを持ってくるので、受け取っておいてほしい。で、それを空いた時間を使ってここに運んでおいてほしい。(そういうときに限ってグッズが大量だったりする。)

なぜかジュエリーを販売したこともあった。普段営業的な仕事をしていないコンシェルジュにとっては一大事だ。
販売トーク、めちゃくちゃ難しい。


ということで、一言で「結婚式場で働いていました」と言っても、皆さんが思い描かないような業務をしている人はいっぱいいるのである。

“全力で働く”がデフォルトな私は、サロン業務を極め過ぎてサロンの女王に成り上がってしまったが、

ここだけの話、

プランナーがやりたかったー!


式場のお仕事紹介でした。長々しい文章を読んでくださってありがとうございました。



#教員エッセイではない
#ウエディングプランナー
#コンシェルジュ
#知られざるお仕事

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