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#081 「初任のI岡くん」から学ぶ、初任が持っていると強いと思う力

2022.7.12.
今日も高校で体育。とりあえず2日間無事に終了!


実は、小学生の頃の夢は「マンガの描ける小学校の先生」だった。
けれど、そこまで一直線に進んできたわけではなく、教育の世界に入るまでにはだいぶ回り道をした。
私が教員になったのは、ちょうど30歳になる年だったと思う。

右も左も分からないとはまさにこのことで、とりあえず初任が最初の職員会議を経てなる姿は9割方こう!

最初なのでまだ辛うじてスーツ


8年間で出会った初任の人ってそんなにいないが、その中に「すごいな!これはなかなかマネできない!」と思える人がいた。
それがI岡くんだ。

名前入ってるし笑


私が6年目で初異動のタイミングで、I岡くんは産休代替として同じ学校に入ってきた。正規採用ではないけれど、実質初任。
一応こちらは6年目なので先輩ではあるが、初めての異動で分からないことだらけだったし、私としては同じ職場で日々戦う戦友というか同志のような気持ちで彼の奮闘を見ていたように思う。


ここがすごいよI岡くん① 「オープンである」

よく彼が言っていたセリフの一つに「俺の授業、マジでクソなんで、何か気付いたことあったらアドバイスください。」というのがある。
言葉遣いは悪いけれど、授業がうまくいかないのでアドバイスが欲しいというのは若手だったらみんな思っていることで、彼がすごいのは、それを隠したり抱え込んだりせずにオープンにして、もらったアドバイスをいろいろ試してみるところだと思う。

・自分の授業を録画して見てみる。
・「この単元うまくいかないので、1回見てアドバイスください」と頼んで授業を見に来てもらう。
・授業参観では支援員さんなどのヘルプをお願いする。
・板書の文字に自信がないので、ここぞというときは印刷して貼れるやつを用意しておく。

自信がないことって、基本人に見せたくない。私も、いつでも人が入ってこられるようにドアを開けておくけれど、実際大人が入ってきたら身構えてしまう。でも、I岡くんは社交辞令でなくアドバイスを求めていて、「見てもらって直してもらった方が手っ取り早い」と考えているようにも見えた。


ここがすごいよI岡くん② 「誰に質問すべきかのチョイス」

①のようにオープンでアドバイスを抵抗なくもらうし受け入れる(しかし時に華麗にスルーしたりもする)I岡くんだが、闇雲にアドバイスをもらうわけではない。

この内容は誰に聞いたらよくて、どんな聞き方をしたら求める答えがもらえやすいのかを知っている、または直感で嗅ぎとっているように思えた。

この教科だったら教頭。しかも、いきなり教えてもらうのではなく、一旦授業を見てもらってアドバイスをもらうと早い、とか。
ある意味大変効率的である。

ちなみに彼が私に聞いてくる内容はパソコン操作のことだけである。笑。
ICT支援員と思われていたのかもしれない。笑。


ここがすごいよI岡くん③ 「派手に失敗できる」

①のオープンであることにつながっているのかもしれないが、I岡くんは挑戦してみて、そして派手に失敗する。
「これ、こんな感じでやってみようと思います!」
「あ、あれマジでダメでした!」

実際問題、仕事をしていて本当に取り返しのつかない失敗ってなかなかない。子供への失言とかはさておき。

だけど、失敗をするのが怖いから挑戦もしない…という人、結構たくさんいる。自分も気持ちはよく分かる。

彼が大きな声で「失敗した!」ということで、大抵のことは後に笑い話になるし、同期や若手教員にとっては自分も頑張ろうと思うきっかけになるかもしれない。
そういう人、同期に一人いると、みんなにとっていいよねぇ。



ということで、1700文字以上もかけてI岡くんの良いところを書いてみた。
結果、初任のI岡くんはいろいろな話題を作りつつも、学級をまとめ上げ、無事に担任を全うした。
なりふりかまわず頑張る初任の姿を見て、助けたいと思わない人はいないだろう。

そして3年間働いて、教員をやめてしまった。

いろいろあったと思うし、もしかしたらいつかカムバックするかもしれないし、もっともっと面白い道を歩んでいくかもしれない。
だけど個人的には、彼には、このまま教員を続けて、いろんな景色を見てみてほしかったなぁと思う。


私は結構たくさんのことを君から学んだし、
これからも戦友として応援しているよ!



#教員エッセイ
#初任の時の思い出
#後輩から学んだこと

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