お酒が回って眠れないんだ。だから私の推しの話を聞いてくれるかい。こんな感じのことを書いていたら「えっ、恥ずかしいんだけど」って言うような(多分)シャイな人だから、もし知っている人はそっと読んでしまっていて欲しいのだけれど。約束だよ。


 才能に溢れていて、実力も感受性も「届かないよなあ」と思うところにある。ひけらかさないのに、言葉や会話の節々でひとりでに得た専門性と的確な知見を感じる。多分感覚で本質を捉えるのが上手なんだろうなあ。すごく器用な印象がある。生き方は不器用なのだけれど。
 ああそうそう。この、ひけらかさないっていうところが重要です。誰よりも上手いのになんか消極的で、人には人の良さがあるよね、と悪気なく言えてしまう。それに苦しめられた人も知ってるけどね。
 誰かの「好き」を蔑ろにすることなく自分の「好き」を大事にできる。ちょいと捻くれているけれど、何だかとっても純粋な気持ちで物事に向き合っている気がしてならない。良いと思ったものや、自分に対する賞賛に対しても、真っ直ぐに感情を伝えられる。穏やかとは言い難い気がするのに、優しい人間だなと思う。
 私は他を否定しないで自分の好きなものを大事にできる才能ある人に憧れを抱きがちかもしれない。最近気がついたこと。
 あとはね、シンプルに顔と声が好き。これは後付けで気がついたので自分でもびっくりした。でも私のこの感情の根底にあるのは「恩と尊敬」だよ。

 やだなあ、って思うことがいっぱいあったあの頃の私が弾くことをやめずにどうにかやってこれたのは、そういう人と音楽を共有する楽しさとか、共感で跳ね上がる心拍数とか、そういうものを秤に載せた時にギリギリ快い感情の皿を選び取れたからだと思う。というか、私のやだなあ、を踏み込みすぎることなく、でも決して否定することなく、ふわりと感情を打ち消してくれた。それだけで楽になったんだよな。多分本人はそんな自覚ないし覚えていないのだけれど!


 BUMP OF CHICKENのギルドが刺さると言ったあの人。4年前、唯一の私の後悔を生んでしまったけれど、幸せだったと言ってスーッといなくなってしまった。
何だか生きづらそうだなあ、と思う時があるからこそ、ひたすら健やかに幸せに生きて、楽しそうに演奏している姿を見せてほしいと心から思うよ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?