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レインドッグス――幸福は劣化しないのか

『レインドッグス』(原題:Rain Dogs) 2011年 アメリカ 監督:デレク・シアンフランス 出演:ライアン・ゴズリング    ミシェル・ウィリアムズ ※この記事は複数の作品の結末に触れています。  2009年公開の『(500)日のサマー』には男が振られるまで(そして都合よく次の出会いがある)を描いていたにも関わらず「共感を呼ぶ男のダメさ」も含めたある種のポップな空気感が存在していた。だが、同じ男が振られる話でも翌年公開の『ブルーバレンタイン』はヘビーだった。映像は

    • 2019年配信Netflixオンリー映画ベスト10

      Netflixだけで観られる映画のベストを出すようになって3年目になりました。余り観られてないと思っていた今年も120本弱観ていて(習慣化の恐ろしさ)、なんだかんだこの3年で観た作品は350本くらいになりました。もちろん配信された作品を全て観ているわけでないのですが、ここでしか観られない映画が最低でも350本はあるって凄くないですか(実際には配信停止の作品も含まれていますが)。ですが、日々追加される中で作品はどんどん埋もれていってしまいます。このベストが皆様のNetflix鑑

      • 2018年配信Netflixオンリー映画ベスト10

        昨年にNetflixだけで観られる映画のベストを出してみたわけですが、今年も特にNetflixがオススメをしてくれないので勝手に紹介してみようとランキングをやりますのでお付き合いください。 私事ですが生活環境の変化から鑑賞本数が減ってしまいました。劇場・レンタルでの鑑賞数で見れば150本ほど。これは例年より50本減っています。一方でNetflix限定配信作は120本ほど。これは去年よりも20本ほど増えていて、ますます自宅で配信作を鑑賞する比重が増した一年となりました。 配

        • レディ・プレイヤー1――最強の布教活動とあるキャラのことと親友のハリウッドデビュー

          ネタバレしてますので鑑賞した方へ向けて。長いですがお付き合いを。そして、原作読んだら自明のことかもしれないけど、そこはご寛恕ください。 1.2045年における80年代ポップカルチャー観終わってから、あの世界における80年代ポップカルチャーってなんなんだろうとずっと考えていました。ディストピア的な世界で娯楽が更新されなくなってたからなのかな?と考えてもいたのだけどそこまで世界が暗くはないし、何よりそんな後ろ向きなことスピルバーグはしないかなと思い至るわけです。もっと前向き

        レインドッグス――幸福は劣化しないのか

          2017年配信Netflixオンリー映画ベスト10

          自分の中でエンタメ革命が起きました。以前からヘビーユーザーではあったと思いますが、今年は本腰入れてNetflixのみで観られる映画を掘ったらまあ出るわ出るわ面白いものが。劇場かソフトでの鑑賞かの選択肢しかなかったところに、第三の選択肢としてNetflixの存在感が急激に大きくなった一年でした。 Netflixオリジナル扱いのコンテンツは平均点高いのは知ってたけど、今年は去年より配信数が増加し追いかけるだけでも結構大変。来年はさらに増やすというから嬉しい悲鳴。同時に日本では上

          2017年配信Netflixオンリー映画ベスト10

          甘さと性差を排した犯罪小説――『ゴーストマン 消滅遊戯』刊行に寄せて

          ①ドライヴ(ニコラス・ウィンディング・レフン) ②ヒート(マイケル・マン) ③ユージュアル・サスペクツ(ブライアン・シンガー) ④ザ・プロフェッショナル(デヴィッド・マメット) ⑤レザボア・ドッグス(クエンティン・タランティーノ) ⑥インセプション(クリストファー・ノーラン) ⑦ゲッタウェイ(サム・ペキンパー) ⑧ダイ・ハード(ジョン・マクティアナン) ⑨オーシャンズ11(スティーブン・ソダーバーグ) ⑩インサイド・マン(スパイク・リー) 「強奪映画のベスト10は?」という

          甘さと性差を排した犯罪小説――『ゴーストマン 消滅遊戯』刊行に寄せて