嘘でもいい。

歌舞伎役者 七代目 松本幸四郎。

「芝居でも、殿様だとか、大将になると、いい気持ちですよ。下郎や乞食になったときは、惨めだなぁと思います。」

こう言ったという。

だから、

人が何といおうと、

「俺は幸福だ！」

憂いがあったら、

「ああ、楽しい！」

悲しいことがあったら、

「ああ、嬉しい！」

こうして心を振り替えよう。

と、哲人 中村天風は言っている。

嘘でもいいから、心をプラスに向けることである。それが、肝心なのである。

憂いに浸っていたら、潜在意識も憂いでいく。悲しみに浸っていたら、潜在意識も悲しんでいく。憂いや悲しみ、それはマイナス的感情である。マイナス的感情が積み重なっていけば、潜在意識は、当然、マイナス的要素で溢れていく。そうなると、現実もマイナス的要素で溢れるのである。

だから、環境を呪い、運命を悲しむことをやめること。呪っても、悲しんでも、何も変わらない。むしろ、呪えば呪うほど、環境は悪化し、悲しめば悲しむほど、運命は停滞する。

呪いたくなるような環境であっても、

「ああ、楽しい！」と嘘をつこう。

悲しくなるような運命であっても、

「ああ、嬉しい！」と嘘をつこう。

すると、どんなに辛い時期でも、乗り越えることができるのである。「悲しい！」と言って
、自己暗示をかけて、自分で自分をどんどん泥沼にはめていくのはやめよう。言葉には暗示力がある。自分で自分を貶めることはない。嘘でもいい。「楽しい！」と言ってみようよ。すると、その言葉に感化されて光が差し込んでくるのだから。

マイナスなことであっても、プラスに転換する。マイナスな言葉が出そうになっても、プラスの言葉に転換する。その癖がつけば、潜在意識がプラスの状態になっていき、現実もプラスの状態になってくるのです。

“嘘、ついていますか？”

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