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空の住人

私は数年前から出張が多く飛行機移動が多い。

島国である日本の中で、
さらに島国で育った私は移動手段にはいつも時間がかかった。
いつからかそれにはもう慣れっこになった。

昔、小さなころは田舎町から大きな町へ出ていくだけでワクワクして、
そのワクワクは憧れになり夢になり海外生活にまで至ったのだけども。

空港に行くだけでそれはそれは高揚したし、
離陸する直前なんて本当にワクワクしてパイロットにでもなった気分でいた。

空港は憧れの場所で昔付き合っていた彼とのデートは空港なんてことも。
2人で色んな時間帯に合わせて飛行機を見に行っていた。
今でもとても良い思い出だ。

海外へ留学した帰国後から私の生活は一変した。
新しく始めた仕事で国内外の出張が増え、飛行機移動が当たり前になった。

友達から「空の住人」って言われるようになった。

昔はあこがれていた飛行機も空港もいつの間にか当たり前になっていった。
むしろそれはそれは疲れ果てて降り立つ場所にもなり、
時には空港へ行くのも億劫になることもあった。

しかしやっぱり今でも空へ飛び立つと何とも言えない気持ちになる。

遠ざかる町と必ず違う空模様を見ながらいつもスーッと深呼吸をする。
これも癖になった。

地元と東京を行き来するのはもう数えきれないほどで、
時間帯や景色の位置などある程度把握できている。

富士山が綺麗に見えるタイミングとか、
そろそろ和歌山の山脈が見えるぞとか。

不思議とそのタイミングになると眠くても窓の外を見て確認している。

自然の面白さはひとつとして同じ時がないことだ。
だからいつでも逃すまいと野生の勘的なのが働くのだと思う。

あと天気が悪い日は揺れないか心配するのだけど、
雲がある飛行はとても面白い。

分厚い雲を抜けるとそこは真っ青な空が広がっている。
そしてその上にまた雲があったりするのだ。

雲と雲の間の飛行。
ラピュタのような雲を見たり、不思議な雲を見たり。
雲もまた面白い。

そして夕暮れ時の飛行はとても幻想的。
上空でしか見えない空の色がそこにはある。

夜明け、夜中、朝焼けのフライトも全て経験した。
もちろん雷雨の中のフライトも。
乱気流の中のフライトは本気で死を覚悟したなぁ…

そして上空から太陽、月、星の位置を知るたびに、
本当に地球は丸いと思わされる。

やっぱり宇宙や空はロマンだなぁとしみじみ思うし、
見たことない世界が果てしなく広がっているなんて。
好奇心だけは衰えない私にはたまらない世界だ。

どうして男の子に生まれなかったのだろうかと
何度も思って生きたこともあった。
パイロットになりたい時期があったぐらいだ。

高校生の時にバイトして買ったフィルム式のカメラは空を撮るためだったし、空への憧れは小さな田舎町で生まれたからだろうかなぁ。

今でもNASAに行くのがひそかな夢だったりする。

そして飛び立ったらそこはもう運命共同体。
飛行機で事故など起きた時の生存率なんてないに等しいから。
いつも覚悟もしている。
飛行機の事故率は低いとは言え、時々連鎖するように起こるから。

あと私はいつもJALを利用しているのだけど。
毎月、機内雑誌を読むのを楽しみにしている。
浅田次郎さんのエッセイがそれはそれはとても面白いのだ!

そしてパイロットによる空の解説の話のページと乗客からのお便り。
時々ほろりとさせられる内容もある。

そういう小さな楽しみも含みつつ、
空を飛んで目的地に行くことは素敵なことだなぁと思う今日この頃。

移動距離が長ければ長いほど、地球の反対側へ行けば行くほど。
まぁずっと上空でいるのも疲れるけども。
 私はやっぱり空の旅は好きだと感じる。

ライト兄弟には改めて感謝したい。

そしていつか宇宙へ気軽に旅行へ行く日が来るのかな?と思う。
NASAのみぞ知るってことだろうけど。
月への旅行とか色んな話はあるけど、費用のことなども含めると、
まだどこか非現実的だ。

私が生きている間に少しでもその可能性は当たり前になるかな~

私よりもはるかに脳みそが長けてる人の探求心と知識に期待して。
「宇宙の住人」なんて言葉が生まれる日を楽しみに待とう。

とりあえず今年もたくさん飛行機乗るんだろうな。

続・空の住人です。

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