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巡り来る夏と音楽

私は夏よりも冬が好きだ。澄み切った空気や、肌寒さが好き。それは体質的な問題もあって、とにかく私は暑さに弱い。肌も真っ白だと言われるぐらい、日に当たると赤くなって体調まで悪くなる時もある。だから冬が好きというのはフィジカル的な問題も大きい。だけど、夏は、夏にしか感じられない高揚感やワクワク感がある。それだけは、ほんとに好きだ。何かに出会えそうな気がするというか、暑すぎる日でもつきぬけるような大好きな空の色を見上げると、悪くないなって想える。最近の日本の夏はもう東南アジアレベルな暑さで恐ろしく感じるけれど。

そんな夏になると、なぜかいつもZARDが聴きたくなる。

「突然」は今聴いても、新鮮に感じる。何とも言えない甘酸っぱい恋の青さと、見上げると夏の空が広がっているような気分になる。「揺れる想い」は誰かに無償に恋したくなるような、熱さで流れる汗さえも物語にしてくれる。ポカリスエットのCMに影響を受けすぎかな。「心を開いて」「君に会いたくなったら」も好きな人がいなくても、なんか恋っていいな、男女関係って曖昧さもまた醍醐味だなんて思う。「眠れない夜を越えて」「きっと忘れない」は初々しさやまっすぐでキュンとする。と、ZARDを聞いていると勝手に恋愛感情スイッチが入る。相手がいなくても(痛)

ZARDの楽曲は言うまでもなくメロディラインも逸品だけど、坂井さんが書く歌詞が絶妙に良い。これってどういう関係なんだろう?片思い?両想い?失恋?そういう想像力もかられるんだけど、なんか分る。分かるなぁって共感してしまう言葉の力がある。妙に納得するというか。こういう曖昧さも実は恋愛の特権だし、このストレートな想いなんてまさにってのもある。不思議なほど耳に心に残る歌詞が多い。

リアルタイムではなかったけど、幼いながらにいつもどこかから流れてきていたZARDの音楽。小学校低学年の時に父に連れられて行ったCD屋さんで、淡い色した四角いケースを手にした時のことを今でも覚えている。お小遣いを貯めて初めて買ったCDだ。「揺れる思い」のアルバム。CDプレーヤーに入れて何度も聴いた。すごく、懐かしい。

音楽はいつだって物語の主人公にさせてくれる。どんな季節にも寄り添ってくれる。夏の突き抜けるような青空、まばゆい太陽。何もかもが一瞬の輝きを増しているような景色の中で、汗ばむ体にため息をつきながら、心地よい音に身をゆだねる。そして誰かを恋しく想う。ひと夏の恋でも良いなんて少し開放的になる自分もいたりいなかったりしながら。私の夏のプレイリストは流れていく。

そして若くして亡くなられた美しき歌い手を恋しく想う。歌だけがいつまでも時代を越え、何度も巡り来る夏を迎える度に。


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