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【後編】家を建てるなら決算書を見よ。安く賢く高性能な住宅に住むコツ

賃貸生活や部分リフォームでは味わえない「一戸建て購入ならではの魅力」について盛り上がったCEO対談前編
後編では、注文住宅の失敗談や、注目度高まる「高性能住宅」、工務店選びのコツなど、住宅業界のブラックボックスにも迫ります。


ローン審査でよく見たトラブル

ーー家づくりでよくあるトラブルや失敗談はどんなことでしょう?

乃村)一番多いのはローンの審査じゃないでしょうか。例えば、携帯端末の分割払いをついつい滞納してしまったせいで信用情報に傷が付き、住宅ローンの審査に通らないことも。大きな借金をしたわけでもないのに審査に落ちてしまう人が、15〜20人に1人ぐらいの割合でおられますね。あと、住宅ローンの事前審査通った後で別のローンを組んでしまうとか。

ーーお二人はすでにご自宅を購入された経験があるんですよね。

乃村)僕が家を建てたのは2014年、HEMS事業で失敗して、東京から奈良に戻った頃でした。
僕、それまでにたくさんのお客さんの家を建ててきたんですけど、正直、「自分の家」を欲しいと思ったことが一度もなかったんですよ。ずっと同じところに住んだら飽きてしまう気がして。住まいは常に賃貸の戸建住宅でした。
ですが、大きな負債を抱えて悔しい思いもしたので、ここで一度、気持ちを入れ替えて自分の家でも建ててみようか、と、自宅を持つことにしたんです。

金箱)僕も自宅の購入は同時期です。都内の中古マンションを購入してフルリノベーションをしました。

ーー自宅を作るにあたって特にこだわった点、苦労された点はどんなところですか?

乃村)うちは夫婦共に住宅業界で仕事をしていますから、日頃から具体的な希望を共有できていたということもあり、内装や細部については全部妻に任せました。
僕のこだわりは一点だけ。とにかく明るく開放感のある家にしたくて、南側を一面ほぼ窓にしたんです。

金箱)ひと目でわかる素敵な家なんですよ。

乃村)業者さんからは「窓が大きいと耐震性が下がりますよ」と止められたんやけどね。せっかくの自分の家やし、と敢行しました。

ーー乃村さんらしい決断ですね......!

乃村)私の家のある奈良県は無災害で有名な県ですが、全国的にみるとやはり耐震性の重要性は非常に高まっています。高耐震、高気密高断熱という性能面を追求するのはもちろん、そのうえで、家づくりってもっともっと自由でええはずやと感じています。

ーー前編(「自分の家」を買うメリットとは?)で住み替えについてお話しいただきましたが、またご自身の家を建てる予定はありますか?

乃村)やりたいですね。今度建てるなら絶対海沿いがええなと決めてます。

金箱)僕はライフプランを綿密に立てるタイプでして、人生であと2回、住宅の買い替えを予定しています。家族のサイズ、学区問題なども検討しながらシミュレーションを重ねています。
住宅を購入すると安い金利で住宅ローンが借りられますし、高性能住宅なら住みながらの投資になる。ライフタイム全体で経済性があるし、さらには脱炭素にも貢献できる。これをもっと手頃な値段で提供できれば、まさにマイホムが掲げる「世界最高の住宅をすべての人に」を実現できるはずなんです。

メリットだらけの高性能住宅はもっと広がるべき

金箱)なんとなく「木造の戸建て住宅」より「コンクリートマンション」の方が快適、というイメージがありませんか?

ーーはい、なんとなくですがそんな気がします。

金箱)実は、そんなことないんです。断熱性や耐震性がマンション同様に優れていて、永く快適に暮らせる木造住宅こそが「高性能住宅」なんです。

ーー「高性能住宅」と聞くと、なんだかすごくハイスペックで手が届かないイメージなんですが、一般庶民でも買えるんでしょうか。

金箱)実は「高性能」という部分に明確な基準や定義が定められているわけではないんです。
「高性能」と謳っていても、実は従来のものと大差ない、というケースもあります。
例えば、その基準を耐震性なら最高等級の「3」、断熱性能を「ZEH水準」、耐久性を「長期優良住宅」に揃えると、まず技術的に建てられる住宅会社の数が少なく、費用もまだまだ高額です。そのせいで本当の「高性能住宅」の普及に時間がかかってしまっていることは、住宅業界全体で取り組んでいくべき課題だと思います。

乃村)高性能住宅の特徴である「夏暑くなくて冬寒くない」とか「外に騒音が漏れにくい」とか「地震が起きても倒壊しにくい」とか、そういうのって、もう住宅の「当たり前」であっていいと思うんです。そこの常識を更新したいから、純粋に、高性能住宅がもっと普及すべきやなと思います。
国としても、補助金、金利優遇、住宅ローン減税などの手を打って高性能住宅の普及に前のめりですから、決して富裕層だけのものではなくなってきています。

金箱)国が高性能住宅を推進するのは、環境への配慮の意味合いが大きいですよね。例えば、CO2排出量のうち約30%は住宅での使用から出ているのですが、もし日本中の住宅がすべて高性能住宅に置き変わったら半分以下にできると言われています。

ーー高性能住宅、魅力的です! その上で、家のプロフェッショナルのお二人が考える「理想の家」はどんな家でしょうか?

乃村)それはほんまに住む人によって全然違ってきます。それなのに、最初の相談時から「家はこうあるべき」というイメージに縛られてくる人は結構多い。平均的なリビングの広さはこれくらい、子供部屋は2階に2つ確保して、お風呂とトイレは近くにして......とか。
だからこそ、奈良で立ち上げたSOUSEIのスローガンは"HOUSE IS MORE FREE”。住む人の個性を尊重できる家作りを目指して、創業時から「どんな要望も拒否しない」ことを売りに、他社さんで断られるようなご要望もできる限り応えてきました。

ーーどんな要望も!

乃村)熱烈な阪神ファンの方に「家の外壁を虎柄にしたい」と相談されたときはさすがに止めましたけどね。売りたいときにとてつもなく苦労すると思ったので。(笑)

いつか叶えたい理想が詰まった自分だけの家

決算書をチェック!?家づくりで最初にすべきこと

ーー実際に家を建てたいと思ったら、最初に何を決めるべきでしょうか?

乃村)やっぱり、良い担当者にめぐり会えるかどうかがかなり重要だと思います。適当な担当者と話を進めちゃうとあとあと悲惨だし、いいと思った人は営業さんだけで、受注後は別の人に代わっちゃって相性悪くて......という話も聞くので、最初の人選が絶対に大事。

金箱)僕だったら、まずは住みたいエリアにある工務店を5社は回って、それぞれで決算書2期分と過去の施工例を全部見せてもらって......

ーーな、なるほど......。.

乃村)普通の人はそんな入念に下調べしませんよね(笑)。僕もせっかちやから、きっと最初に相談に行ったメーカーでローン組んじゃう。でも、実は住宅業界って結構ブラックボックスな部分が多いんです。

ーー社名を知っていて安心感のある大手のハウスメーカーさんにお客さんが集まりがちなのも頷けます。
 
金箱)でも僕の感覚だと、仮にまったく同じ家を建てたとき、地場の工務店とハウスメーカーで総額が3割くらい違う気がします。大々的に広告を打っていないから見つけづらいだけで、技術が確かな中小工務店はたくさんありますから、そこをちゃんと探せればかなりコスパ良く家が建てられますよ。

乃村)マイホムはもともとアプリで全国の中小工務店さんと組んできているので、その点はカバーしていますし、PlusMeは、そういう「何から決めればいいのか分からない」というお客さんにもおすすめ。あらかじめ選択肢を用意していますから、完全な注文住宅のように一から十まで全部を自分で組み立てなくて済みますから。

ーーなるほど! マイホムを導入している工務店さんはどのように調べられますか?

金箱)HPに全国の提携工務店の一覧リストを公開予定です。ぜひ参考にしてください!

マイホムコーポレートサイト/アプリサイト


編集:眞板響子
撮影:曽川拓哉

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