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夢は叶う。前澤さん、宇宙へ

「やべぇ..」

2021年12月8日 日本時間16:38。前澤さんの夢を載せた宇宙船が、バイコヌール宇宙基地から飛び立った。

前澤さん関連会社の社長だけ呼ばれた「MZ ロケット打上げパブリックビューイングパーティー」にて、軌跡や映像を見ながらこの2年のいろいろなことを思い出していた。

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前澤さんとの出会い

私が初めて前澤さんと会ったのは2020年6月17日だった。社会を良くする事業10個に10億ずつ出資する”前澤ファンドプロジェクト”の3次審査だった。言わずと知れたZOZOの創業者であり超大物経営者。しかし、不思議と緊張はなかった。今までのサービス提供を通して、マイホムはハウスオーナーを幸せにする確信を持っていたからかもしれない。

初めて会った前澤さんの印象は”起業家”だった。今までも幾人か大物経営者にお会いしてきたが、起業家感を感じたことはなかった、経営者だった。けれど前澤さんからは、柔和な雰囲気と知性の裏にものすごい熱量を感じた。それは、紛れもなく現役バリバリの起業家の空気だった。

事業の説明をしたとき、細部については示唆に富んだアドバイスや感想を頂きながらも、強く印象に残ったのは全ての発言が施主側目線だったことだった。

特に印象深かったのが、何回目かの前澤さんとの打ち合わせで私が「今度こういった機能をリリースする予定です」と話した際、前澤さんは「その機能がリリースされる前と、後で施主はどう幸せになるの?」と聞かれたことだ。僕は、工務店業をしている時から常にお客様満足に偏りすぎだといえるほど顧客目線で仕事をしてきたつもりだったけど、単一の機能レベルまでお客様目線では考えていなかった。あの時は「すげえなこの人」と熱く感動したのを今でも覚えている。外から見ていた前澤さんの印象がすごく変わった場面でもあった。

またこんなシーンもあった。とある収益モデルを考えていますと話した時、前澤さんは「ただ儲けるために新たな収益モデルを作るのはやめてほしい。これから家を作る方のために本当に価値のあるサービスを作るなら、逆に赤字でもやるべきだと思う。」と言われた。前澤さんと共に仕事をする中で、細部もだが、本質的な部分の柱を強くできた。

よく色々な人から「前澤さんってどんな人?」と聞かれる。その時僕はきまって「あんなに顧客のことしか考えていない人はいない。というか顧客しか見ていない」と答える。今まで生きてきてここまでの人は見たことがない。

前澤さん宇宙へ

宇宙出発当日に戻りたい。

当日の東京は雨が降り続き、非常に寒い中、15時過ぎに表参道の関係者を集めたパブリックビューイング会場に向かった。あの日、会場はおろか、日本中からと言って良いほどの注目と関心が集まっていたように思う。僕自身もパブリックビューイングを見ながら、今前澤さんどんな心境なんだろう、ずっとそんなことを考えていた。

誰にでもいえることだが、夢を叶えるまでには、その裏側に100倍も200倍もの辛いこと、しんどいこと、努力、批判がある。前澤さんも例外ではなく、いや知名度の高さを考えると、それらはさらに多く、大きいと思う。

カウントダウンが始まる。30秒を切ったあたりから手に汗を感じた。正直僕自身、人が何かにチャレンジする姿を見て、自然に手に汗を握るのは日本人のオリンピック決勝か阪神タイガースが優勝を決めるときぐらいだ。

10…9…8…7 …3…2…1…0 若干のタイムラグがあり発射された。その約9分後、ロケットは無事打上げを成功させたと発表され、会場は歓喜に包まれた。オリンピックの時とも、阪神優勝の時とも違う不思議な感じの感動が込み上げた。そしてふと、おめでとうございますという言葉はなぜかこの場面にはチープな気がした。でも今の感情を伝える適切な語彙が浮かばず、しばらくはただハーとかフーとか言っていたような気がする。

その約6時間後、無事に前澤さんはISSに到着。


夢は叶う

人は夢を持ち、そして多くの場合、諦める。

状況、環境、情勢、経済、家族、自分。あらゆるものを理由に、夢を諦める。それは決して悪いとは思わない。なぜなら、幸せとは結果ではなく感じ方であり、夢を叶えることだけが幸せへの道ではないと思うから。

僕は今もう45歳。世の中のスタートアップと言われる企業の社長たちからすると10歳も20歳も上だ。人生の終わり方について考えるときもある。

それでもなお、不細工でも、みっともなくてもまだ夢を追い続けたい。自分の人生を変えてくれた住宅業界と、出会ってきた無数のハウスオーナーのために、残りのビジネスマン人生をかけてみたい。

日本中の家を建てるほとんどの人に、そして住宅会社に“マイホムがなかった時代には戻れない”と言ってもらえる未来を創りたい。

書きながらやっと今わかった。前澤さんの挑戦に対して僕が感じた感情。

それは”ありがとう”だ。

(乃村)


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