最近聴いた良い曲(2023.6.8)

こんばんは。名南奈美です。本稿のOPはANCHORさんプロデュースアイドルNARLOWの『こんな世界に為ろうと(作詞作編曲:鈴木大記(ANCHOR))』です。


●大脱走(歌:生田鷹司/作詞作曲:堀江晶太/編曲:堀江晶太・PENGUIN RESEARCH)

 ロックバンドPENGUIN RESEARCHの楽曲です。『逆光備忘録』の曲は時間あるときまとめて書きたいので、その前のシングルの収録曲から。
 系譜としては『嘘まみれの街で』『逆襲』『ドブネズミ・ザ・ナイトクルーザー』に連なりそうな、歪んだギターとハングリー精神が前面に出ている曲ですが、邦楽ロックバンドとしてスリムになっていっているいまのPENGUIN RESEARCHがそういうのをやるとこうなるんだな、最高だな、と思いました。生田鷹司さんの声遣いも過去より印象深く刻みこんでくれる感じでたのしい。
 2ndアルバムまでの、シンセサイザーがガンガン鳴ってるようなPENGUIN RESEARCHも大好きですけれど、近頃の雰囲気もスタイリッシュで大好きです。色んなのが聴けるって面白いですよね。二番Aメロ後半でSE的に使われているシンセっぽい音も好き。
 「輝きを増す物語」で切って「だ」で伸ばすの、ダッシュのオノマトペとかけてるんだとずっと思っています。勝手に。

●ハッピーエンド延長戦(歌:METAMUSE/作詞作曲:大森靖子/編曲:大久保薫)

 METAMUSEの楽曲です。編曲はおなじみ大久保薫さんで、FUTURE FUNKというやつらしいです。煌びやかなシンセとファンクって感じの小気味いいギターや動くベースが気持ちいい……。6分ある曲ですが、大久保薫さんの編曲も大森靖子さんのアイデアもキャッチーで楽しい。
 サビの「結婚よりすごいことしよ ヲタクのほうが幸せ」、結婚を選ばないヲタクの肯定であると共に「アイドルの結婚は裏切り」論への反論なんじゃないかなと思っています。アイドルの結婚相手よりもヲタクのほうが幸せにされてるしアイドルのことも幸せにしているのだから嫉妬する必要はない、と言い切るサビだったら面白いなーって
 それはそうと「FREEなっちゃう手前までGO?!」、もう全然風化させず茶化しながら背負っていく満々でウケる。「ここにきて平和」は『Tiffany Tiffany』『メタメメント』とシリアスな空気の楽曲投稿が続いたことへの言及でしょうか。METAMUSE、現実的な文脈というか起こってきたことを楽曲に反映し歌い上げるからこその実像崇拝コンセプトだったりするんでしょうか。
 ちなみに大久保薫さんのソロプロジェクトであるキミョウ ナ カンケイの楽曲『BRUH LOVE feat. 道重さゆみ×ゆある』からの引用が冒頭にあります。キミョウ ナ カンケイと共通する部分がある曲はSHINEMAGIC以来(こっちはSHINEMAGICが先)でそちらも大久保薫さん編曲作なので、なんかそういう(?)流れがあるんでしょうか。

BRUH LOVE feat. 道重さゆみ×ゆある(作詞:大森靖子/作編曲:大久保薫)

●マネキン(歌:初音ミク/作詞作曲:DECO27/編曲:Rockwell)

 ボカロP・DECO27さんの楽曲。「アイドル、全員初音ミク」をコンセプトとしたアルバム『MANNEQUIN』の発売から一年後に発表された新曲で、『MANNEQUIN』の収録曲MVやトレーラーに出てくるオリキャラが集結した全体曲。
 私はなんであれ全体曲が好きなタイプの人間なので、マネキン良いな~と思います。歌詞や編曲面でも今がどの曲の主人公のパートかわかりやすいようになっていて、良いな~と思います。個人的には音源よりも環境音などが足されたMV版のほうが好き。
 で、色んな子に主人公が切り替わっていくようでいて、その実フラットに読んでみたりUのパートを和訳してみたりすると普通に失恋ソングなあたり、『MANNEQUIN』というアルバムのもうひとつのテーマらしい「一人の女の子の恋から失恋まで」から繋がる楽曲なんだろうなと感じました。
 プロジェクトものボカロ曲は廃れて久しい、みたいなのたまに聞くけど、『MANNEQUIN』とか煮ル果実さんの『創・天国と地獄』みたいなオリジナルキャラクターによる連作ものはちょいちょい新しいの出てるからそんな気しないなー……と思います。

●コメディアン・ラプソディ(歌:白膠木簓/作詞:KOPERU/作編曲:FReECOol)

 『Tragic Transistor』に続くヒプノシスマイクのピン芸人キャラ白膠木簓のソロ曲。2022年にBad Ass Templeとどついたれ本舗のソロ曲シングルが出たんですけれど、この曲と天国獄の『If I Follow Ny Heart』が特に好きでした。皆様はいかがでしたか。
 コメディアン・ラプソディ、ゆるい芸人ノリの挨拶セリフで始まって「名前だけでも覚えて帰ってや~ ほな!いきましょか~」から「上がる幕 変わる空気 速くなる鼓動」にうつるとき低音が足されてハイハット足されてって高まった緊張感を「掻っ攫うで歓声 みんなお待たせ」で加速して「暑いんなら俺の扇子(センス)で仰いだるさかい」でブワッと爽快感出してくるの良すぎ……。
 で、フック終わってから曲の締めまでで(あいうえお作文みたいなやつ含めて)「白膠木簓」って三回言ってるの、名前だけでも覚えて帰ってもらおうと言う気合いをめちゃくちゃ感じる、好きです。
 リリックとしてはあと「エンターテインメント 下手はセメント」あたりに白膠木簓さんの笑いの現在と暴力の過去を感じて非常にいいなと思います。
 ちなみにCreepy Nutsの『板の上の魔物』に曲展開が似てると聞いて聴いてみたら本当に似てて笑った。ディビ曲提供してた繋がりでのサンプリングでしょうか。


●ファンキー・モーション(作曲:稲垣次郎とソウル・メディア/編曲:鈴木宏昌)※正確なクレジットは私にはわかりません

 YouTube Musicのレコメンドで聴いたんですけれど、ベースすごい良いな、パーカッションもグルーヴ感があって気持ちいいな……と思ってたら途中から

 んん゛ッン゛ッんん゛ーぅ

 とウッドベースだけになってそのまま3分半くらいずっとそれで通してきてすごいじわじわきた。何それ。しかも普通に音が良いしフレーズのリズムもかっこいいから楽しいし。ドラム入ってきたかと思ったら急に派手になるしなんだこの曲……。と印象に残り、時々聴きたくなって聴いています。

●宵加減テトラゴン(歌:コーロまちかど/作詞:伊藤いずも/作編曲:藤本功一)

 シンセが細かくテロテロピコピコ鳴っててピアノが暴れててドラムがドカドカ激しくて派手に盛り上げたり急に曲調しっとりしたりするハイテンションなポップ好きです。Bメロのひゅるるるってストリングス好き。そして落ちサビが夜空みたいにキラキラしてて後奏のシンセリフもよくて大満足。スズムとかまふまふとかのシンセうるさめの詰め込んだ感じが好きな人、この曲の編曲も好きなんじゃないかなと思います。『ワールドドミネイション』みたいにオイ!オイ!ってとこもあるし。


 ちなみに『まちカドまぞく 2丁目』のEDらしいんですが、OPの『ときめきランデヴー』も聴いてみたらこっちはこっちで浮遊感のあるビックバンドジャズいノリでドタイプでした。ついでに同作の1期の曲も大(おお)好みだったので、年内に観ようかな~と思っています。年内に……。


 終わりです。また気が向いたら。

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