レギュラー以外のメンバーがどんな顔をして練習しているかに注目する



レギュラーではない子たちがどんな顔をして練習に取り組んでいるか。

チームの本質はそこに現れるような気がしている。


そもそも部活動やスポーツは、勝つことや強くなることが主目的ではない。

そういった課外活動を通して人間性を育んだり、他者との関わり方を学んだり、幸せな人生を歩むための土台作りにするものだと。

その上で、チームとして良い成績を残そうという目標を持って取り組み、個々のスキルアップのために一生懸命努力することが素晴らしいことだと伝える。


そんな思いで指導をしている時、チームのレギュラーではない子たちがどんな顔をして練習に取り組んでいるかはすごく気にする。

子供たちはどうしても、コーチは上手い子ばかりを教えていると思ってしまうらしい。そんなことないよ、チームに入ってくれた全員が大切だよと言うけれど、それが本当に全員に届いているかはわからない。

たくさんのチームや指導者を見てきたけど、レギュラー以外の子たち全員も含めていい顔して練習に取り組めているチームは、なかなか少ない。そんなきれいごとを徹底してやることがどれほど難しいことかもわかってきた。

人それぞれ、その競技に対する熱量も違えば、理解力も違う。モチベーションが高いこと低い子に同じことを求めるのは違うと思うし、熱量が低い子に対して無理やりやる気を出させるのは難しい。

ただ、「この人に教わることができてよかった」と最後に思ってくれれば、それでいい。チーム全員が。


そう思ってもらえるようにするには、日々の練習での「上達感」を常に持たせていくことが大切かと。

先週よりもこれができるようになったとか、少しボールが飛ぶようになったとか、上手く打てるようになったとか。
小さな喜びを積み重ね、それを一緒に共有し、努力の方向を教えてあげることがコーチの役目でもあると思う。

「喜びの共有」って良い表現だね。

自分が嬉しい楽しいと思ったことを他人に共有してもらえることで、その喜びは2倍にも3倍にもなるような気がする。
他人の成功を自分のことのように喜んでくれる人の存在って、大きい。

上達に対するモチベーションの原点って、誰かに褒めて欲しいとか、誰かに喜んでほしいとか、そういうことだったりする。
「自分以外の誰かにこの喜びを共有して欲しい!」って気持ち。

それを共有できる場を作って、共有できる人たちをたくさん巻き込んで(保護者とかOBOGとか地域の人たちとか)、それを感謝しあえるチームっていいなぁ。


そして今日も練習メニューを考える。

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