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社会人が時計探しの旅に出た話

これは社会人となった私がちょうどいい時計を探すために何年もの歳月をかけて右往左往し理想の時計に辿り着くまでのお話です。

私のように時計探しに奮闘している人の手助け、あるいはヒントになればと思い残しておきます。

結論から行くとVAGUE WATCHVabbleを購入しました。

「えっ時計屋の時計ですらないの!?」もしかするとこう思った方も居るかもしれませんね。

しかし、これはありとあらゆる高級時計(パティック・フィリップ・GS・ジャガー・ルクルト等)から安価で手ごろな時計(タイメックス・セイコー5・雑貨時計等)、さらにはスポーツウォッチまで吟味した結果です。

時計は機械式とクォーツ式の違いすら分からないようなド素人でしたが、ここに至るまで本当に徹底的に調べたので並程度には知識がついたと感じています。

一応前置きしておくと、時計選びは個人の好みです。当たり前ですが。私がVabbleを選んだ理由もなんてことはなく好みだからです。なので、この記事をもって他の時計をケチをつけるだとかそんな思いは一切ありません。

「社会人だし時計でも買うか」から始まった

時計を買おうと思ったきっかけはなんてことはありません。

「社会人だから」です。

私は時計なんてスマホで良いじゃん世代ですが、いざオフィスで勤務していると時間を確認したいときに限って私物のスマホは出しづらいときがありました。雰囲気です。まだ社会人になりたてなこともあったかもしれません。近くに壁掛け時計があったとしてもそちらをチラチラ見るのもどうかと思うようになりました。

また「どうせならそこそこのものが欲しいな」とも当時の私は考えます。

この時期は自由に使えるお金が学生のころに比べると段違いになったところだったので、サイフやマフラーなど少しずつ身の回りの小物をグレードアップしていたからです。

そうして私の腕時計探索の長く永い旅路は始まったのです。この時はまだ、この旅路が終わりが見えない泥沼の道であるとは考えもしていませんでした。

クォーツ? 時計は機械でしょ!

まず、腕時計の種類から調べることにしました。私は何かを買うときや始めるときは徹底的に調べてから突撃して撃沈するタイプです。

まず気になったのが、クォーツ式とか機械式とかよく聞くけどなんだろうということでした。そんなこと知ってるよという方は飛ばしてもらって大丈夫です。

そもそもクォーツとは水晶のことで、電池で動く水晶時計のことをクォーツ式と呼びます。水晶は交流電圧をかけると一定の周期で規則的に振動します。それを利用して、電池から水晶に電気を流し、水晶の振動を利用して針を規則的に動かしているのがクォーツ式時計です。

世の中の電池式アナログ時計は壁掛け時計から腕時計まで、ほぼすべてこのクォーツ式です。

とても安価で作ることができ、セイコーがクォーツ式時計を一般化したことで世界中の時計はほぼこのクォーツ式時計に置き換わりました。俗にクォーツショックと言われています。

さて、逆に機械式はなんなのか。ズバリ電池等を一切使用せず、ゼンマイや歯車だけで構成された時計のことです。

腕時計をつけて歩いたり動くだけで中の部品がくるくる回り、ゼンマイを巻き上げていきます。ゆえにずっと手に付けていれば半永久的に動き続けることが可能です。さらにゼンマイは一般的なものでも24~48時間分は巻きあげることができ、その間は何もしてなくても動き続けます。

元々はこちらが一般的でしたが、前述のクォーツショックもあり機械式は高級路線に舵を取らねば生き残ることができませんでした。

半永久的に動き続けるってロマンがありますよね。電池が要らないというのも素敵です。クォーツ時計は気づいたら止まっていたなんてことがザラで正直面倒です。

せっかく社会人なりに良いものを買うのなら機械式しかないな、と最初は思ったのです。

最初の一目惚れハミルトンの「ジャズマスター」

さて、時計が欲しいといっても時計メーカーなんて知らないぞと思っていたところ、ハミルトンというブランドの時計が映画でよくつけられているという話を思い出しました。

有名なのは『メン・イン・ブラック』で使われたベンチュラですね。

調べてみるとまぁまぁ良いお値段します。同時にこれぐらいなら恥ずかしくないだろうと思いました。

ちなみにハミルトンクラスは世間的には高級時計と言われるかは怪しいラインなのですが、私は今でもハミルトンは普通に高級だと思います。上級者のよくある無駄に敷居を上げる合戦は良くないと思います。

中でも一目惚れに近かったのがジャズマスターと言われる時計です。

まず名前がクールですし、見た目もシンプルの中にヤンチャさがあり、まさにアメリカの時計っていう感じです。

さらにジャズマスターの中でもオープンハートと言われる文字盤の一部がくりぬかれ、時計の心臓部が露出した時計に目を奪われました。

時計について初めて調べたので、機械式というものが当時の私にはとって珍しかったですし、お高めの時計で名前もクールでオープンハートというちょっと厨二な感じはとてもいいなと感じました。

これはとても欲しい。実に欲しいと思い、私は実店舗に見に行ったのです。

デカすぎました。

さすがアメリカの時計。サイズもアメリカンです。

残念ですが私の細腕には合いません。なんだか間延びして見えます。

ハミルトンはカーキと言われるミリタリーウォッチも人気で、そちらはサイズ的にもよく見た目は結構好きなのですが、あくまで会社でも使える時計探しだったので却下になりました。

グランドセイコー良くない? 9Fクォーツ素敵!

さて、ちょうどいい値段のハミルトンで轟沈したので、今度はさらに上、いわゆる高級時計について調べることにしました。

どうせ買うなら良いものを。ならもっと上の高級時計も当然視野に入ります。時計は一生ものというどこかで聞いたフレーズが頭に浮かびました。なら奮発して良いものを買ってもいいかもしれないなと。

高級時計と言えば、昔「上司が俺のセイコーを見て安物だと勘違いしていたが、実はグランドセイコー」みたいな感じの2chコピペを見たのを思い出しました。

そういう一見して高級に見えないが本当は価値があるものってカッコいい! グランドって名前がまたカッコいい! グランドセイコーを買うしかない! となったのです。

という訳で調べていると、グランドセイコーには9Fクォーツという超高精度クォーツを使用したラインがあることを知りました。

世界にクォーツショックをもたらしたセイコーならではの「高級クォーツ」という概念です。

恐らくクォーツ式で高級時計を名乗れるのはセイコーか後に紹介するシチズンぐらいなのではないかと思います。無論他にもクォーツ式があるブランドはいくらでもあるのですが、どうしても機械式とはあきらかに扱いが違います。

私はこの9Fクォーツを使用したラインにほれ込みました。

一般的に機械式はそのムーブメントがとても美しく、その動きを見るために裏がスケルトン(通称裏スケ)になっていることもあります。対してクォーツは非常に簡易な回路しか入っていないのであまり変わり映えがありません。この点がクォーツ式が時計愛好家からあまり愛されない理由の一つでもあります。

しかし、高級クォーツともなると裏スケまではあまりありませんが、その機工も複雑で美しくなります。さらに言うとクォーツ式とは人類の英知です。最新技術の粋が美しくない訳がありません。

そして9Fクォーツのラインは20数万からとお手頃でした(驚くかもしれませんが、高級時計としては最安値の部類です)。

これはもうグランドセイコーのクォーツしかないと思い、私は足しげく時計屋に通ったのです。

日付表示が欲しい

少し話が逸れるのですが、時計選びにおいて大事なお話です。

腕時計界隈では日付表示はたびたび議論になります。

日付表示があると見た目的に美しくないとかそんなんです。ぶっちゃけ私的には見た目的にはどっちでもいいと思ってます。これはこの記事を書いている今でも変わりません。

さて、私はこのときは「日付はぜひとも欲しい」と思っていました。

書類やらなにやらで日付を書く機会が多くあり、私はあまり日付を覚えていませんし、いちいちスマホを出すのも面倒だったからです。

加えて、時計式だと日付を合わせるのが面倒ですが、現在興味のあるクォーツ式ではそれは問題にならないことも理由の1つでした。

「オメガ」とかどうだろう?

理想のグランドセイコーを探しに時計屋に通っていると、当然他の時計も目に映ります。そこでたまたま通ったコーナーで目に入ったものを手に付けてもらいました。それはオメガのDe Villeだったのですが、これがまた何ともカッコいいな、と。

オメガぐらいはさすがの私でも聞いたことがありました。というかオメガとロレックスぐらいしか知りません。

そんなオメガの時計、初めてつけてみるとさすが名のある高級時計だなと。名前も「De Ville」、フランス語で街や都会を指します。とてもクールです。

私が見た時計は30万を超えていましたが、まぁギリギリ買えなくもありません。

どうせ高くて一生ものを買うのだから、ケチっては逆に損です。

という訳で、私はオメガも視野にいれて再び悩むことになりました。

お気づきかもしれませんが、こんな洒落た時計を新卒がオフィスにつけていくのはなかなか勇気がいります。この辺りで会社用という意識は少しずつ薄れていきます。

オメガがあるならロレックスも視野に入るよね

さてさて、グランドセイコーに続いてオメガが気になりましたし、意外に買えそうです。これはデザインでオメガかと思っていたところ、ある考えがよぎりました。

オメガが有りならロレックスはどうなの? と。

私のこの時点の知識で行くとロレックスは時計の王です。調べてみてもそんな感じのことが書いてありました。ロゴマークもクラウンです。

世間一般的にギリギリ知名度がある高級時計と言えばオメガとロレックス。その片方を担う時計です。

これは当然無視する訳にはいきません。という訳で調べました。

軒並みオメガの数倍以上のお値段を誇り、さすがに高級時計がなんたるかを見せつけられます。とくに人気なモデル「デイトナ」は数百万します。これはただのお金持ちからYoutuberや漫画家までつけているのをよく見る時計ですね。ちなみにFF14の吉田Pもつけています。

さすがにこれは買えないなと考えていたところ、ロレックスのエントリーモデル「オイスターパーペチュアル」なら手が出る値段であることが分かりました。

そしてこれがまたカッコいいのです。私は赤色が好きなのですが、このオイパペのレッドグレープと言われるものはとても綺麗で美しく、かつロレックスが腕時計界に影響を与えた三大発明のうち2つが搭載されたアイコン的存在であることにもロマンを感じました。

ロレックスのエントリーモデルと言うとエクスプローラーやエアキングですが、私はどうにもあの針が好きになれなかったので、こちらが欲しいなと思ったのです。

高級時計はオメガやロレックスだけじゃない

正直このころはもうオイパペが欲しくてたまりませんでしたが、さすがにわりと高いので現物を何度も見たり他の選択肢も見てみることにしました。

しかし当たり前ですが、時計ブランドはオメガやロレックスだけではありません。

本格的にいろんなブランドについて調べていくことになります。

最初に気になったのは「IWC」でした。インターナショナルウォッチカンパニーと読みます。時計好きにしか伝わりませんが、逆に時計好きには有名な歴史あるブランドです。ボストン出身の職人がスイスで創業したモダンクラシックなブランドと言えるでしょう。

ムーブメントまで自社製のポルトギーゼはさすがに手を出しにくいですが、ポートフィノダ・ヴィンチなら手を出せます。

シャープでメタリックな外観はいかにも時計というデザインでとてもクールです。

少し脱線しますが、基本的に時計は伝統や職人による技術などが評価される世界なので、すべて自社で作られたという伝統は大きな箔となります。このように自社の一貫製造を「マニュファクチュール」と呼びます。評価されるのは当然箔だけではありません。基本的に時計の外装はムーブメントに合わせて作成されます。それは時計の厚さ・大きさ・針の形(ムーブメントにより針の重量が異なるため)・日付の位置などなどデザインに影響するため、自社でムーブメントを作成することにより、すべてがデザイナーの思い通りに作成できるようになるわけです。

ではそれ以外はというと、外側のケースだけ自社で作成し、中のムーブメントはETAという会社が作ったムーブメントを載せたものがほとんどです。ETAをポン載せ略してETAポンなどと呼ばれます。高級時計では、さらにこのETAムーブメントを自社用にカスタマイズしたものを使用することが多いです。

という感じで違いがあるのですが、私は正直これはあまり気にしません。

自社ムーブメントは複雑怪奇で美しく価値が高いとされていますが、ぶっちゃけ私から見たらETAムーブメントも十二分に美しいです。小さな時計の中に納められ、ゼンマイと歯車だけで時刻や日付を表現する機械が美しくない訳が無いのです。

無論、伝統にロマンは感じるのは同意しますが、ETAは美しくないだのといった時計界隈の論調には同意しかねます。そもそもETAも南スイスの時計工房からなる古き伝統のある職人たちの会社なのですから。

さて、話を戻してIWCの他にも「ノモス」も気になりました。

シンプルで可愛らしいデザインはごつごつした時計の中では異質に映ったのです。

他にも「ジャガー・ルクルト」のレベルソなんかも興味を惹かれました。時計は丸いという概念があり、事実同社のマスター・コントロールなどが気になっていたのですが、四角い時計という古き良き魅力に強く惹かれます。時計を裏返すという実用時計には浪漫を感じます。

しかしながらジャガー・ルクルトは実店舗で見ることが非常に難しく、かなり遠出しないと見ることすらも叶わないので次第に候補から外れていきます。

その他いろいろ見ましたが、ゼニスはどうしても派手すぎますし、タグホイヤーなどは私の腕には大きすぎます。ボールウォッチやパネライ、グラスヒュッテオリジナルなども同様です。

セイコープレザージュという選択肢

すっかり高級時計の魅力に取りつかれていたときでした。

カクテルタイムというセイコープレザージュが擁する時計を広告で見つけて目が引かれました。ちなみに気になったのは限定モデルである「Starlight」と「Sakura Fubuki」の2つです。

セイコープレザージュとは数万程度で買える機械式時計で、セイコーのエントリーモデルです。

かなり最初から高級時計にばかり目を取られていたので、この値段帯は完全に視野外でした。

これだけ美しいなら別に高級時計じゃなくてもいいなと考えるようになり、カクテルタイムのシリーズを購入しました。これが初購入です。

いざ着弾して腕につけてみると、

「でかくない?」

違和感がありました。

プレザージュは40mmで、今の腕時計としては一般的なサイズのはずです。

しかし、でかい。でかいのです。

私の腕はかなり細く、またプレザージュ自体も少々大きく見えるデザインであること、この2つが合わさり、私の腕には大きく見えたのです。

プレザージュ自体はとても美しいデザインですが、残念ながら私の腕には合いません。速攻で売ることになりました。

時計選びが始まって初の大失敗です。なぜ店頭で試さなかったのか。

この時点で時計選びが始まってからそこそこの時間が経っていたこと、今まで考えていた高級時計に比べると大きく安いこと、見ていたカクテルタイムがインスタでは絶賛され、外国人がこぞってつけていたこと(腕が大きい人が多いので似合うのです)、限定品であること、いろいろな要因が合わさり判断力が鈍っていました。

プレザージュは40mmより小さいサイズはありません。

プレザージュは私の選択肢から無くなりました。

「カルティエ」「ブルガリ」宝飾ブランドもアリなのか

さて、プレザージュが失敗したことにより私の心は再び高級路線に戻りました。

そこでまた情報を集めていたところ、カルティエという選択肢が浮上しました。

カルティエと言えば宝飾ブランドです。

しかし、カルティエは世界で初めて腕時計を実用化したブランドでもあり、今日まで数々の名品を作り出している老舗時計メーカーでもあります。

ここまで完全に宝飾ブランドは選択肢から外れていたのですが、それは視野が狭すぎたと考えるようになりました。

カルティエのバロンブルータンクなどどれも個性的です。

特にバロンブルーの丸みを帯びたデザインは可愛らしく、かのジョニー・デップもつけていました。お洒落ですね。

この後、宝飾ブランドの時計も実物を見に行き悩むことになるのですが、以下の理由で却下になりました。

カルティエ、造形は美しいのですが、どうしても文字盤が実物を見ると薄っぺらく、悪く言うと安っぽく感じます。ブルガリ、派手すぎます。派手派手です。

他にもいくつか宝飾系は見ましたが、やはりちょっと派手すぎますね。

長く使い続けることを考えてオーバーホールも視野にいれるとしんどそうだなということで、あくまで宝飾品として見るのがいいかもしれません。少なくとも今の私の用途には合わないなという結論になりました。でもちょっとつけてみたい時計ではありますね。

「knot」とかも良いんじゃない?

どこで見たかは忘れましたが、あるとき「knot」という時計メーカーを知りました。

knot自体はデザインが主でケース等は外注なのですが、セイコーが利用しているところで同じ場所でケースを作成し、ムーブメントもMIYOTAです。

MIYOTAとはシチズンのことで、外注向けに作られているムーブメントです。セイコーと並ぶ時計メーカーで、技術のシチズンですからMIYOTAも当然信頼のおけるムーブメントです。MIYOTAをそのまま乗せるとミヨポン。かわいいですね。

いろんなブランドを見て悩みすぎた結果「別に伝統とか必要なくない? あればもちろん良いけど、別にこだわる必要はないよね」と一周してきました。

という訳で、デザインが気になったので実店舗に見に行くことにします。

knotの売りは実店舗で時計本体とストラップを自由に組み合わせて試着することができ、気に入った組み合わせで、もちろんストラップ単体でも購入できることにあります。ストラップも様々な種類があり栃木レザーや姫路レザーなど質の良いものが揃っています。ストラップだけ購入もありですね。

そして見に行った結果、機械式の「AT-38」の黒に一目惚れしました。

まず見た目がとてもシンプルで、オリジナリティがあります。クォーツ式の方はぶっちゃけノモスなどのバウハウスデザインに似ていてダニウェルウェリントンと大差ないのですが、こっちは社長がずっと出したがっていただけあってこだわりを感じます。

めちゃくちゃ悩んだのですが、買いました。

これは今でもちょいちょい付けていて正解だったと思います。

ですが1つ問題がありました。

knotは革ベルトが主体だったのです。一般的に革は夏は汗の影響でつけられないと言われます。耐水ベルトもありますが、限界はありますし、革ベルトはどのみち使っていると半年ぐらいしかもちません。

メタルブレスも売っていましたが、ベルトと時計の隙間を埋める弓環がなく、見た目がしっかりとした時計の形ゆえに違和感があります。

ミラネーゼベルトもありましたが、こちらは皮膚を挟んで私には合いませんでした。

今は弓環つきメタルブレスが出ているのでこの弱点は克服していますが、このときは無いのでメタルブレスもやはり欲しいなとなったのです。

安めのいい感じの時計を求めて編

knotの件から安めの時計も良いものあるじゃん。伝統とか好きだけどこだわるほどでは無いしってことで視野を広げることにしました。

まず気になったのは「オリエント」です。知る人ぞ知る時計メーカーで、なかなか渋いものがあります。

中でもバンビーノは安い時計としては名作にあたります。問題としては現代では廃盤で現物を見れません。リメイク品が売っていて見に行きましたが、思ったよりは普通というか値段相応だったのと、まぁ分厚くてでかいのでやめました。

高級ラインのオリエントスターは全体的にキラキラしすぎていて私の好みには合いませんでした。

次にセイコーファイブです。セイコーの海外向けラインナップで、とても安く良い品質を誇ります。

セイコーファイブは極端で、安すぎるものは実物を見るとやはり材質がちょっと安っぽく見えます。ちょっと高めのダイバーウォッチなどは質感も良いのですが、デカすぎます。とてもつけられません。

セイコー・メカニカルはかなり良かったです。

弱点としては、実際の店舗にはプレザージュばかり置かれていてメカニカルはネットでしかお目にかかれないことです。

もうすでに同じぐらいの値段の時計は買っていますし、いかに安くてお手頃でちょうどいいといえど、実物を見ずに決めるには少々勇気が必要です。

とはいえ、38mmも存在し、本当に完璧すぎるぐらい"普通"を貫くデザインは会社用の時計としては完成系ではないでしょうか。中でも「SARB033」「SARB035」は究極系です。

私が一番最初に出会っていたらこれを買っていました。問題としては廃盤でAmazon等でしか買えないことでしょうか。リメイク品は40mm以上なので論外です。なぜ大きくしてしまうのか。

時計に悩むならスポーツウォッチで良いんじゃない?

これでも省略してますが、本当にあらゆるブランドを見てきました。

ここでさすがに疲れが生じてきます。

もうここまで悩むならスポーツウォッチが良いんじゃないかと考えました。

実際スポーツウォッチはデザインもシンプルで良いですし、値段も安く、会社でも問題なくつけることができ時計選びから解放してくれます。

という訳で見に行ったのですが、どう考えても様々な機能のうち時計機能しか使いません。時計をつけて寝るのも嫌ですし、基本的に家に引き籠ってるのでこれではただのデジタル時計です。

無論、ただのデジタル時計化しても気軽な時計としては十二分に選択肢として考えられます。なのでこれは一旦候補入り。

安心頑丈の「カシオ」も選択肢に

最初は視野に入れていませんでしたが、「カシオ」も世界的に有名なメーカーですし、十分に時計として選択肢に入るのではないかと考えました。

という訳で見に行きましたが、Gショック系はどれもこれも大きすぎます。

Baby-Gは女性向けですが、小さくて可愛くて有りかもしれません。という訳で見に行きましたが、思いのほか時計部分が分厚くて思ってたのとイメージが違いました。

食わず嫌いしていましたが、海とか宇宙で好きなのでオシアナスも有りかもしれないと思い始めます。

とはいえ通常のオシアナスでは大きすぎます。という訳で三針オシアナスを見に行きました。

配色が思ったよりキラキラしていますがそこは許容範囲内です。ただ針が想像よりペラペラしており、個人的にそれが好きではありませんでした。

アップルウォッチでゴール……できるんじゃない!?

アップル製品を使ってません。おわり。

一周回って高級時計を見ていく

高級時計路線に戻ってきてしまいました。

もうここらへんで諦めムードが漂い始めます。

という訳で、今まで見てきた高級時計ブランドを見ていきましょう。

グランドセイコーは38mmのものも多く良。国内品で対応も良さそうで最有力候補です。ただグランドセイコーは途中でロゴが大きく変わるなどゴタゴタがあったりと心が揺らぐ場面が多かったです。しかし全体的にバランスがよく細かいところまで作り込まれており、今でもグランドセイコーは良いなと思うことは多々あります。ただ実物を見ると分かるんですが、高級時計ってめっちゃくちゃ光ります。

オメガはDe Villを改めて見ると好みでは無くなっていました。こっそり気になっていたレイルマスターは実物を見ると鉄の塊感が凄く、文字盤の凹凸や針の太さ等も全体的にロレックスを見たあとだと好みから外れていました。スピードマスターは被りすぎるのと針があまり好きではありません。スヌーピーモデルはめちゃくちゃ欲しいです。

ロレックスは狙っていたオイパペのスムースベゼルがあまり好きではありません。なんかこう丸っこすぎるんですよね。他の時計はもう相場の2倍以上ばかりで、時計としてより投機的な目的による遊びで使われており残念なことになっていたので選択肢から外れています。デイトナはめっちゃかっこいいと思います。

ロンジンの「マリン・ナショナル」なんかもいいなと思いました。小さいですしかわいいですね。実物を見ることがほぼできないのは無念なポイントでした。

その他高級時計も結局は大きすぎたり店舗が少なすぎるなという不安が拭えません。

海外時計は大きすぎるしオーバーホールが面倒

結局ここに落ち着きました。

機械式の時計って電池はいらないといっても中の部品や油は消耗品なので、数年に一度、どれだけ長くても10年程度でオーバーホールという時計を完全にバラしてのメンテナンスが必要となります。

その場合、大抵の場合で本国に送る訳ですが、そうすると帰ってくるのは数ヶ月から半年ほどかかります。さらにメンテナンス代で10万以上かかります。

最初はそれすらも時計の浪漫であるし別にいいかと思っていたのですが、何度も考えていくうちに冷静になり、こういうのは時計が本当に本当に好きな人がメンテ等を一切気にせずに楽しむためにあるのだろうな、私とは少しばかり世界が違うなとなりはじめます。

というか元々営業でもないただのプログラマーなので高級時計とか会社につけていけるかも怪しく、欲しがりさが暴走気味になっていました。

そしてもう1つ、私の細腕では38mmがぎりぎりしっくりくるぐらいで、40mmでさえ違和感があります。海外時計はどんどん大きくなっているので38mmとかレアもレア、ほぼありません。

という訳で海外時計という選択肢も外れてきました。

というかここまで来ると高級時計自体が面倒になっています。

国内に目を向けてシチズンとかさ

ここで一旦もう一度国内に目を向けてみます。

例えばシチズンとかどうでしょう。

良いですよね。カンパノラ。宇宙はロマンです。ですが大きい……残念外れます。

ザ・シチズン、これは正直アリです。サイズもほどよく性能もよくデザインも正統派で有りだなと思いました。

ですが正統派ならグランドセイコーで良いのではとどうしても考えてしまいます。シチズンはかなり好きなんですけどね……。

では超薄型時計エコドライブワンは、と。たしかにこれも個性的で、紙のような薄さというのは付け心地も良さそうで魅力的です。

実際に付けてみるとなんかこう、違います。しっくりきません。

駄目です。時計選びの旅路は終わりそうにありません……。

悩みすぎてとうとうどんづまりです。何が良いか分からなくなりました。

いつの間にか在宅勤務が中心となり時計の出番が減っていた

時計選びに悩みすぎました。

いつのまにか時代は進み、私も会社に慣れ、社会情勢もあって在宅勤務が中心となりました。

そのことで時計の必要性がガクっと落ちました。

とはいえ、時計は数少ない大人がいつでもつけることを許されるアクセサリーです。

せっかくなのでゆっくりと時計選びは続けようと考えるようになりました。

ブランドへのこだわりも減っていく

餅は餅屋。時計は時計屋。

そういうこだわりがありました。

knotを手にした時点でそういうこだわりは大分減っていましたが、それでもやはり雑貨系の時計は抵抗感がありました。

ただここに来てもう年中つけられてある程度オシャレなら何でもいいかなレベルの情熱にまで落ちついています。

なので今までなら見向きもしなかった「スカーゲン」なども見ていきます。

ちょっとピンと来ましたが、残念ながらどうしても欲しいとまでは行かなかったのでこれも見送りになります。

私は衣服類はこれってくるものしか買わないので時計も例外ではありません。

旅の終わり。最終地点「VAGUE」のアンティーク風ウォッチ

チープカシオも可愛くて使いやすいよねなどとほどよく壊れていたころ(持ってます)……。

私がよく服装を参考にしていた人が普段使いに使える時計を紹介していました。

それが「VAGUE WATCH」だったのです。

その時計はとても小さく、さりげなく手首を着飾っていました。

アクセサリーのようでいて無骨でもあり、しっかりとした時計であるそれに私は一気に興味を持ちました。

紹介されていたのは「BB EX1」というロレックスのエクスプローラーそっくりのモデルでしたが、私は「Vabble」が気に入りました。

VAGUE WATCHはアンティーク風時計を作成している国内メーカーです。時計屋というよりはデザイン屋なので、中のムーブメントは外注です。ムーブメント名は記載されていませんが、日本製ムーブメントとあるので恐らくMIYOTAでしょう。MIYOポンです。かわいいですね。

デザインはぶっちゃけロレックスなどが初期に発売していたモデルのオマージュなんですが、注目すべきはそのサイズです。

なんと32mmしかありません。それでいて50m防水もあります。

ブレスにもこだわりがあり、時計によってはゴムのようにつけ外しが自在なエクステンションベルトを完全再現していたりとこだわりが見えます。

時計の世界って大手同士でさえオマージュ製品だらけだったり復刻だらけなのですが、大抵の場合、サイズを今風にしたりコストカットでベルトや針が既存のやつの使いまわしだったりで残念なことになってるものが多いんですよね。

その点で行くと、このサイズでそのまま出してきたVAGUE WATCHは一周回ってオンリーワンです。

他のメーカーとコラボした別注はさすがにオマージュ元とそっくりすぎるものもありますが、Vabbleは良い感じにオリジナリティもあって悪くありません。

ギリギリ会社でもつけられそうですし、一年中普段使いもできるステンレスベルト、理想通りでした。

という訳で、私の長い長い腕時計探しの旅路は終わりを迎えたのです。

ちなみに同社では「Coussin」もとても人気があります。ベルトがゴムのように伸びるのでつけ外しも楽々です。

オマケ。新卒向け無難オブ無難時計

セイコー・メカニカルの「SARB033」「SARB035」です。

惜しむらくは両方とも廃盤になりAmazon等でしか買えない事ですが、サイズも38mmで質感もよく、誰もが知っているセイコーなので新卒にはぴったりだと思います。私が最初に出会っていればここでゴールでした。

ストラップを革にして楽しんだりもできますね。

オマケ。日付表示はどうなったの?

選んだ時計がクォーツ式か、在宅勤務じゃないか、毎日時計をつけているなら欲しかったです。

ぶっちゃけ機械式だと数日つけていなくて時計が止まった時、時間だけならまだしも日付もとなると面倒です。

今やファッション用につけてるレベルになってるので要らないなって判断ですね。

社会人には日付表示はとても便利だと思うので、毎日つけてる人にはおすすめです。


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