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自著の表紙をデザイン本を読みながらリデザインする。



GWあたりに本を出しました。
「ワインリテラシーとテイスティング入門」

友人の中にはリテラシーとか言われると買いにくいなんて言葉があって、少し驚きました。

どちらかというとリテラシーっていうのは難しそうな単語なんですね。
個人的には初手で学ぶのによさそうな単語を選んだつもりだったのですが残念です。

それはそうとこのときの本の表紙は私が作りました。

少しぐらいはどうしようかなと考えたものの、特に考えるべきことも、考えた末どうしたらいいのかもわからない状態だったので、結局フィーリングで大部分を作ったことになります。

その表紙がこちら。

これ自体は個人的には気に入っていて、別に取り立てて変えたいというわけではないのですが、とりあえずデザイン関係の本を読んでなにかアウトプットしたかったのでこいつをいじっていきます。

ちなみに私はデザイナーでもなんでもないので、使うソフトはPPTです。

まず構成部分から。

この本のコアの部分を取り出すと、ワインは怖くないよっていう話です。

だとすればこの表紙の赤ワインどーんっていうのはどうなんでしょう。

たしかに傾ける、こぼれかけているといった方向性で遊びや軽さは示せていないこともないのかもしれませんが、如何せん背景の色も込みでワイン色が強すぎます。

こういう軽いよっていうタッチの本であれば
「図解ワイン一年生」とか「ワインは楽しい!」とかの表紙の方が圧倒的に軽やかで親しみやすい気がします。

逆に私の本は「ワインの基礎知識」の本のような堅さが全体からもフォントなどからも感じられます。ただこの「ワインの基礎知識」という本の方が圧倒的に専門書感はありますね。シックな黒の背景に高級感を感じる赤の配色です。

こういう方法もありますね。dancyuの「新しいワインの教科書」。

ワインという部分から小学校を想起させる印象。それによってフレッシュな気持ちで学びを促すイメージでしょうか。これならワインについてあまり知らない人でもとっつきやすいような気がします。

内容やKindle本であるということも考慮すると

比較的シンプルであること。(図解ワイン一年生のようなキャッチーな表紙では中身とのギャップがありすぎる)
視認性を保ちつつ、もっと遊びを持たせること。
文字が縦書きなので、シームレスさが欲しいので右から左、縦書きに文字をなるべく配置する。
その上で遊びの部分に横配置を用いる。

といったことが骨組みになるかもしれません。


しかし、そうこう考えていたのですが、そもそもターゲットに選んでもらうにはその層に訴求できるメッセージがまず必要な気がしました。

であれば「イケてる大人になるための」とか「レストランでもう迷わない」とかそういったターゲットに「あ、」と思わせる何かがあるといいのかもしれません。

「イケてる大人になるための」という文言であれば全体のスタイリッシュさやシンプルさというのも活きてくる気がします。


一方でレストランでという流れならおしゃれなレストランを思わせる配色(少し暗めで暖色系の明かりや夜景を想起させるような青や光)なんかがいいのでしょうか。

せっかくなので大きく変えるためにレストラン案を採用してみます(恐らくこの案で本を通す場合は中身の方も改訂が必要な気がします)。

レストラン案であれば重要なことは

遊びよりも落ち着いた雰囲気。
グラスであれば2脚あるといいかもしれない。
デートを想定するならスパークリング?
イメージ配色は少し固めでクール寄り、シック辺りでしょうか。グレーや少しくすんだ青、あとは暖色系も少し混ぜて夜の灯りのイメージとリンクさせる。

といったところです。

そしてとりあえずできたのがこちら。

背景全体に夜景のぼかしたモノ、色温度を少し上げ目で、ウオッシュアウトという技法で全体的に色を灰色基調にしています。

全体の色をもっと暗くして上の図のダンディやモダンの方に寄せてもよかったのですが、親しみやすさやレストランでのイメージをより具体化したときに、その方法は適さないと判断したので却下しました。

書体に関しても比較的線の細いもので、ゴシックより流れる字体が流れる印象を持つ明朝体に。

そして線の細いMSP明朝と游明朝のLightでは游明朝の方が字間の感覚が大きく余裕のある大人な印象が持てたので游明朝のLightに設定。

字体や色を擬人化してイメージすると言うのも、読んでいる本に書いてありました。


ここまでで大まかな構成と雰囲気については決まってきました。

あとはどこにレストランの文言を入れるか、左側のスペースにどういったものを配置するか、あるいはしないかということが争点になってきます。

「レストランでもう迷わない」という文言と前回使ったフリーの画像素材を足してみました。

上の画像ではかなり落ち着いた小説のような雰囲気が出ていましたが、下の画像になると一気にワイン感が増しました。
それでも前回の両サイドに赤の挿し色がある場合よりは遥かにやさしい雰囲気になったように思います。

一方で、このワインの部分がかなり彩度の違いなのか浮いて見えて、少し合わない印象を受けます。

ちなみに今回はタイトル文字のサイズも54から44に、「レストラン…」の部分は字は24と小さめですが、信頼と力強さをイメージしてゴシック体を用いて仕上げています。

この赤ワインの部分を何とかしてシャンパン辺りに変えることができないか模索して見ます。

しかしシャンパンであれば一脚だと「ワイン」を代表するには寂しいですし、レストランを想起させるにも少し疑問が残ります。

そのためシャンパンであれば2脚グラスをうまく配置する必要があると思います。

これでどうでしょうか。

ペア感、レストラン感が少し出た気がします。

20代前半の男性がワインをスマートに決めたいとか思って手に取るのはどちらかというと上の赤ワインどーんよりこっちな気がします。

下のグレーの部分はテーブルのイメージですね。


実際にはグレーの四角の箱を配置しただけなんですけど、陰とかグラデーションとかでテーブル感を出すと同時にクール、シックな感じを演出しています。

また位置的には帯のようなイメージにもなります。

しかし、グレーを入れたことで全体的に暖かさが減ったので、背景の色温度を再度少し上げてみました。そして少しぼかしもゆるめに。


これぐらいぼかしをゆるめて温度を上げるとさらに夜景感も出る気がします。

最後に間違い探しです。何をしたでしょう。

わかりやすいですかね。

こっちのほうが視認性がいいんじゃないかなーということで最後に1つ変更しておきました。

これが前回作ったものより優れているのかどうかっていうのは素人目の私にはなかなか判断できないですけど、とりあえずこれだけフォントと字のサイズと文字間の距離と配色とって気にしたことはなかったので楽しかったですね。

本当はもっと大きく構成の部分から色々とできることはあったんだと思うんですけど、とりあえずはこんなもんです。

ただ神は細部に宿るっていうのはあるのかもしれないなぁなんて思いました。

こういうのをもっとやっていきたい!笑

私、デザインとか芸術的な「センス」はからっきしなんですけど、デザインもある程度までは「センス」じゃないと思ってるので、今後も遊びながら学んでいきたいですね。


noteにはデザインやアートといった方向性の専門の方も多くいらっしゃると思うので、もしよろしければコメント等頂けると幸いです。


追記
友人がこれを見て試しに作ってみたよと連絡をくれました。


たしかに。って思うようないい感じのゆるさと入門書っぽいフラットなフォントが好印象です。
ただもしかしたら教科書的なイメージを抱かせるかもしれないという印象も受けますね。
ただ全体のワインの崩し具合と、敢えてクールに決めない感じが中身とは良い相性な気がしました。


これからもワインに関する記事をuploadしていきます! 面白かったよという方はぜひサポートしていただけると励みになりますのでよろしくお願いします。