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年パの"9万円"から学ぶ体験価値。〜ディズニーシーでノマドワーカーごっこするのはやめよう〜

こんにちは、いわしです。

去る2019年2月9日(土)、1つの歴史が幕を閉じました。
そうです、私の「2パーク年間パスポート」(以下年パス)が効力を失ったのです。思えば1年前、様々な葛藤の末にようやく購入した人生初の年パス、色々な思い出が詰まったこのカードにもすっかり愛着がわきました。

このノートではディズニーが特別好きなわけでもない25歳(当時)男性の私が

なぜ年パスを購入したのか?(40%)
この1年間、生活がどう変わったのか?(10%)
年パの"9万円"ってなんの価値?(50%)

といったお話をします。
(%表記は記事の重さとなります。)

ーなぜ年パスを購入したのか?ー

理由は以下の3つです。
・女の子とデートしたかったから
・オカマに背中を押されたから
・TDR(東京ディズニーリゾート)まで20分かからないところに住んでいたから

1つずつ説明します。
まず第一の理由

ーー女の子とデートしたかったから

ですが、これは私が「出会い厨」(だった)ということに関係しています。
TinderやYYCをはじめとするマッチングアプリはコミュ力と顔面偏差値が必要となるので全くと言っていいほど誰も私に食いつきませんがTwitter ではツイートが少し面白く、たまに載せる自撮りの写真も雰囲気さえ良ければ女性の方から食いついて頂くことがちょいちょいあったのです。
そうなれば当然、私も男ですから「じゃあ会おう!?!?デートしよ!?」となるわけです。そのデートの場所として挙げられる選択肢の1つがそう、「東京ディズニーランド(以下TDL)」もしくは「東京ディズニーシー(以下TDS)」ですね。特に私のTLではディズニー好きの女性が多く見受けられたので「初デートにディズニーに誘う」というタブーを犯してでもTDRに誘う価値はありましたし、別に恋人同士じゃないから初デートでディズニーでも楽しめるかといった安直な考えがありました。

しかし、この「ディズニー誘って愉快な家族計画作戦」には一つの大きな欠点がありました。

それは「コストの高さ」です。

TDL/TDSのチケット代は2019年2月10日現在、1日のみ使える1デーパスポートが7,400円と決して安くない値段ですし、年々その額を上げています。
そんな状況下でこの作戦を繰り返そうものなら、たちまち私の口座がすっからかんになることは目に見えていました。そこで私が考えだした天才的で悪魔的な打開策が「年パスを買う」という事だったのです。年パスを持つモノになれば女の子をディズニーデートに誘い放題。これは強い。勝てる。

そう思っていた時期が私にもありましたが、ここにもやはり回避できないとてもとても大きな壁があったのです。

それが当時の93,000円という値段設定です。

この額は25歳一般サラリーマンの私にとってはとても大きい額です。ひとつき分の家賃よりたけーんだもの。
根は真面目な私ですから、貯金はしていましたし買えない額でもないのが正直なところですが「女の子をデートに誘うためだけにこんな大金をはたけるのか???」と自問自答の日々でした。

ーーオカマに背中を押された

そんな僕を後押ししてくれたのがみゆきさん(本名まさる)の存在でした。

少し話がそれますが、私は学生時代、大学の近くにあるオカマバーに足繁く通っていた時期があり、そこでいつも相手をしてくれていた人が、みゆきさん(本名まさる)というママでした。
ある日みゆきさんは私に言ったのです

「人生1度きりよ〜!やりたいことやったもん勝ちよぉ〜!」

と。

言われた時にはまさるさんが繰り出すIKKOのモノマネのクオリティの高さにゲラゲラと笑っていたのみでしたが次の日以降、なにか迷ったことがあると決まってまさるが脳内に現れ「やりたいことやったもん勝ちよぉ〜!」と後押ししてくれたのです。

それからの私は迷ったことがあったらとにかくなんでも飛び込んでみよう、いってみよう、やってみよう精神で学生時代を駆け抜け、就活も納得のいく終わり方を迎えることができたのでした。
(後にまさるはIKKOのモノマネをしていたわけではなく素の喋り方なのだということが判明した。)

そして社会人になり、オカマバーにも行かなくなった私はまさるの存在や、なんでもやってみよう精神をすっかり忘れかけていましたが年パス購入を悩んでいた時期に都合よく思い出したので「そうだ...迷っていたらとりあえず飛び込んでみりゃいい...まさる言ってたよな...私の精子はもう卵子に飛び込めないけどあなたは違うでしょ?って...人生の中で1年くらい年パス持ってる期間があってもええやんけ!」と年パス購入を決めたのでした。家から舞浜駅まで20分かからん距離だったし交通費200円とかやったし。


さて、ここまでが私の「年パスを買うに至った経緯」だったわけですがどうですか、みなさん、疲れてないですか?今後もこんな調子なので覚悟を持って読んでくださいね。

ーこの1年間、生活がどう変わったのか?ー

結論から言うとそんなに変わりませんでした。
当初鼻息を荒くしていたデート作戦のチャンスなんて2ヶ月に1回あるかないかでしたし、元々Dオタでもない私はパレードや季節イベントの消化のために週に何回もインパ(パークに入園する事の通称)するといったような使い方はしていなかったからです。
それでも年パスを持っていることの恩恵を感じることができました。

例えば「僕は年パスをもっているからいつでもディズニーに来れるんだ」という心の安寧。
これは年パス購入者の大多数の方が言われることですね。べつにデートチャンスなんてなくても「あぁ〜予定空いたなぁ〜暇だなぁ〜」と思ったらカメラだけ持ってフラっとディズニーに散歩に行けることはとても魅力ですしこの1年でインパした理由の8割はこれでした。
余談ですが私は一度、「スタバでMac広げてドヤとかレベル低いわ、俺のオフィスは今やディズニーシーだぜ」と息巻いてモーニングインパを決め込み、ニューヨーク・デリでMBPを広げノマドごっこをしたことがあります。しかしこれは失敗でした。コンセントもねえし飲み物たけえし周囲にはカップルやファミリーばっかで集中できねえしで仕事になりません。あとディズニーシーでパソコン広げてる意味がわかりません。スタバの方が10,000倍環境は良いのでディズニーでノマドごっこをしようとしている人がいたらそんなバカなことはやめろと言いたいです。ぼくが年パを持っている間に、唯一失敗から学んだ事といえばこのエピソードでしょう。

話が逸れました、年パスの恩恵の話でしたね。
そうですね、生活が変わったレベルの恩恵はぶっちゃけもう無いのですが話のネタが増えたのも良いことでした。
私は人に「面白い話ないの?」と聞く割りに自分から面白い話するのは大の苦手です。そんな私ですから、「そういえばディズニーの年パス買ったんですよぉ〜」という下りで5分少々潰せるのは大きいです。どれくらい大きいかというと沢尻エリカが記者会見時に見せる態度くらい大きい。

さて、上述した2つの理由だけで「年パス」の魅力は感じられないと思いますし、お伝えできたとも思っていません。もし年パス購入を迷っている方が読んでいるとしたら「そんな心の安寧と話のネタ作りに9万はちょっと、、、」とゲンナリさせたかもしれません。でもちょっと待ってください。それでも私は年パス購入を迷っている方に「ぜひ買うべきだ」と言いたいのです。

ー年パの"9万円"ってなんの価値?ー

上述した通り、私は「年パスの購入を迷っている人がいたらぜひ買うべき」と思っています。

ちなみにガチDオタで年間9万円以上をチケット代に使っている方は誰がどう見ても年パス買った方がお得なので今回の話の対象外になります、さっさと年パス買いましょう。
ここで対象となるのは「ディズニーが好きで半年に2~3度は行く。できれば年パス欲しいと思ってるけれど元取れるかもわからない。でも持ってたら行っちゃうかも。っていうか金が無尽蔵にあるなら迷わず買うのに。」という方、つまり「購入を迷っている一番の理由は金額だ」という方へ向けたお話になります。

2019年2月時点では2パーク年間パスポートは89,000円という値段設定になっており、おいそれと手を出せる金額でないことは確かです。私みたいな突き抜けた考え方でこの値段を出せる人はそうそういないでしょう。

ただここでポイントとなるのは「お金が無尽蔵にあったら迷わず買うのに」という点です。

こう考えられる人は既に年パスに対して「確実にこいつは私を幸せにしてくれる」ということを認識している方です。もしあなたが億万長者でも私が鼻水かんだ後のティッシュ、89,000円ですと言われても買わないでしょう?それはあなたに1mmの得もない取引ですしなんなら変なウィルスが感染るかもしれないからです。つまり「金額の問題」の本質的な問題は「値段の高さ」ではなく「自分が実のところ何を購入したいと思っているのか」をわかっていないところにあります。例えばみなさんがお使いのスマートフォン、安い物であれば5万〜7万ですが最近は8万〜9万円のモデルも増え、それらのハイスペックモデルを使用している方も多いと思います。スマホには9万円払えて年パスには9万払えない理由、それはあなたにとって「スマホは無いと社会的に生きてけない、年パスはなくても生きてけいる」物だからです。さらに言うと「スマホは確実に9万円分の価値を発揮していると思うし元は取れてると思う、でも年パスって”物”じゃないし9万円の価値がどうしても見出せない…」と考えてはいませんか?そりゃあそうですよ、だってあなたまだ年パス買ってないもの。買ってない人に9万円の体験価値がわかるわけないじゃないですか。とか言ったら「そんな元も子もない〜><」とお返しされそうなので優しく言いますと、「人はそもそも目に見える物に対してはお金を払うが不可視なものには出し渋る」という傾向があるので皆さんがそう思ってしまうのは仕方のないことなんです。これは今私が考えた説ですから、「そんな心理学ねえよ」とか言われても困ります。だから今から私が「年パスを買う」という行為は何に9万円を払っているのかということを独断と偏見の値段を添えて列挙します。これを読めば年パスの9万円に納得がいくことでしょう。それではどうぞ↓

・インパ時の焦り、疲れ軽減効果:20,000円
→今までは一回ごとに7,400円払ってのインパだったのでなんとか元を取ろうとあっちへ駆け回りこっちへ駆け回りファストパスのスケジューリングも完璧にこなしランチ、ディナーのタイムマネジメントもしっかりし、お土産コーナーもばっちり回って退場、24時ごろ帰宅した途端疲れがマッハだったと思いますが、年パスを買えば「いつでも」来れるようになるため1回に詰め込む量は圧倒的に下がり、余裕を持ってディズニーを楽しむことができます。これには2万円くらいの価値があると思います。この値段の設定には根拠がありまして、同業他社のUSJでは”入場料とは別”にアトラクションの待ち時間を短縮できるエクスプレスパスなるものを1アトラクションあたり2,500円〜3,000円に設定し人気アトラクションとイマイチアトラクションをセットにして5千円〜1万円で販売しています。つまり、今の日本の大型テーマパーク市場において時間と余裕を買うということはそれほどの対価が必要というわけです。それを1年間継続させてくれるわけですから、一番高額なエクスプレスパスの2倍の値段をつけてもバチは当たらないでしょうという理論です。

・1日で2パーク回れる特権:15,000円
→これは強いです。1デーパスや単体年パスでは追加で1パーク分の値段を払わなければ隣のパークには入場できませんでしたが共通年パなら追加料金無しでできちゃうんです。昼間にランドでわいきゃいして夜だけシーのゴンドラ乗りに行くコース、最強ですし上級国民になった感を手軽に得られます。ちなみに年パスを持っていなければ1日に2パーク回るという行為には14,800円かかるわけですから、元を取ることを最優先とする効率厨のみなさんは1回舞浜に訪れたら2パークに入場するというルーティーンを繰り返せばなんと最短7日間で元を取れてしまいます。これは15,000円くらいの特権としておきましょう。年に2回くらいは2パークに入場するだろう理論です。

・年パスを買うか買うまいか迷う時間とエネルギーの抹消:15,000円
→今まで悶々と「ほしいな〜〜でもな〜たかいしな〜〜いくかどうかもわからんしな〜〜う〜〜んでももってたらいくかもな〜〜う〜ん」と悩んでいた時間を丸ごと抹消できます。正直、悩むことが嫌いな私にとってはこれだけでも大きな価値と言えることでした。悩みは消せるしむしろ楽しい時間が増えるという素敵な特権です。なのでこれには15,000円つけちゃいましょう。年パス欲しいなぁ〜と思いながら2回インパ(14,800円)するくらいならこの部分に15,000円払おう理論です。

・休日を幸せにするカードの追加:3,000円
→「たまたま予定空いちゃったな」なんて日に、今までは「ディズニー行くか」なんて選択肢はありませんでしたが年パスを持つとそのカードを増やすことができます。これには3千円くらいの価値があると思います。……あるとします!

・話のネタ、SNS映え効果:プライスレス
→あ〜話題もう無いわ〜〜といったときや趣味を聞かれた際に「そういえばこの前年パス買って〜^ー^」と切り出せる特権や、SNSへの投稿ネタ増加、いいね増加効果がおまけでついてきます。(あまり高頻度にテーマパークの写真を投稿すると嫌がられるらしいので気をつけてください。)

さて、ここまで挙げてきたもので合計金額を出すと「53,000円」となります。
おや、89,000円に遠く及ばないじゃないかと怒り心頭な方もいらっしゃると思いますが安心してください。
残りの36,000円はTDRを経営するオリエンタルランド株式会社の「儲け」です。

どういう事か説明させていただくために、すこし数字のお話をします。
97年以降、TDRに訪れるお客さんが消費する額のうち、チケット収入は4割程度で、飲食とお土産の売り上げが6割を占めるといった報告が出されています。
つまりチケット代金で4割の収入があればオリエンタルランドは私たちに夢を提供し続けられるわけです。
販売価格89,000円の4割と言えば35,600円なので、私が提示した36,000円はなかなかいい線をいっているという事です。……そういうことにしてください。

さて、以上が私の提唱する年パス9万円の価値です。
おそらくこの価値を年パス購入前の私が見ても「え〜ほんとかなぁ〜信憑性ないなぁ〜」と思ったはずです。これは上述した通り、年パスで受けられる恩恵は実際に飛び込んでみないとわからない”体験価値”なのでもうしょうがないです。(匙投げ)
私がこじつけのように設定した9万円の価値に少しでも心揺れた方はぜひ年パスを購入し素敵なディズニーリゾートライフをエンジョイしてみてください。そして1年経った後、あなたなりの9万円の価値を考えてみてください。確実に価値はあったなと思えるはずですし私とは全然違う視点から9万円、もしくはそれ以上価値を感じるかもしれません。感じれなかったら私と一回インパしましょう。ディズニーの本当の楽しみ方ってやつを教えてやる^ー^

ーおまけー

まさるには無許可で名前使ってるので絶対チクらないでください。