見出し画像

沢村賞について

今日はNPB/MLBともに試合がないので、先日発表された沢村賞について、書いていこうと思います。

既にご存知の通り、今年の沢村賞は下馬評通りオリックスの山本が2年連続の受賞となりました。
複数回受賞は15人目となり、現役では田中/菅野に次ぐ、大記録となった。
今年の山本の個人成績はこちらも昨年に続く投手4冠を達成。
2年連続での投手4冠は史上初だった。

この成績では、対抗馬を考えるだけ無駄というものですが、それでも仮に沢村賞が投票制だったとして、2位以降に入りそうな選手を考察してみる。

まず、同一リーグ内では千賀が上がるだろう。
防御率で2位、勝利数で3位、奪三振で3位とタイトル項目でいずれも3位以内につける好成績だったが、コロナや怪我の影響でイニング数が伸びなかったのが痛かった。
個人タイトルはそれなりに受賞している千賀だが、意外にも沢村賞は未受賞。
同時期に菅野や山本がいたのが、不運だったか。
今オフのMLB移籍が確実視されているだけに、沢村賞の受賞は今後は考えにくいだろう。

次は西武の髙橋。
防御率と奪三振で4位、勝利数と投球回は2位と、いずれの項目でもハイパフォーマンスをあげた。
今年の活躍をきっかけに更なる好成績を残し、将来的な沢村賞受賞を期待したい。

セリーグからは青柳と戸郷を挙げたい。
青柳は最優秀防御率、最多勝、最高勝率の3冠に輝き、タイトルの面ではセリーグ内で最も沢村賞に近い投手だった。
シーズン序盤の好調を終盤まで維持できていれば、受賞も十分に可能性があっただけに、非常に悔やまれる。

戸郷は防御率5位、勝利数と投球回2位、奪三振1位とこちらもハイレベルな結果を残した。
髙橋と同じように、まだまだこれからの選手なので、将来的な受賞を期待したいと思う。

山本以外の投手を挙げてみたが、やはり今年も山本が頭抜けた成績だったことを改めて実感した。
正直来年に関しても、山本の対抗馬となるような選手はパッとほ思いつかない状況だ。
(佐々木がフルシーズン投げるのであれば、恐らく1番の対抗になるだろう。)
来年も昨年/今年並みのパフォーマンスを残して、史上最多タイの3回目の受賞、金田以来となる3年連続受賞のダブル達成を期待したい。

成績や来年の展望に関しては以上だか、沢村賞に関して、1点気になる話題がある。
選考委員の面々が述べた、登板や完投する投手が少なくなっていることが残念、という旨の発言だ。

確かに、その年最も優れた投手に贈られるMLBのサイ・ヤング賞とは異なり、沢村賞は最も優れた先発完投型投手に贈られる賞であるので、この発言は理に適っている。
ただ一方で、野球自体のレベルアップや怪我に対する意識の高まり、投手分業制の確立など、沢村賞が制定された時と投手を取り巻く環境は様変わりしている。
中4日、100球、5人ローテを基本としていたMLBでも、故障のリスクを考え、ローテ人数を増やす/より厳密な球数管理/リリーフ陣の大量投入などで、200イニングを越える投手の数が減少している。
MLB/NPBで主流となりつつあるこの流れは、当分変わることなく、沢村賞争いのボーダーラインは今年の山本の成績あたりになるだろう。
一昔前の斎藤や上原といった、200イニングと20勝といった大エースの登場を期待したい面もあるが、1年高出力で投げることで、結果怪我等で現役期間が短くなることも避けて欲しい。
長く太く活躍する真のエースの登場が待たれる。


今日はここまで。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?