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掌編:花型チョコレート

約4000字の創作ストーリーです。

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職業安定所で食物記憶再現調理(株)の求人票を見たとき、一瞬でそれに応募することを決めた。さらにいうなら、ぼくはすでに選ばれているという確信があった。カフェのオーナーや仲間たちには申し訳なく思ったけれど、彼らはぼくの小さな心配をよそに、みんな笑顔で送り出してくれた。ぼくの後任もすぐに決まった。ぴちぴちの川魚みたいに元気で愉快な奴だった。都会では、みんなが椅子を奪い合っているなんていうけれど、実は譲り合っているのだとぼくは思う。

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