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陰陽五行の話6 四桃花のパワーとは

方位の四桃花

前回少し述べた、四正方位(しせいほうい)について解説します。
四正方位という言葉からして、馴染みが無いと思いますが、要するに、東西南北のことです。

方位を区切る時、30度・60度の方法の場合は、30度の範囲が四正方位ですが、四正方位の更にその中心線を、正中線と言います。

東西南北=四正方位

ちなみに、東西南北以外の方位、つまり北東とか南東は「四隅方位」(しぐうほうい)と言います。

方位の話をする時には、四正方位ですが、十二支全般の性質と結びつけての話をする時には、四正、又は四桃花と言います。

なぜ、こういう特別な呼び方をするのか?それは、四正方位が、特に強い性質を持っているからです。

前回、月の十二支のことを述べて、それを春夏秋冬の四季に分類しました。
そして、春夏秋冬の中でも、卯・午・酉・子がその季節の盛りであり、特にその性質が強いのだ、ということを述べました。

命式の四桃花

四桃花の性質は、人間の先天命式にも当てはまります。
運勢というのは、もともと持って生まれた先天運と、年々歳々変化する後天運に分類できます。そのどちらも、十干と十二支で読み解くことが出来ます。

そして、運勢の見方の単位が大きくなるほど、十干よりも十二支の要素が重要になります。
年運よりも大運(10年ごと)、大運よりも接木運(30年ごと)という、大きなスケールになるほど、十二支の要素が強くなります。

ちなみに、この10年ごと、30年ごとの区切りのスタート地点は、個人によって違いますので、自己流で出さないようにして下さい。

これは、人間の運命というのは、とりもなおさず、四季の推移と、それが当人に及ぼす影響を見ることだからです。
十干が「天干」というように頭脳とするなら、十二支というのは、「地支」つまり身体を司るからです。

頭脳も大切だけれど、それが現実面でどのように働くかを見る、地支のほうが、体感的には、より分かり易いということでしょうか。

その地支の中で、最も力が強く性質が顕著なのが、四桃花というわけです。

「桃の花」って、中国の古典にはよく出てきますね。
桃の花には、何か特別な意味でもあるのでしょうか。
桃の花は女性を意味しますが、沢山の実をつけるので、多産の象徴とされたり、日本でも邪気を払う魔除けの力を持つものともされているようです。

個人的には、桃の実はほんのりピンクで、実が丸く割れている様から、お尻を連想してしまったり、細かい産毛が生えているので、何となくエロチックな連想をしやすいですが(笑)。

さて、どういう性質が強いのかというと、ズバリ「色情」です。女性向けの小奇麗な雑誌に書いてあるような、異性運とか恋愛運とはかなり趣が異なります。

ずばり、セックス、色ごと、それも少し危ないレベルの色ごとです。ですから、命式に四桃花が沢山ついていると、モテてよかったね、とはなりません。
別名を「桃花殺」とも言いますから、あまり良い印象を受けません。

人相学のほうで「桃花眼」なんてのもありますが、これも誉め言葉ではありません。
むしろ、「色情因縁、色難」みたいな意味に近いので、基準を設けずに、聞きかじりで無暗に使用しないほうが良いでしょう。

四桃花を持っているからと言って、それが良い方に働くか、桃花殺なる色情因縁として作用するかは、命式全体を見なくてはなりません。
しかし、四柱の地支の全部が「卯・午・酉・子」で占められていたら、その方はかなり、異性関係には注意したほうが良いでしょう。

もし、そういう命式を持った方があれば、「異性関係には注意したほうがいいですよ。同時期に複数の異性と関係持ったりすると、揉め事の原因になりますからね」と言うと、だいたい当たります。

そんな同時進行したら、揉める原因になるのは、まあ当たり前と言えば当たり前ですが、少々、人としての誠実さには疑問符がついてしまいますよね。

何も、多くの異性と付き合うのは良くない、ということではなく、揉めるか揉めないかは、その人の人間的な器量で決まります。

戦後の名宰相として強い指導力を発揮した吉田茂なんて、お妾さんを4人持っていることを追及されたものの、「バカヤロー、4人じゃない、6人だ」とやり返したそうです。(又聞きなので真偽のほどは?)
まあ、吉田茂ならさもありなん、という逸話なので、ここまで来ると、もう正妻とか愛人とか、揉める揉めないのレベルではありませんね。

つまり、四桃花が多すぎると、その人の中で、色ごとに振り回される度合いが大きすぎる、ということではないでしょうか。
別に、オトコ好きでもオンナ好きでも、全く構わないのですが、必ず異性関係で揉める人と、異性交際多いのに全く揉めない人とありますよね。

揉めない人は、あんまり同時進行したり、あの人とこの人を比較検討したり、そういう計算高いことはしないと思います。相手に失礼ですよね。
結果的に、計算づくで動く人よりも、誠実な人のほうが、本当に幸福になれると思います。

このように、四桃花がご利益になるか、災難になるのか?それは当人次第です。
しかし、先天命式でも、引っ越しや旅行の方位でも、四正の十二支は使い方が難しいので、無暗に年月日重ねて使ったりしないことです。

これは水火殺にもつながる内容で、なかなか奥深い話題ですが、今回は四桃花の意味するところのお話でした。

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