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OrgofA舞台「Same Time,Next Year-来年の今日もまた-」 稽古場レポート⑤ 1/22(月)

OrgofA「Same Time,Next Year-来年の今日もまた-」
公式サイト→
https://dtagmd.wixsite.com/orgofa/stage-20240203-sametimenextyear

OrgofA 公演
「Same Time,Next Year-来年の今日もまた-」 稽古場レポート1/22(月)

本庄一登 × 小野寺愛美

稽古場に到着すると一幕一場の稽古が始まっていた。

一場が終わり、転換の音楽がかかる。

増澤「いったん休憩しよう」

稽古の合間に脚本を確認するドリス役・小野寺愛美

愛美「ぜんぜんダメだったね。ぜんぜん噛み合わなかった。感じなかった?」
本庄「感じた。引き止めれる気しなかった」
愛美「うん、全然帰れた さよなら〜って」

ジョージ役・本庄一登

増澤「新鮮さが失われてるかもしれない」

年が明け、稽古が始まって4週目に入った。
稽古回数自体はそれほど多くないが、密度の濃い稽古をしてきた証拠だろう。

増澤「間がデフォルトになってきている」
  「そのセリフ食っちゃおう」
  「その言葉を受けてヨイショってするのがモッサリしてしまう」

テンポの確認。
一つ一つ大切にやろうとする二人。故にテンポが落ちてしまうのが課題。
増澤さんがジョージを演じる。愛美演ずるドリスのテンポが一気に上がる。愛美はおそらく特に意識していない。増澤ジョージと会話した結果そうなってしまう。演技は一人ではできない。相手次第で何もかも変わる。それが如実にわかる一コマ。

増澤「トラップしてからじゃなくて、ダイレクトに返せるところがたくさんある」

休憩中に小道具や衣装などの相談。衣装合わせが近い。本番は来週だ。

小道具・大川ちょみと打ち合わせる演出家・増澤ノゾム

一幕二場が始まる。
ガッチャガッチャと様々な小道具などを用意。衣装替えもあるだろう。これが整理されてスマートになる。転換ごとのプリセットもこの作品の見どころだ。

二人の5周年記念。お祝いムード。
楽しげだが、ちょっとぎこちない。

こちらもテンポがあまりよくなりようだ。演出家からのフィードバックもその点についての確認が多い。

増澤「手を変え品を変えでご機嫌を取りたい」
  「言葉が理屈立てられていた方がいい」
  「その辺意識してセリフだけやってみよう」

時に俳優と同じフィールドで実演しながら演出をつけていく

ミザンス(舞台上の立ち位置)がついて、段取りや動きなどが決まってくると、知らず知らずのうちに慣れが生じる。無論セリフ、言葉も連動している。驚いてリアクションできていたはずなのに、慣れてくる。驚くことにも慣れてくる。慣れ。俳優の天敵だが、避けるのはとても難しい。さぁどう立ち向かうか。

セリフを確認し、言葉の内容、意図、感情が積み上がっていく構造を確かめる。

増澤「この二人の関係の中で生まれてくるものを大切にしてほしい。それぞれに設定したチェックポイントを通ろうとしないでいい。僕の言ったことができなくてもいい。小さい完成を目指さないでほしい。大きな未完成の方が100倍魅力的。OK?」

通し稽古を前に、演出家から熱いエールが飛ぶ。

おちゃめで熱い演出家

若手チーム、一幕一場〜二場通し稽古

フィードバックが見事効いている。テンポが上がり軽快だ。展開がスッキリしだし、物語が伝わってくる。不慣れな雰囲気はあるが、修正されていくだろう。

人間には安心するテンポ感があるのではないか。落ち着こうとする。しかし状況や感情が相手から安心を奪う。不安定が生まれ、劇的になり、また安心を求める。感情のジェットコースター。うまく相手から受け取り、反応が反応を呼んでいる。

若手チームの通し稽古が終わった

増澤「一場は格段に面白くなった。格段に。二場の後半はすこーしもっさりしてきたかな」

完成を目指すのではなく、今の二人へのフィードバック。

増澤「呼吸が浅いから話が切り替わっていかないのかも。しっかり吸っていい」

物語の展開を丁寧に構築していく。

増澤「一生懸命やらなきゃ感を抜いていい。リラックスしたい。開放されたい」

二場の起伏がより大きくなるべく修正。

増澤「感情的になり過ぎす、言葉で追い詰めていく。なぶっていく感じ」

こんな悲しい気持ちになりながらも、言葉を操らなければならない

言葉は常に感情とセットだが、感情が上回りすぎると、なぜその言葉を発しているのかが希薄になっていく。言葉には意味があり、その言葉を選択する背景に感情がある。普段意識しない何層ものプロセスを経て、感情は言葉になる。
言葉。台詞。感情。演技、深い。深すぎる。

人は安心したい生き物だ。完成品は安心だ。未完成は怖い。
舞台はライブだ。最高水準のパフォーマンスを再現するすごさ。
舞台上で起こる様々で、その場の反応だけで見せるすごさ。
ショーか、試合か。そのハイブリッドだってあるだろう。

今見た通し稽古は憚らず言えば未完成だった。
おもしろくなっているシーンと、前はもっとおもしろかったのに、というシーンがあった。
二人は恐れの中にいるだろう。完成させたいだろう。しかし演出家は「大きな未完成の方が100倍魅力的」と言うのだ。
ヒリヒリする。ライブだ。試合だ。脚本というルール、演出という戦略。俳優はプレイヤー。ドリスとジョージというじゃじゃ馬を見事に乗りこなそうなんて100年早い。(何目線だ) 必死にしがみついて、それでも相手を見て、聞いて、ぶつかって、泣いて、笑うしかない。何が起こるかなんてわからない。思い切って飛び込むしかない。

もちろん、お客さんも一緒に、ですよ!

札幌演劇シーズン2024-冬 参加作品
OrgofA 「Same Time,Next Year-来年の今日もまた-」

SCHEDULE
2024年2月3日 (土)14:00〜 / 19:00〜【SP】
2024年2月4日 (日)14:00〜/19:00〜【SP】
2024年2月5日 (月)19:30〜【SP】
2024年2月6日 (火)19:30〜
2024年2月7日 (水)14:00 / 19:00〜
2024年2月8日 (木)14:00〜【SP】 / 19:00〜
2024年2月9日 (金)14:00〜 / 19:00〜【SP】
2024年2月10日(土)14:00〜

【SP】スペシャルキャスト:場面ごとに演じるキャストが変わります
   小野寺愛美(EGG)×本庄一登(演劇家族スイートホーム)
   飛世早哉香×遠藤洋平
   太田有香(劇団ひまわり)×町田誠也(劇団words of hearts)
※記載がないキャスト飛世早哉香×遠藤洋平​となります

 各公演の「開場時間」は開演の30分前となります。
​ 未就学児入場不可
​ 自由席(椅子席、桟敷席)

TICKET
一般 ¥3500
U-25 ¥2000
学生 ¥1500

ウェブサイトからのご購入
ローソンチケット【Lコード:10052】
ローチケ電子アプリ
道新プレイガイド 
​https://doshin-playguide.jp

店頭でのご購入
​道新プレイガイド
〒060-8711 北海道札幌市中央区 大通西3丁目道新本社1階
[営業時間] 10:00~17:00 ※日曜定休

・札幌市民交流プラザチケットセンター
〒060-0001 北海道札幌市中央区 北1条西1丁目 札幌市民交流プラザ2階
[営業時間] 10:00~19:00 ※札幌市民交流プラザ休館日を除く

・​セイコーマート
店内マルチコピー機からご購入できます
【セイコーマートコード】D24020301

会場/ターミナルプラザことにパトス
〒063-0811 北海道札幌市西区琴似1条4丁目 地下2階
※地下鉄 東西線「琴似」駅バスターミナル直通

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