町のダメ出し

自分が住んでいる町にダメ出しをしたいのだけど、そういうことを区に言ったところで「はい。はい。オッケーです。わかりました。前向きに検討しまーす」とあしらわれたうえに、僕だけ住民税が8倍ぐらいに上がってしまうという報復を受ける可能性もあるのでここで少し発散する。(しかし税金などは本当に高くてびっくりする。この前滞っていた国へのお金をまとめて払ったら10万円ぐらいになった。コンビニで10万円を出したのは初めてだった。)

まず地名が変。漢字三文字の駅なのだけど漢字三文字史上一番覚えづらい。地名の由来もはっきりしていないらしい。以前住んでいた豪徳寺は近くに同じ名前のお寺があり、それが招き猫発祥の地という事で駅前には1.5mほどの招き猫が立っていた。それがちょうどキモくて好きだったのだが今住んでいる町にはその類の物も全くない。癒しのキモをくれ。


マジで店が無い。何も。無い。一応、ちゃんとしたスーパーが3つあるが、ちゃんとしたスーパーなど1つでいい。(以前は家を出て30秒の場所にスーパーがあって最高だった。住み始めて1年ぐらい経って急にできたのだが、朝起きたら目の前にスーパーができているのはかなりウケた。)その分を別ジャンルのお店に代えてほしい。飲食店が異常に少ない。僕はチェーン店が大好きなのでチェーン店がほどほどにあればそれで満足なのだが、松屋(冷房が効きすぎている)マクドナルド(汚い)ミスタードーナツ(僕はドーナツが嫌い)餃子の王将(日高屋に出会ってからほとんど行っていない)ぐらいしか無く、心の琴線にギリギリ触れてこない。これがピッチャーならうまく打ち気をそらす素晴らしいコントロールなのだが、これは食事である。ズバンとど真ん中にストレートを投げてほしい。(すき家、日高屋など)

これで個人経営などの定食屋があれば文句は言わないが、近くにあるのは、まっすぐすぎる家系ラーメン(店員の声が大きい。店員同士がめちゃくちゃしゃべっている)、ちゃんとしすぎている蕎麦屋(1600円ぐらいした)、女ハンターが自分で仕留めた動物を材料にしているカレー屋(女ハンターが狩に出て捕まえた動物でその日のメニューを決めるらしい。一食8000円ぐらいする。本当に意味が分からない。)など食事の気力をそがれるものしかない。


いい本屋が無い。ようやく見つけた古本屋はやたらエロ本に力を入れていて、スペースの3分の1ほどが肌色に支配されていた。堂々とエロ本を店外に置いてあるくせに「古本の素晴らしさをあなたに・・・」と看板に書いてあった。「・・・」がむかつく。「エロ本の素晴らしさ」に書き換えろ。


あとはやはりちゃんとした商店街が無いのが寂しい。道を挟んで両側に様々な店が立ち並んでいる光景が好きなのに。以前はよく商店街を散歩したものだが、今はまったくしなくなった。良い感じの室外機を見つけては写真に収めていたのが懐かしい。(一時期室外機にハマっていた)今の町はどうやら室外機が一つもない。みんな自然のままに生活しているらしい。


本当に豪徳寺はめちゃくちゃ良い町だったということを引っ越してから気付いた。商店街の雰囲気も好きだし、日高屋、すき家、デニーズ、ブックオフという布陣に加え、うますぎ唐揚げ弁当を販売している唐揚げ専門店(良い方のギャル店員が働いている)もあった。徒歩5分で経堂(最強の商店街×2を擁する難攻不落のハッピータウン)に行けるし、下北沢(ゲーセンと本屋とシアターミネルヴァの町)も近い。


なんで引っ越してしまったのだろうかと頭を抱える日々だが、それでも自分から好きになる努力をやめてはダメだと思って自転車で付近をかけずり回ってみたが、デカすぎる公園(虫多すぎ)しか無かった。その無駄に広大な土地を完全に持て余しているふれあいの広場(虫多すぎ)を一人で歩きながら

「ま、こういうのも悪くないかな」

と自分自身に言い聞かせてみたが、やはり普通に好きになれずに普通に虫に刺された。


早く引っ越したい。毎日行くドトールで店員に嫌われているので、わざわざ電車に乗って別のドトールに行ったりしている。調べたら僕の町は、区で最弱の町と言われているらしい。

「町に強いも弱いも無いだろ!!」と思ったが最弱と言われてかなりしっくりきている自分もいた。

最弱の町に住んでいるレッドブルつばさ。ここから這い上がっていくしかないね。

頂いたサポートでドトールに行って文章を書きます