半年

なんかこんなことを毎月言っている気がするが、会社を辞めてたまに舞台に立つ活発なニートになってから半年が経とうとしている。会社を辞めた直後は、半年も経てばお笑いもプライベートも全て軌道に乗り、僕が望む最高の世界に塗り替えられている予定だったが、現実はお笑いもプライベートも全て絶望の涙を煮沸させた沼に沈み込んでしまっている。


今日12時に起きた。最近の僕と言えば「アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ」というスマホのゲームをし続けて、人間が持ちうる慈愛の感情が全てそれに支配されてしまっている。そのせいか今日「アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ」の夢を見たので、「アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージの夢を見ちゃおしまいだよ・・・」などと夢にぶつぶつ文句を言っていたら12時になっていた。生まれた時には夢にぶつぶつ文句を言っていたら12時になってしまう人間になるとは思わなかった。

夢の内容とかではなく12時に起きている時点でかなりおしまいなのだが、自分の怠惰な部分に目をつぶるのがずいぶんうまくなった僕はチキンラーメンの袋をあけながら今日の予定をぼんやりと考えた。本当は午前中に起きて数多の本で爆発している本棚の撤去整理作業をしようと思っていたが、今からそれをしようと思うと一日がかりになってしまうので、とりあえず目につく部分だけ整理しようと思いいくつか本を取り出した。取りだしたもののその瞬間に「多っ」と思いもう何もする気も起きなくなり、床に積み立てたまま作業を放棄した。本は今も床に積み立てたままだ。全く身動きが取れない。


最近は主催ライブをいくつか開催し、18000字ほどせっせと書いたエッセイを販売するなどして割と精力的に活動してきたつもりだったが、全て終わってしまった今わかりやすく燃え尽きた感覚になり、「一日ぐらいはまあゆっくりするか」と今日の方向性を定めようとしていたが、よく考えれば会社を辞めてから半年間もゆっくりしていたので「一日ぐらいは」どころではない。人間の中で最もゆっくりすべきではない存在なのに、そんなことをしている場合ではない。すぐ次のライブに向けてネタを作らなければ行けないが、なかなかいつもネタを作っているドトール(店員に嫌われまくっている)へ向かう準備ができない。もう16時を回っていた。


ネタを作るモチベーションが低いからだと思い、自分を鼓舞するために「笑いのカイブツ」でも読もうかなーと手を伸ばしたとき、会社員時代の後輩から連絡が来た。

「お久しぶりです。谷口さんって(レッドブルつばさのこと)今事務所とか入ってるんですか?」

ざっくり言うとこんな内容だった。それを見た瞬間吐き気と涙が同時にこみ上げ僕の顔がドロドロに崩れ落ちた。

その連絡内容は別として、なにか、こう、「会社を辞めて半年経った自分の現状」が一気に脳内をかけずり回った。半年前まで毎日仕事で顔を合わせていた後輩という存在を現実で認識した途端に「絶対にこのままではだめだ」という感覚になった。

会社を辞めてから半年間、元同僚の誰にも自分から連絡を取っていない。「誘ってくれたらいつでもライブを観に行く」と優しい言葉をかけてくれた人が何人もいたが、まだ一回もできていない。自分の中で「この段階になったらライブに誘う」というルールを決めたせいでもあるが、まだその段階に自分が行けていない悔しさと恥かしさがあった。元同僚に胸を張れるような自分になろうと思っていたが、そんな状態になれるのはまだまだ先みたいだ。後輩を「現実」として認識した瞬間に顔が崩れ落ちてしまったのだから当然だろう。しかし「やらなきゃいけない」という気にはなった。


連絡が来た5分後、僕はドトールのいつもの席に座っていた。今は僕を鼓舞する本などいらない。僕の頭は最高に面白いネタを作ろうとする気合と情熱が煮詰まった最高の状態になっていた。これならば明日のライブも今から作る新ネタで臨めそうだ。間接的とはいえこの状態にさせてくれた後輩に感謝を込めノートを開いた。





できあがったネタは開始30秒で嘔吐しまくるネタだった。明日どころか一生やらない。どうやらこの状態はネタ作りにはあまりよろしくないみたいだ。まだまだ胸を張るなんてできそうにない。

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