2017年雑記と年ベス

アカウント作るだけ作って放っていたら年末が来てしまったのでいきなり今年の総括みたいな話から入るが本当に疲れたな今年はということであり、骨折って何を手に入れたかと言えばあんまりぱっとしないのでしょんぼりしている割と。

なんか色々挑戦したような気もするし挑戦しようとして結局ポッキリいかれたような気もするが冬なのに一時期よりも精神が安定しているのはどういうことなのか不安が毎晩襲ってくるようになっていないのはどういうことなのか、落ちるところまで落ちてもう下にぐらつく地盤が見つからないということなのかもしくはいつの間にか悟りを開いて知らん間に高次に収まったのかといえばどちらとも言えそうであるしどちらとも言えなさそうでもある、どちらとも言えなさそうなばあい一番当てはまるのは緊急シェルターにこもったもしくは逃げを打って時間を稼いでいるという状況でありまあ人と話すたびにまったり気楽に行きましょうやと言われるその目はだいたい酔っ払って半分正気を失っている。でも大きな音で音楽聞いてお酒飲むのは楽しいね。

目まぐるしいわい、ちょっとじっとしてくれ。

今年聴いた音楽の話をします。順位をつけるのは苦手なのでつらつらと書きます。

最初に挙げたいのは個人的に「秒速5センチメートル観すぎ系」と呼んでいる人たちの旗手olli、つい最近Bandcampて今年の作品集が出たけど「Stockholm」が良かった。いかにも宅録っぽいローファイな録音を綺麗にR&Bサウンドにまとめ上げて(リフのメロが100点)いるのがいい、「思い出のマーニー」の台詞をサンプリングした「Things I Used to Do」の耳元で鳴るピアノもいいし、そのピアノの音が一番静かに映えるのが「I try not to think about it」。

綺麗に録られたピアノが良かったのはもう一つ高木正勝のMarginaliaシリーズで、これは4月くらいからずっとBandcampで一曲づつリリースされてたけどまとまったのがこの前からApple Musicで聴けるようになっている。#15が好き。

コトリンゴがKIRINJIを脱退してしまうのは残念だけど新譜の「雨の箱庭」がもちろん良かった、インタビューで少女性から少し外れてみたかったという話をしており、「To do」ではヒップホップへの接近があったりして面白い。去年はフレシノCOSAjjjと一緒にやってたりもしてたし、今後どういった感じになっていくのか楽しみ。KIRINJIはライムスターにフィーチャリングされていたDiamondsがよくて、タマフルに堀込高樹が出た回のラジオ起こしとかを読み漁ったりした。

てにそんも新譜を出していて、相も変わらずその作曲スキルが爆発しているんだけど、OWSLAからでているからなのか音が格段にきれいになっている。

ローファイヒップホップの流行った年であるのは確かなんだけど例によって作品数が多すぎて挙げりゃキリがないわクオリティもまちまちだわという感じで、でもその中で頭一つ抜けてたのはbluorangee x mycatisflyingのdaydreamだったかなと思う、ローファイヒップホップと言いつつただサンプリングを回してテープエフェクトのかかったビートを乗っけるのとはちょっと違うけれども、もはやクラブで聴くものではなくなったのでそこ開き直ってぶっ飛ばしてるのが良かった。

Submerseの新譜にDX7がフィーチャーされたタイミングでFitzが参加したのが個人的にはアツいと思っていて、「Can we go back」では独特のカットアップセンスがガンガン前に出ている。リリースパーティーにも遊びに行ったりFitzの新譜も聴いたりしたけどFitzはひねくれたウェッサイなんだなという印象が新たに生まれた。

ブレインフィーダから出て話題になったのはLapalux、Thundercat、Iglooghostとかだろうし、どれも毛色が違って面白い。Lapaluxは相変わらずシンセいじったり色々実験するのが楽しそうだし(ほんとうに曲を聴いていると楽しそうなのが伝わってくる)、今年の後半に出たEPの方はテクノとかグライムへの接近があって面白かった、あの中域と低域の間がちょっと抜けてる感じが今っぽいなとおもう。Thundercatはマイケル・マクドナルドやケニー・ロギンスとも一緒にやれててよかった。演奏家なんだなと思う。

すげえと思ったのはPersian Empire「KAYA」かも。以前からどこかおかしいぞと思わせる部分は多々あったけどフライング・ロータスがダイエットしたような音に躁が出るまでカフェインを突っ込んだような音がする、タイトルがぜんぶ大文字でやけくそ気味にキレてるけどまさにその通りといった感じの音。

SHIGETOの「デトロイト・パート2」を聴いて落ち着こう。彼は大人だ。7分ほどもある四つ打ちのキックもクラップもピアノの音も全部落ち着き払っているし、サックスが踊っているのをただただ眺めていることができる。「Wit da cup」なんかでは割れたドラムマシンの音が荒っぽくて原始的なハウスへの接近もあって、でもきれいに音作っていてすごい。仕事人だ。

今年の音楽について話す上で絶対外せないのは二人のストーリーの語り手、ひとりはケンドリックでもう一人はPUNPEE。その内容についてはネタバレになるというかむしろ色んな所で書かれきっているから割愛するけど(と言うか聴け)、ケンドリックは英語ネイティブではないのが本当に惜しくなるほどよく編まれたリリックを書くし(「録音ブースでラップが止まらずにビートが後付になった」という「DNA」のエピソードを聞くともう、もう)、待ちに待ったPUNPEEの新譜は「とにかく自分が好きだと思ったようにことをやる」という様子が見ていて死ぬほど楽しい。ひねり出していくものじゃないし作ろうとせずに作った曲で日々戦えるようになったんだなあと勝手にしみじみしている、自分の心配をまずしろ

とまあ書き始めればキリがないのであとはTwitterとかで随時こぼしていきたいものの、今年は、というか今年もちゃんと良い音楽がたくさんリリースされてるのに精神がアレになってたせいで一番聴いたのはじつはKIRINJIの旧譜でしたというオチがここでつきます、仏の慈悲などあるものか!

来年はもっとまともなものになるといいね。


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