研究)「潜在看護師の復職支援 5.潜在看護師の問題と対策 看護協会の取り組み」

5.潜在看護師の問題と対策
​5-3.日本看護協会による対策
(24)

日本看護協会は、潜在看護師の復職支援策として、「都道府県ナースセンター」、「e-ナースセンター(25)」、「再就業支援研修」、
「ワーク・ライフ・バランスに関する支援情報『ワーク・ライフ・バランス推進ガイドブック』の作成」などを行っている。

​5-3-1.ナースセンター

ナースセンターは、1992年に「看護師等の人材確保の促進に関する法律」に基づいて設置され、
「ナースバンク事業」、「訪問看護支援事業」、「『看護の心』普及事業」という3つの事業を行っている。

ナースバンク事業では、厚生労働大臣の認可を受け、各都道府県の労働局の管轄下で実施される「無料の職業紹介」や、
再就業が心配な看護師向けに、最新の知識・技術を学ぶ研修会、臨床研修実施の病院紹介、
就職相談イベントや個別の相談、潜在看護職員の把握調査、看護職員需要施設調査などを行っている。

訪問看護支援事業では、訪問看護師養成講習会を、通学とe-ラーニングにて行っている。

看護の心」普及事業では、「看護の日」に開催される講習イベントであるふれあい看護体験を行ったり、
将来看護の道に進みたい学生や社会人のための進路相談受付を行ったりしている。

​5-3-1-1.中央ナースセンター

ナースセンターは、47都道府県にあるが、その中央機関としての役割を持つのが中央ナースセンターである。

中央ナースセンターでは、「ナースセンター事業に関する広報活動」、「看護職員の就業動向等に関する調査」、
「訪問看護を促進させるための調査・連絡調整」、「看護関連情報の提供(全国の看護学校情報の提供、
進学相談の対応)」、「コンピュータシステムの運用(e-ナースセンターの管理・運用)」、
「都道府県ナースセンターとの連絡調整(都道府県ナースセンターの円滑な運営を支援)」を行っている。

​5-3-1-2.e-ナースセンター(ナースバンク)

e-ナースセンターとは、都道府県ナースセンターで行っている、無料職業紹介をインターネット上に展開したものである。
通常のナースセンターでは、足を運ぶ必要があるが、e-ナースセンターでは、
インターネット上で登録・検索・紹介依頼等を行うことができるという特徴がある。


e-ナースセンターが提供しているサービス(図11)は、「仕事を探す(仕事を検索、施設を紹介してもらうことが可能)」、
「人材を探す(無料で人材を検索、紹介してもらうことが可能)」というものの他に、
「進路情報(全国の看護学校情報や奨学金情報が閲覧可能)」、「研修・イベント情報(全国ナースセンターで行われているものを検索可能)」などもある。

画像1

(図11:e-ナースセンターの仕組み)


(24)公益社団法人日本看護協会「看護職の方へ」,<http://www.nurse.or.jp/nursing/index.html>2014年6月10日アクセス.

(25) e-ナースセンター「ナースセンターとは」,<https://www.nurse-center.net/nccs/scontents/5>2014年6月10日アクセス.

(26) 朝日新聞「看護師紹介、250億円市場 競争過熱、転職迫り稼ぐ例も 原資は診療報酬」2014年1月6日朝刊,(1).

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