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聖書の人物紹介〈アダム〉

 聖書の中で最初に創造された人間は、アダムと呼ばれました。創世記には次のように記されています。

 主なる神は、人〈אדם アダム〉を土〈אדמה アダマー〉の塵から形づくり、その鼻に命の息を吹き入れられた。すると人は生きる者となった。(2:7)

 神が土の塵を原材料として造った被造物なので、土〈アダマー〉にちなんでアダムと呼びました。初めは「人」という一般名詞扱いでしたが、アダムという個人名になっていきます。日本語風に言うならば、土男(つちお)といったところでしょうか。

 下の絵はエバ誕生のシーン。エバはアダムの肋骨から造られました(創世記2:22)。実は、肋骨と訳される単語〈צלע  ツェラ〉は、本来「側(がわ)」という意。アダムの性質の側面を切り離し、そこから女性が創造されたのだ、というユダヤの注解があります。

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 新約聖書ではイエスは自らを指して「人の子」と呼んでいます。これはアダムの子〈בן אדם  ベン・アダム〉という表現で、旧約聖書に度々登場します(イザヤ56:2、エゼキエル2:1等)。アダムの子、すなわち人間という意味で用いられています。

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