神秘

僕の家族は、ディズニーやジブリが嫌いだ。というと語弊があるかもしれないが、面白くないと半ば決めつけ、「わざわざ」鑑賞することはなかった。

今日の沸騰ワードを見た流れでたまたま千と千尋の神隠しを鑑賞することになった。否、流れじゃないとみる機会がないからと「チャレンジ」してみた。

何も事前知識がないため、最初は不思議な世界についていけなかった。物語の途中がすべて伏線かのように思え、その結末を予想しながらストーリーを見届けた。結果は予想通りにはいかず。むしろ伏線であると捉えていたことが恥ずかしくなるくらい謎に謎が重なった。謎のn乗だ。

不思議な世界についていこうとしたことが物語に対する純粋な目線を失っているのではないかとさえ思った。

予め断りを入れるとドラマなどの映像作品に疎いが、最近の日本のドラマは、わかりやすくオーソドックスな雰囲気をまとうものが多いのでそれに慣れてしまっている。ドラマは視聴率によって微調整を施しながら、最終話で今までの話を片付けるべく畳みかけるよう時間が流れる。

千と千尋の神隠しは違った。頭をひねりながら、でも全体の醸し出す神妙な空気感に吸い込まれ、いつの間にか結末を迎えた。結局のところよくわかっていない。が、それがこの作品の魅力でもあるのだろう。見る人の年代、経験、人生において感じ取るものが異なるのだろうと想像させる。こどもにはストーリーがわからないような気がするが、それでよいのだろう。

もちろん名作であるという事実を知っていることによる色眼鏡的視点なのかもしれないが、全体としてなにか神秘的な時空を受け取った。



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