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移住者・起業家・新事業を創出|南相馬市事業化実現プログラム1期生終了

夫婦移住でのカフェ開業や、南相馬で法人登記したコンサルティング会社、空き家活用事業など、地域に根差す起業家や複数の事業を生み出した南相馬市の「事業化実現プログラム」。1期生は、2024年2月に3カ年にわたるプログラムの最終成果発表会を終え、これからそれぞれの事業を自立的に進めていきます。

南相馬市・事業化実現プログラムとは?
チャレンジの余白があるまち・福島県南相馬市をフィールドに、自分の人生の解像度を上げ、仲間と共にやりたいことを実現していく3カ年のプログラムです。 2021年より1期生がスタート。地方で働くことに関心を持つ若年層を集め、現地視察により、ビジネスの種を発見、自分自身がやりたい“仕事”で解決するワークを実施。その後はビジネスメンターサポートによるビジネス性検証を実施を行い、現在実行に向け取組んでいます。

このnoteでは、プログラムを卒業した1期生が、事業と向き合う中でぶつかった壁や、それをどう乗り越え、プログラムから何を得たのか、それぞれの3年間を振り返ります。


1. カフェ開業を振り返って

こんにちは。南相馬市鹿島区でカフェ「cokuriya」を営む松野です。
お店のオープンに先立ち、私がカフェ開業を目指すきっかけとなった事業化実現プログラムでの3年間を振り返ります。

2021年、コロナ禍で将来の子育てを考えて地方移住を検討するようになった頃、同時に自分の人生が他人がつくった船(会社)に乗って海を漂うような人生で良いのか悩み始めていました。
自分の人生だからこそ、自分で舵を切って目的地を目指したい。そういう思いから”定年後の落ち着いたタイミングで”、”いつかやりたい”と思っていた生き方を”今”追求して、自分らしくいたいと考え事業化実現プログラムに参加しました。

そうはいっても公務員、転職後の会社員と大きな組織にいたので全くサラリーマン的な考え方が抜けず、起業家・経営者的なマインドや知識はありませんでした。
事業化実現プログラムで最も良かったことは、実際に自身で起業をしている大先輩からアドバイスをいただけたことです。
私が今までのサラリーマンで培った考え方やノウハウは、一社会人として今も役に立っていますが、起業家としてのマインドは初めて学ぶことが多かったです。
メンターの皆様には定期的な研修のほか、毎月の面談などでサポートいただき、夢を追うことに背中を押していただきました。

そうして自分の事業アイデアが固まった中盤には、テストマーケティングと称して南相馬市に通うようになり、米倉や田んぼでコーヒーを飲む会を企画したり、イベント出店を行うようになりました。
地域の方々から「オープン待ってる」、「コーヒー美味しいよ」とお声をかけていただきどんどん自信をつけていきました。

(東京から南相馬市に通い、田んぼで珈琲を飲むテストを行う様子)

現地での活動にあたっては、地域で実際にまちづくり事業をしているMYSHのメンバーからの現地サポートが大変ありがたく、地元の方との調整などに尽力いただき、スムーズに事業アイデアの深掘りを進めていくことができました。

プログラム終盤、南相馬市に移住してからは、実際のカフェづくりのために事業計画策定、店舗改装などからはじまりあっという間に1年を駆け抜けていきました。
自分自身が楽しく生きたいとの思いもあり、地域の方の活動に飛び込んでいくなかでたくさんの方から応援いただきました。
移住して勝手がわからない私たち夫婦にご近所の方や鹿島で事業を行う諸先輩方が何かと気にかけていただき、安心してお店づくりを進めていくことができました。

ただ、お店づくりを進めていく中で私たち夫婦の中では完成イメージやお店のイメージが共有できていましたが、それを他人に伝えることが非常に難しかったと感じています。

例えば、一口に古いものが好きといっても、フランスアンティークや日本のもの、綺麗にリメイクされたものや当時のものなど種類があるように、店の雰囲気やスタンス、料理やお菓子など私たちが目指す形を言葉で定義することが難しく、微妙なニュアンスをどうしても他人に伝えられませんでした。

そうした時もメンターに相談に乗っていただき、言語化に向けて考えを整理することができました。
お店は生き物であるので今もなお、変わり続けるお店のイメージを言語化するのにはハードルを感じています。
段々とお店ができてきた今は、全てを言葉で伝えるのではなく、お店を営業する自分たちの姿勢を通して伝えていければと思っています。

開店直前の現在から事業準備期間を振り返って、改めて感じることは自分で事業を行うということは、全ての責任・リスクを背負うことであると思います。
そういう意味で経営判断は常に孤独ですし、起業家に必要な要素は覚悟であるとも感じます。
プログラム終盤から現在に至るまで無数の経営判断に迫られることがとても苦しく、開業した方は皆こんな辛い思いをしているのかと尊敬の念を送るばかりです。

そんな思いもしながらつくりあげているcokuriyaは私たちの宝物であり、たくさんの人に支えられて実現できたものだとしみじみと感じます。

まだ何も始まっていない私たち、これから地域の方に愛してもらえるお店を目指していきます。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


2. 高校生と未来を描くプロジェクト

こんにちは。事業化実現プログラム1期生の中村璃久と申します。

わたしは社会人2年目のタイミングでこのプログラムに参加し、この2年半で自分の生き方、キャリアの築き方と向き合うことができました。その2年半を少し振り返りたいと思います。

わたしは2020年4月に社会人人生をスタートさせました。今ではもはや懐かしく思えますが、あの頃はちょうどコロナが流行り始めて緊急事態宣言が出ていた頃。
そんな閉鎖的な環境の中で、何か刺激になること、新しいコミュニティを求めていたところでこのプログラムと出会いました。

このプログラムに参加して2年半、とても濃い時間を過ごすことができました。

(現地訪問で見た南相馬の朝焼け、今でも私の携帯の待ち受けです)

最初からずっと継続して高校生向けの事業を進めてきましたが、なかなか一筋縄ではいかないこともたくさんありました。

特にこの事業は大学生と一緒にチームで事業に取り組んできたため、メンバーとのコミュニケーションで悩むことも多々。
自分が本業との兼ね合いでうまく手を動かせないタイミングもあり、もどかしさを感じる時もありました。

そんな時、そばにはメンターの皆さまがいて定期的に1on1で相談させていただいたり、チームで物事を進めていくための研修を受けさせていただいたり。学びながら実践できる場があったことはとてもありがたい環境でした。

(研修や発表会で定期的に仲間に会えることが励みでした)

プログラム3年目はほぼ毎月(月2.3回行くことも)南相馬に通い、高校生向けにワークショップを実施。
ここで学んだのは何度も取り組み続けること、行動し続けることの大切さでした。
回を重ねるごとに少しずつ高校生との会話が増えたり、取り組みにより積極的になってきたりすることが自分の活動の励みになっていました。

(他の事業化メンバーとも協業しながらイベント実施)

また、地域の周りの方々も活動を応援してくださりイベントに足を運んでくださったり集客にご協力いただいたりしました。
これも地道に活動を続けてきたからこそだと思います。

何より、このプログラムに参加して同じ世代で一緒に悩み、チャレンジする仲間と出会えたことがとても大きな財産です。
ひとりではできないことも、誰かと一緒ならできる。
自分だけでは見えない世界が誰かと一緒だからこそ見える。
そう思えたことが自信になりました。

わたしはこの4月で今まで4年間働いた職場を辞め、新しいスタートを切ります。不安もありますが、これまでの経験が自分の糧となって助けてくれると今なら思えます。
そして、環境が変わっても周りにはそれぞれ前に進んでいる仲間がいます。
困った時は同じ立場で悩んで声をかけてくださる大人たちがいます。
そんな皆さんを時に頼りながら、自分の足で進み続けたいと思います。

一旦一区切りとはいえ、この事業はまだまだスタート地点です。ここで得られた経験を存分に活かしてこれからも皆さまへの感謝を忘れずに進んでいきたいと思います。

今まで支えてくださりありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。


3. 行動するからこそ、実現できることがある

こんにちは!事業化実現プログラム1期生として「高校生と未来を描くプロジェクト」に参加させていただきました、大学3年生の三倉柚菜(みくらゆな)です。
今回は事業化実現プログラムの振り返りをしながら、私がこのプログラムを通じてどんなことを感じ、何が得られたのかをお伝えしようと思います。

「高校生と未来を描くプロジェクト」に参加したきっかけ 
私は友人からの紹介で、事業化2年目から活動に参加しました。
大学1年生の頃から教育格差に課題感を持ち、中高生の将来の選択肢が広がるような活動をしたいと考えていたところ、友人が取り組んでいた「高校生と未来を描くプロジェクト」で活動をサポートする人を探しており、参加することになりました。

事業化2~3年目
事業化2年目はプロジェクトリーダーの中村璃久さんと大学生4人で活動し、進路相談のイベントを2回開催しました。
3年目には、毎月1回以上南相馬でイベントやワークショップを開催しましたが、集客がうまくいかず参加者がいないこともありました。そこで、いきなり大人数を募るイベントをするのではなく、まずは少人数の高校生と繋がりをもち徐々に活動を広めようと、彼らが南相馬でやりたいことをサポートする活動をおこないました。

一方で、活動の連絡や打ち合わせはオンラインで行っていたのですが、「本当はどう思っているのだろう」とか「私には見えないけれど、実はもう話が進んでいるかも」と考えることもあり、コミュニケーションの難しさを実感しました。

いつも助けてくれた南相馬や東京の仲間たち
困ったときは璃久さんや事業化に取り組む仲間、メンターがいつも助けてくれました。私が相談をすると、時間を作って話を聞いてくださりとてもありがたかったです。
南相馬にもこのプロジェクトに共感しチャレンジを応援してくれる人がいるあたたかさを感じました。たくさんの人の支えや後押しがあったからこそ、活動を続けられたことに感謝しています。

完走したからこそ見つけられた大切なこと
①挑戦に失敗はないこと
「高校生と未来を描くプロジェクト」では、様々な挑戦をさせていただきました。上手くいったことも、そうでなかったこともありますが、挑戦したことに失敗や損はありませんでした。上手くいかなかったことから学びが得られたからです。それは次の挑戦をするときの教訓になると思います。

②行動するからこそ、実現できることがある
「中高生の将来の選択肢が広がれば良いな」と思うだけでなく、実際に行動してみると少しずつ高校生と繋がりを持てるようになりました。やりたいことを「やりたい」ままにするのではなく、やりたいことを「やる」「実現するために動く」ことの大切さに気付きました。

これからのこと 
来年度からも高校生向けのイベントがあるときに南相馬を訪れ、引き続き活動をさせていただく予定です。できることは諦めないで一歩ずつ、できないことは周りを頼りながら少しずつ進んでいこうと思います。
これからも「高校生と未来を描くプロジェクト」を応援していただけたら嬉しいです。
最後まで読んでくださりありがとうございました。

(2月に開催したイベント 10名の高校生が参加してくれました!)

4. 空き家活用事業・シェアアトリエ

こんにちは。建築士の奈々絵です。

事業化実現プログラムに参加して、3年が経ち、
現在私は愛知県で建築士として働きながら、福島県南相馬市で空き物件のリノベーション事業を起こすべく2拠点生活を始めようとしています。

片道600km、3年間、遠距離恋愛なら別れている可能性の方が高そうな距離と時間。どうして活動を続けて来られたのか、3年間をふりかえりながらお話ししたいと思います。

2021年当時26歳の私は、「20代の間は、とにかくいろいろなことに挑戦してみよう!」と可能な限りたくさんの予定を詰め込んでいました。

とにかくやってみよう精神で動いていたので、事業化実現プログラムにも二つ返事で参加表明したのを覚えています。

「やりたいことを見つける」
私が実際に南相馬市を視察して、はじめに興味を持ったのは農家民宿でした。実際に民宿に泊まってみて、美味しいご飯と、自然と、にぎやかな会話に触れました。都市部で一人暮らしが長い私にとって久しぶりにホッとできた瞬間でした。

建築関係の仕事をしているため、元々空き家問題に注目していたのですが、今も大切に使われている民宿をみて、そういう建物を大切に残していきたい、という思いが強くなりました。

(農家民宿での食事)

「事業化実現への道」
建物の価値を高めて、地方創生の一助となること。
やりたいことは見つかりましたが、どのように進めていけばいいか、正直何も分かっていませんでした。
そんな中、道筋を示してくれたのが、事業化実現プログラムを主催しているMYSHの向井さんでした。
他のメンバーとの協力体制や、その中での私の役割を作っていただいたことで、「できそう!ここまでしてもらったら、やるしかない!」という気持ちになりました。
他のメンバーやメンターとの交流も楽しく、切磋琢磨できる仲間を見つけることができました。

とはいえ、設計士として働きながら、頻繁に南相馬市に通い、活動することは、私にとってとても大変でした。
仕事が重なっている時に、事業化実現プログラムの企画があると、キャパオーバーで音信不通になってしまったこともありました。

大変な中でも、継続することができたのは、プログラムの構成のおかげだと思っています。
定期的に事業化のためのスキルアップ研修を行ったり、経過報告の発表会があったりと、やらなきゃいけない環境を作って頂いたので、立ち止まることはありません(できません)でした。笑

このプログラムのおかげで、苦手だったプレゼンも克服し、やればできるんだという自信を持つことができるようになりました。
大変なこともあったけれど、参加して得られたことの方がはるかに大きな3年間でした。

(空き家を会場にしたDIYイベント)

プログラムは終了しますが、来月からは自分で南相馬市に家を借りて、毎月通う予定です。今まで以上に深く地域と関わり、南相馬市で地域に根ざした事業を作っていきたいです。

5. 人・写真・環境にやさしいお野菜コスメ

こんにちは、おりくこと尾崎里空です。

私は卒業・就職を控えた大学4年生の冬に事業化実現プログラムに参加しました。
このプログラムに参加したことによって、成長を越え新しい自分を発見できた2年半でした。

最初にこのプログラムに参加したきっかけは、いつか地方の課題解決につながる事業を興したいと思っていたからです。
そのような想いを持ちながらも、まずはビジネスマンとしての実力をつけたいと思ってコンサルティング会社への就職を決めていましたが、大学生最後の挑戦として軽い気持ちで参加しました。
最初のフィールドワークでは南相馬の色々な地域を巡り、たくさんの方のお話を聞き、参加前から関心のあった子育て世代の支援事業の実現に向けて取り組むことを決めました。

(原点である最初の南相馬訪問時)

ただ、そこから約1年間、就職と同時に事業検討がほとんど進められなくなりました。
慣れない仕事での忙しさを言い訳に、事業検討が進まなくなり、そうなると他の事業化メンバーにも会いづらくて研修も欠席することもありました。
そして、そんな自分が嫌で嫌で、もういっそプログラムを離脱してしまおうと思ったことも何度もありました。
そんな時に支えてくれたのがメンターの存在でした。
事業のことに限らず話を聞いてくれて、時には食事に付き合ってくれて、こんな風に支えてくれている人を裏切ってはいけない、という気持ちが最後の最後で私をプログラムにつなぎ止めました。

そんな1年が過ぎ、社会人としては2年目になったころ、メンターが変わり、改めて自分の事業内容を見直しました。

自分のことなのに、どうしてこんなに難しいんだと思うぐらい、自分がなぜ南相馬で事業化実現に取り組むのか、なんのために・何をしたいのか考えるのは難しく、時間もかかりました。

その頃は、毎週メンターに1on1の時間をもらい、ひたすら付箋にブレストした内容を聞いてもらうということを繰り返していました。
現在、私は廃棄野菜を使ったコスメ開発に取り組んでいますが、その事業もある日ぽっと出てきたものではありません。
少しずつ、少しずつ自分のやりたいことを言語化していき、行動にうつしてみて、その結果として気づいたら今のような事業に辿り着いていたという感覚です。

(お野菜コスメづくりワークショップの様子 行動にうつしてみた!)

もう1つ、私にとって強い刺激になったのが、1期生、そしてプログラムの後輩である2期生の存在です。
同期が、そして後輩がこんなに前に進んでいるんだから、私も足踏みしてはいられない、というポジティブなプレッシャーをもらいました。

この2年半のプログラムを通じて、学んだことは沢山ありますが、その中でも特に今の自分を支えていると思うのは、「まずは行動してみる」というメンターの教えです。

「まずは行動してみる」を実践しているうちに、自分のやりたいことが明確になってきたり、周りの人が助けてくれたりと、良い循環が止まらなくなってきたと感じます。
また、言葉として伝えてくれたのはメンターですが、この教えをまさに行動で示してくれたのが、1期・2期のプログラムメンバーです。
メンター・事業化プログラムメンバー、そしていつも協力して下さっているMYSH・地域のみなさんに恩返し、そして次の人への恩送りが出来るよう、これからも行動し続けていきます。

(1期生最終報告会の様子 ここまで辿りつけたのは本当に支えてくれた皆さんのおかげです!)


6. 南相馬での新規事業会社設立

はじめまして。きのぴーです。

私は現在 東京に住み、外資経営コンサルティング会社で働く傍ら、南相馬市に自らの会社を立上げ、移住を見据えた2拠点活動をしています。

立ち上げた会社では、コンサルティング事業やクリエイティブ制作、6次商品化、体験型観光ツアーなど、様々な新規事業を推進中です。

(立ち上げた会社「KEYT合同会社」のHP)

このnoteでは、会社を立ち上げる転機となった「事業化実現プログラム」での3年間を振り返ります。

大変だったのは「何をやりたいのか」と向き合うこと

プログラム参加のきっかけは、前に勤めていた製薬会社時代の同期が、偶然にもプログラム運営を担うMYSH合同会社に転職し、声をかけてもらったことでした。
漠然と「いつか起業してみたい」と考えていたこともあり、参加を即答したことを覚えています。

いざ、プログラムが始まると、最初はこれまでにない新たな仲間ができ、楽しく過ごしていましたが、大変だったのは「自分は何をやりたいのか」と向き合い続けることでした。

プログラム2年目の頃、コンサルという職業柄なのか、性格の問題なのか、”事業”をやるのだから、「単なるやりたいという感情には従わず、やりたい理由を論理的に説明する根拠を固めなければならない」と、必死になっていました。まるで何らかの新たな定理を証明したい数学者のようだったのではないかと思います(笑)。しかし、当然ながらそれでは事業化は一向に進みません。

そんなあるとき、当時のメンターとの面談で、それが”思考の癖”であることに気づかされ、徐々に「感情や直観に素直に従い、やりたいことを実現するためにどうしたらいいのか?」という発想に切り替わっていきました。今思えば、この気付きは大きな一歩でした。

「考えを外に出す」と、景色が変わった

3年目に入ると、メンターが変わり、まずはとにかく「考えを外に出すこと」と、アドバイスをもらいました。

このアドバイスに従い、自分の考えを外に出し、その通りに行動し始めると、一気にみえる景色が変わり始めました。内から湧き出る「やりたい」に対する変な抵抗がになくなったのも、この頃。

考えを外に出すと、地域の人や仲間が反応してくれ、「こうしたら進むんじゃないか」「あの人と話してみたら」と、自分一人では到底たどり着けない人や情報にどんどんアクセスできる。すると、やりたいことやそれを達成するための道筋の解像度がすごいスピードで高まっていく。その感覚が楽しくて、歩みを止めることが馬鹿らしくなるほどに。

同時に、このように「チャレンジを応援してもらえる土壌があり、一緒に取り組む仲間がいる」ことは、私が南相馬での会社設立に踏み切れた理由でもあります。むしろ、この機会を逃すことは自分の人生にとって大きな損失になるだろう、とすら思いました。

「遠くへ行くなら、みんなで行け」

さて、そんな事業化実現プログラムも2024年2月の最終成果発表会を経て、終了しました。

このプログラムでは、様々なことを学びましたが、最大の教訓は「遠くへ行くならみんなで行け」です。これは、プログラム参加当初の私と、現在の私で、最もGAPの大きい考え方でもあります。

当初の私は、「自分にできること」の範疇でしか、やりたいことを考えることができませんでした。正確には、やりたいことが思い浮かんでも、自分ができることでなければ、諦めてしまう、という感覚でしょうか。しかし、これだと近くのゴールにしかたどり着けない。何より全くわくわくしない。

一方で今は、たくさんの仲間や応援してくれる人たちに囲まれ、自分が思いもよらなかった新しいコトにどんどん触れています。地道な一歩を積み重ねているだけで、周りの人がその一歩を二歩にも三歩にもしてくれる感覚です。だから、遠くに行ける。

(事業化実現プログラムで南相馬を初訪問した際の集合写真)

一度きりの人生、どうせなら今の自分では遠すぎてみえない、遥か彼方まで行ってしまいたいと思っています。(笑) 運良く恵まれた環境にいることを噛み締めながら、これからも一歩を積み重ねていきます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!それでは。

#福島県 #南相馬 #事業化実現プログラム

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