断末魔の叫び

断末魔とは:死に際の苦痛。また単に、死に際

「断末魔の叫び」というのは、これより、「死に際の叫び声」として良いでしょう。
人死にが多い都合上か、ミステリでも様々な断末魔の叫びが登場するのですが、ことミステリにおいては、叫びの質よりは叫び自体にウエイトが置かれているように思います。

叫び声が上げられることで「死んだという事実」が確定し、声の時間より「死亡時間」が確定し、声の位置より「犯行現場」が確定することになります。
あと、「死んだ人が誰なのか」も確定されることもあります。
私は実際の断末魔の叫びを聞いたことはないのですが、絶叫で誰のものかわかるものなのかは疑問がありますが……男女の違いが限界ではないかと思われますが、まあそこはミステリ世界というファンタジーということにしておいた方が良いのかもしれません。

勿論これを利用したトリックなども過去に存在します。それは、叫びをスピーカーで流すことで時間を誤認させるものであったり、偽装断末魔の叫びが聞こえるはずのない場所で聞こえてしまったがために偽装だとバレてしまうようなのもあったと記憶しています。

推理小説家は何気ない(?)断末魔の叫び一つにもこのレベルの情報や伏線を落としてきます。推理小説はのんびり読んでいる場合ではないと実感させてくれますね?